福島原発のプルサーマル反対、MOX燃料の情報公開を
2010年 02月 04日
軽水炉でウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)を燃焼させるプルサーマル自体の危険性はじめ、福島第1原発3号機に搬入後12年になるMOX燃料は、製造時の品質保証に問題があるほか、長期貯蔵によりプルトニウム組成が変化し、核崩壊も進んだ結果、この燃料をそのまま使用できない状態になっています。
また、東京電力は、住民や自治体、福島県・福島県民に説明もないまま、第2回目に炉心に装荷するMOX燃料集合体32体をフランスのコジェマ社メロックス工場で既に加工しましたが、昨年、同工場で加工された関西電力のMOX燃料に品質問題が発生し、MOX燃料を大量に破棄処分する事態となりました。このため市民グループは、コジェマ社メロックス工場で加工中のMOX燃料の品質保証を確認するため、基本的な検査項目の公開を求めていますが、東京電力は、これさえ公開せず、2002年に不正事件を起こした企業体質が依然変わっていません。
福島第一原発3号機は、運転開始以来34年を迎える老朽炉。老朽炉でのMOX燃料使用について対応技術は実証確認されておらず、まさに、福島第一原発3号機が実験台。プルサーマルの前提である核燃料サイクル計画は、六ヶ所村再処理工場の溶融炉の欠陥により完全に行き詰まっており、現状で、プルサーマル実施に踏み込めば、使用済み燃料は発電所内に残り続け、地元立地町はじめ福島県が「核のゴミ捨て場」と化すことは明らかです。
申し入れ内容は、以下の4点。
1、運転34年を迎える老朽炉・福島第一原発3号機でプルサーマルは実施しないこと。
2、製造後10年以上貯蔵し品質保証のない福島第一原発3号機用MOX燃料は破棄すること。
3、コジェマ社メロックス工場製のMOX燃料の品質保証の確認、検査項目を公開すること。
4、双葉断層と福島県沖地震を抱える福島第一・第二原発の耐震安全性評価をやり直すこと。
