予算消化ですまぬ地域活性化・経済危機・雇用対策
2009年 07月 28日
この補正予算は、国の「経済危機対策」により、9億8,940万円の地域活性化・経済危機対策臨時交付金などが確定したのを受けて、市が88事業を計上したもの。道路・側溝・公園の補修整備費や太陽光発電システムの設置補助などに約10億円。市の短期直接雇用事業や委託雇用事業などに約6,580万円。子育て応援特別手当やがん検診などに約7億円。共立病院の駐車場等の拡張や心臓血管外科の手術用機械を整備などに6.219万円などが主な事業だ。
「総選挙目当てのバラマキ」との批判の中、ほんとうに困っている中小零細企業やいわき市内で1万人を越した失業者のために、役立つものになっているのか。自治体が中央集権機構の一部として、予算消化の無責任体制になっていないか。総合計画の実施計画の前倒しや公共事業の前倒しと予算落ち事業の復活ですませていないか。事業執行後に、事後評価する政策評価をきちんと行なうのか。それらの点を検証する意味で、以下の質疑を行った。
●質問:地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業56事業のうち、本市総合計画実施計画の前倒し実施による事業は何事業あるのか。
○答弁(財政部長):市総合計画実施計画も平成22年度以降に位置づけられた事業を前倒しする事業は17事業です。
●質問:地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業56事業は、地球温暖化対策、少子高齢化社会の対応、安全・安心の実現などが施策分野となっていますが、医療、介護、環境、農業、林業などの分野における地域活性化と雇用創出を前提に中長期的な視点に立って採用した事業はどのような事業か。
○答弁(財政部長):中長期的な視点に立って採用した事業は、高度医療の充実に資する機器整備に対する補助や、環境負荷の少ない循環型のまちづくりを推進するため太陽光発電システムの設置に対する補助の他、農林水産業における基盤整備を進めるため、農道及び林道の整備を図ることに加え、水産業の活性化に向け、地場水産物の消費拡大促進を図るため各種イベントを実施するなど、本市の将来を見据えた各種事業に取り組むこととしたものです。
●質問:雇用対策事業20事業による雇用効果は、雇用形態別に何人になるのか。
○答弁(商工観光部長):新規雇用者数は、直接実施事業における雇用で22人、委託事業における雇用で45人を予定しております。
●質問:雇用対策事業20事業のうち、継続的雇用につながる事業は何事業あるのか。
○答弁(商工観光部長):継続的雇用につながる事業は、ふるさと雇用再生特別基金事業の1事業です。
●質問:地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業、雇用対策事業、国・県補助事業等において、事業採用を求める市内事業者等からの提案や要請などはあるのか。
○答弁(財政部長):去る7月6日に、いわき湯本温泉観光協会等から「観光事業活性化支援について」の要望がなされ、その中で同交付金を活用した事業提案がなされたところです。
●質問:提案や要請がある場合、その内容はどのようなものか。
○答弁(財政部長):要望内容としては、交流人口の拡大に向けて、同交付金を観光産業へ重点交付するよう要望されたものです。
●質問:提案や要請がある場合、提案や要請にはどう対処しているのか。
○答弁(財政部長):観光産業については、同交付金の趣旨にも合致し経済効果が高いと判断したことから、一部予算措置を講じたところです。
●質問:地域活性化対策事業や雇用対策事業として、NPOや市民の側からの事業提案を募集し、コンペ実施の上、提案事業を採用している自治体もありますが、本市としては、今後そのような手法をとる考えはあるか。
○答弁(財政部長):経済対策の趣旨に鑑み、経済の活性化や雇用創出に迅速に対応する必要があることから、事業提案の募集やコンペの実施、提案事業の採択など一定の期間を必要とする手法を取り入れることは困難である。
●質問:地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業及び雇用対策事業について、事業執行後に、本市で事後評価する政策評価の場を設ける考えはあるか。
○答弁(商工観光部長):市の経済・雇用対策は、「市緊急経済・雇用対策会議」を設置し、国・県の動向を踏まえながら、地域活性化や市民生活の安定に向けた様々な対策を実施してきたところであり、評価についても、同会議の中で、可能な限り検証して参ります。