いわき市長選、櫛田氏「共立病院の独立行政法人化は医療現場の混乱を招く」
2009年 08月 18日
市長予定候補者2名のうち、渡辺敬夫氏は欠席、現職の櫛田一男氏は出席して、「市民が提案するマニフェスト」についての考えを語った。
最初に、いわきを変えるゾ市民の会の佐藤雅子代表が、聞く会の趣旨とこれまでの経緯を説明。渡辺敬夫氏には何度か出席を要請したが8月3日の時点で最終的に「出席辞退」との返事で大変残念であることが伝えられた。
「市長予定候補者に市民が提案するマニフェスト」が読み上げられたあと、インタビュー形式で、
1.「市民の命優先」の視点から地域医療システムと福祉サービスを再構築します。
2.市民に開かれた行政改革を積極的にすすめ、市民の生活基盤を高めます。
3.未来世代のため、環境汚染の防止を徹底します。
のマニュフェストのそれぞれの小項目に、市長予定候補者が30分に渡って応え、そののち、1〜3の項目の再質問と再回答が行われた。
・市の救急・高度医療の拠点となる市立病院を守り、新病院を早期に建設します。
・いわき型ER(注1)を目指し、市内開業医との医療ネットワークを構築します。
・市の通院・入院に対する医療費助成の対象を、中学校卒業までとします。
・安心できる介護体制確保のため、介護従事者の待遇改善と事業所への支援をすすめます。
櫛田一男氏は、概ね、提言に同意できること。医療費無料化の中学校卒業までの拡大は検討したい、とした。
再質問の「小泉改革の2006年骨太の方針ー社会保障費削減策を否定するか」との問いに、これまでも医療費削減に反対してきたし、地域医療を守るために頑張る。相手候補の「共立病院の独立行政法人化」方針は、医師はじめコメディカルなどの反発が強く現場の混乱を招くと反対し、慎重な姿勢を示した。
2について、
櫛田一男氏は、前市長までの市長交際費が年間850万円だったのを、90万円に切り詰めたことを明らかにした上で、「市長の退職金を廃止します」ときっぱり明言した。
収入役が10月から廃止されるので、「副市長は二人必要」と話した。
・「市長への手紙」を創設し、FAXやメール等で直接市民の声を聞き、答えます、については前向きに検討したいとし、以下は検討すると応えた。
・各種審議会の半数は公募とし、市民が参加しやすいよう、夜間や休日の開催を実現します。
・役所内に、公募委員を含む「マニフェストの進行管理委員会」をつくり、会議は公開とします。
3について、
・市民の理解を得られないゴミ処分場は許可しません。
・焼却・埋立て中心のゴミ処理政策を転換し、ゼロ・ウェイスト都市を目指します。
・老朽化した北部清掃センターは建て替えせず閉鎖します。
櫛田一男氏は、山一処分場を認めず撤退させたこと。北部清掃センターは建て替えせず閉鎖することは、前向きに検討するとした。
最後に、会場からの質疑応答では、
・アリオスに総予算の中で、建設前に行政が約束した、市民参加の市民企画事業に予算が付けられないか。
・いわき発ものづくり事業について、いわき市でも「脱官僚の改革」が必要ではないか。
・市民の会として、1年に一度は市長との対話集会を継続すべきではないか。
などの意見が出され、「市長との対話集会の継続」については、予定候補者も市民の会もそれぞれ継続するという発言があった。
聞く会は、率直な質疑応答と意義のある意見交換が続き、終了した。