原発の耐震評価誤りの隠蔽に抗議
2010年 04月 22日
東京電力福島第一原発の広報部は、「半年の情報公開の遅れをおわびします。耐震安全性評価に影響は低いが、本来は発覚時に報告すべきだった」と述べました。ネットワークは、次の3点の回答を求めています。
1、福島原発の耐震安全性評価の誤りを7ヶ月隠蔽したことについて、住民県民に謝罪すること。
2、隠蔽の事実経過を明らかにし、ずさんな耐震評価体制の改善と再発防止対策を公表すること。
3、無責任な耐震安全性評価中間報告書を撤回して、双葉断層を70㎞と評価するなど、福島第一・第二原発の耐震安全性評価をやり直すこと。
以下は、抗議文です。
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2010年4月21日
東京電力株式会社 社長 清水 正孝 殿
福島第一・第二原発の耐震安全性評価の誤りについて、7ヶ月間公表しなかった県民無視の態度に抗議する
4月19日、貴社は福島第一原発・福島第二原発の耐震安全性評価に誤りがあったことを公表しましたが、県民の安全・安心を無視し、7ヶ月間もその事実を隠していました。
貴社の発表によれば「平成21年4月3日および6月19日に提出した中間報告書等において使用した解析用数値について再確認をしていたところ、福島第一原子力発電所1~3号機、6号機および福島第二原子力発電所1~3号機の原子炉建屋の鉛直方向解析モデルに使用した解析用数値の一部に誤りを確認したことから、当該中間報告書等の修正を行い、本日、原子力安全・保安院に提出しました」「誤りが確認された当該箇所について、正しい数値を使用して再解析を実施した結果、すでに報告している当該号機の原子炉建屋および安全上重要な機能を有する耐震Sクラスの主要な設備等について、耐震安全性評価等に影響を与えるものではないことを確認いたしました」としています。
しかし、2002年の不正事件以来、貴社は盛んに情報公開をいい、企業体質の改善を声高に主張してきましたが、昨年9月に耐震安全性評価の誤りを確認していながら、7ヶ月間もこの事実を隠すということは一体何なのでしょうか。7ヶ月間もこの事実を隠蔽し、福島県に報告せず、福島県民にも公表してこなかったことは、極めて由々しき事態であり、情報隠しそのものです。
言っていることとやっていることが違いすぎるのではありませんか。言葉があまりにも空虚です。
貴社は、肝心な点になると秘密主義が徹底します。中越沖地震での柏崎刈羽原発の震源断層もその情報を隠し続けたことが発覚しています。情報公開の原則と県民の安全・安心の軽視は明らかではありませんか。まさに県民無視そのものです。
しかも、この7ヶ月間は、福島県エネルギー政策検討会や県議会で東京電力福島第一原発3号機でのプルサーマルをめぐって議論が行なわれていた時期と重なります。そこに、耐震安全性評価の誤りを出したくなかった、故意に公表しなかったのでは、という疑念が残ります。耐震安全性は、県のプルサーマル受け入れの3条件の一つであり、事は重大です。下請け業者の解析や評価をチェックしない、できない、貴社の耐震安全性評価が果たして信用できるのでしょうか。
わたしたち福島県民は、県民無視、安全・安心をないがしろにする貴社の姿勢を認めません。この問題は曖昧にできません。プルサーマル受け入れの際、貴社への信頼が回復したと判断した立地町にとっても、また福島県にとっても、本件は決して小さな問題ではありません。
この際、私どもは、無責任な耐震安全性評価にもとづく福島第一原子力発電所3号機でのプルサーマル実施に反対し、下記について、貴社の速やかな回答を求めます。
記
1、福島原発の耐震安全性評価の誤りを7ヶ月隠蔽したことについて、住民県民に謝罪すること。
2、隠蔽の事実経過を明らかにし、ずさんな耐震評価体制の改善と再発防止対策を公表すること。
3、無責任な耐震安全性評価中間報告書を撤回して、双葉断層を70㎞と評価するなど、福島第一・第二原発の耐震安全性評価をやり直すこと。
以上
ストップ!プルトニウム・キャンペーン 脱原発ネットワーク・会津 脱原発福島ネットワーク とめようプルサーマル!三春ネット 福島原発30キロ圏ひとの会 双葉地方原発反対同盟