いわき市小名浜のアクアマリンふくしまが、この春、二つの体験型施設をオープンさせる。3月20日に、命の教育を実践する「子ども体験館 アクアマリンえっぐ」、4月1日に、小名浜の漁業にふれる「うおのぞき~子ども漁業博物館」だ。
7月に開館10周年を迎えるアクアマリンふくしま。これまでも、生命の深化を調査して、シーラカンスの生態を解き明かすなど環境水族館として、世界に名を轟かせてきた。
新施設のオープンを前に、館長の安部義孝さんが小名浜まちづくり市民会議で「アクアマリンえっぐ&子ども漁業博物館〜アクアマリンが小名浜を面白くする!アクアマリンえっぐと漁業博物館の挑戦〜」と題して、講演した。
「アクアマリン えっぐ」では、裸足で海の生き物に触れあい、自分で釣った魚をその場で食べることができる。命の誕生、生命の死、死んた生き物が他の生き物に利用されている様子を観察する。安部館長は「子どもたちが凶暴化している現代、生命の死に触れることで、命の尊さを実感する『命の教育』を実践して、未来の世代を育成したい」と話した。
「うおのぞき~子ども漁業博物館」は、小名浜港の東魚市場にオープンする。
漁師が海にまつわる話の読み聞かせをする「番屋船物語」、水揚げされた魚をいけすで展示する「小名浜活魚紹介」、かつお節削りや塩作り体験などの「体験コーナー」のほか、豊間海友会と進めてきた伝馬船製作技術伝承事業の「伝馬船工房」では、伝馬船文化を継承するなど、楽しみながら漁業にふれる。
アクアマリンパークと漁港区を結び、観光客の回遊性を高めるため、小名浜港内の観光遊覧船のシャトル便の運航による海上ルートの計画もある。
安部館長は、未来を担う子どもの育成と地域活性化をめざし、「よみがえれ、小名浜の漁業」と話す。「小名浜パエリヤ」「小名浜ブイヤベース」「小名浜クラムチャウダー」「小名浜しめサンマ」などのレシピも紹介したほか、「料理人」安部館長は、安い魚に付加価値をつけようと「ドンコ」に光を当てていくことを提案した。
10周年を迎えたアクアマリンふくしまの新しいキャッチコピーは、「おいしいやしの水族館」。おいしい小名浜、おいしい水族館。アクアマリンが小名浜を面白くする!アクアマリンえっぐと漁業博物館の挑戦がはじまる。