市立常磐病院の存続・充実を求める請願
2009年 12月 10日
請願締め切り日の12月9日、「市立常磐病院の存続・充実を求める請願」が、地元常磐地区の住民などで組織する市民グループ「市立常磐病院を存続・充実させる会」から提出された。
わたしども、いわき市議会創世会は、請願の趣旨に賛同。会派から代表して1名を紹介議員とした。
●請願の内容は、以下の通り。
市立常磐病院の存続・充実を求めることについて
請願要旨
市立常磐病院の民間譲渡には、今でも市民の根強い反対があり、また市立常磐病院で診療を受けている患者の方は、今後の治療に大きな不安を抱えています。市内の医療関係者からも、いまだに疑問の声が出されています。
また、市立常磐病院は年間1,000件前後の救急受け入れをしています。ところが、財団法人ときわ会が経営する3カ所の医療機関では年間300件ほどにとどまっており、財団法人ときわ会がどれだけの救急受け入れが可能か不明です。このことから見れば、市立総合磐城共立病院の負担がかなり大きくなることが予想され、今でも危機的状況にある救急医療体制をより一層悪化させてしまうことが懸念されます。
こうした状況であるにもかかわらず、いわき市は市立常磐病院を平成22年4月までに市立総合磐城共立病院に統合することを目的とした、「いわき市病院事業の設置等に関する条例」の改正案を市議会12月定例会に提案しました。
いわき市はこの条例の改正案を市議会で審議する前に、市立常磐病院を財団法人ときわ会に譲渡する協定を11月30日に締結しました。この協定には、いわき市が財団法人ときわ会に対し、市立常磐病院の後継医療機関の開設資金として8億8,000万円の「常磐病院継承開設費補助金」を交付することが含まれています。しかし、この「常磐病院継承開設費補助金」は12月3日に始まった市議会の一般会計補正予算案で提案されたばかりで、承認されるかどうかは今後の市議会の審議にかかっています。市議会の審議を経ないで、8億8,000万円という巨額の税金を交付する内容を含む協定を締結することは、問題があります。
いわき市は、医療に対する市民の不安にこたえ、地域医療に責任を持つ立場で市立常磐病院の民間譲渡を見直し、自治体病院として存続・充実させるべきです。
国の新政権により社会保障制度の見直しが起こり得るこの時期に、市立常磐病院の民間譲渡をなぜ急ぐ必要があるのか疑問です。今回の国の政権交代を踏まえ、いわき市は国に対して、自治体病院としての本来の目的を達成できるための財政的保障をすることを積極的に働きかけるべきです。いわき市がこうした行動をとることを市民は期待しています。
請願事項
1 市立常磐病院の民間譲渡をやめ、自治体病院としての本来の目的に立ち返り、市立常磐病院の存続・充実にいわき市が責任を負うこと
2 国に対して、医療費抑制策をやめ、国民が安心できる医療の充実を求め、自治体病院が本来の目的を達成できるための財政的保障をするよう求めること
請願者
いわき市常磐上湯長谷町湯台堂144番地の3
市立常磐病院を存続・充実させる会
