静岡地震で浜岡原発大きな揺れ、東海地震に備え耐震見直しは必至
2009年 08月 12日
中電が公表したところでは、地震後、5号機原子炉建屋内で約250本ある制御棒のうち約30本の駆動装置が故障していた。使用済み燃料の貯水槽の放射能濃度が通常の50倍に上昇し、主タービン軸受け部の摩耗を示す警報装置が作動。タービン建屋壁面もひび割れた。自動停止した4号機では原子炉内の中性子測定装置の一部が動作不能、廃炉の1.2号機周辺で最大約20センチ地盤隆起や沈下が発見された。
保安院は、「今回の地震による浜岡原子力発電所5号機で観測された最大加速度(426ガル)は、耐震指針に基づき設定された基準地震動S2(600ガル)による基礎版上の応答値(最大加速度582ガル)及び新耐震指針に基づき事業者により設定された基準地震動Ss(800ガル)による基礎版上の応答値(最大加速度701ガル)を下回っている。」としているが、約40キロも離れマグニチュード6.5の地震でこれだけ揺れたとすれば、東海地震では1000ガルを超えるという指摘もあり、果たしてどうなるのか?
気象庁などは、今回の静岡地震の震源は東海地震の想定震源域の中だったが、「東海地震に結び付くものではない」との結論を下した。名古屋大学地震火山・防災研究センターの山岡耕春教授は「今回の地震はフィリピン海プレート内部で起こっている可能性が高い。想定される東海地震の前兆はみられないが、今後、観測データの詳しい解析が必要だ」と指摘している。
神戸大の石橋克彦名誉教授は「155年間たまったエネルギーがいずれ東海地震を起こすことに変わりはない」と述べ「今回を警鐘として地震対策を再点検することが大切だ」と警鐘を鳴らしている。
東海地震は、直下型巨大地震だ。
浜岡原発の原子炉周辺の機器配管などはどうなっているのか?今後、地震の影響が明らかにされよう。原発の耐震安全性の見直しがまた迫られることは必至だ。