常磐病院の引継ぎ、二次救急900件の実績確保は保障なし
2009年 12月 07日
大きな項目は、平成22年度予算編成、地域医療と市立病院、農業の再生、の3点。
詳しいやり取りは、明日以降紹介するとして、今定例会で、条例から削除する案が出されている市立常磐病院の民間譲渡問題について。
11月30日、いわき市長と財団法人ときわ会の間で、医療機能の継承や土地の貸付、建物等の譲渡、財政支援など九条にわたる「いわき市立常磐病院の引継ぎに関する基本協定書」が締結された。
市立常磐病院の引き継ぎに関する基本協定書では、「後継医療機関選定委員会報告書の内容を踏まえ、特に救急医療について診療体制の一層の充実に努める」とされているが、後継医療機関選定委員会報告の付帯意見は、これまでの常磐病院の実績を踏まえて、法人の更なる努力を求めている。そこで、「二次救急における常磐病院の実績を確保できる保障はできたのか」と、ただした。
結論から先に言えば、救急医療、2次救急について、常磐病院の実績、年間900件を確保できる保障は、未だない、ということだ。
病院局長の答弁で明らかになったのは、「約300件程度の受け入れは最低でも可能となる」というもので、常磐病院の実績、年間900件は抽象的な精神論になってしまっている。後継医療機関選定委員会報告の附帯意見である「これまでの常磐病院の実績を踏まえて、法人の更なる努力」は、どこに行ってしまったのか、といわざるを得ない。常磐病院の実績、年間900件はおろか、法人が経営してきた竹林病院の300件も初年度は怪しいというもの。これでは、年間900件近い二次救急をどこで受け入れるのか、その体制を地域で構築可能なのか、早晩大問題となることは必至だ。到底納得できるものではない。
●病院局長答弁/
引継ぎ後の救急の受け入れについてでありますが、現在の常磐病院における救急の受け入れは、近年減少傾向にあり、平成20年は約900件となっております。
引継ぎ後におきましては、現在、財団法人ときわ会竹林病院で対応している約300件程度の受け入れは最低でも可能となるものでありますが、市内の医療提供体制に急激な影響を及ぼすことがないよう、今回締結した基本協定の中で、特に救急医療について、法人は診療体制のより一層の充実に努めるものとしたところであります。
また、法人におきましては、提案以上の診療体制を確保するため、非常勤医師の常勤化や関連大学を通じた新たな医師確保に努めることとしており、こうした取り組みにより、救急医療体制の充実も図られるものと考えておりますことから、市といたしましては、法人に対し、診療体制の更なる充実を要請して参りたいと考えております。
なお、引継ぎ後は、耐震補強を含め、老朽化した施設の改修工事を行なうため、この間、救急の受け入れについては一定の制限をせざるを得ない状況となりますことから、地域の医療機関のご理解やご協力をいただく必要があるものと考えております。