福島県議会がプルサーマル請願不採択
2010年 06月 30日
以下は、脱原発福島ネットワークの声明。
●声明
福島県議会の「安全審査想定外の長期保管MOX燃料を使い、原発敷地内に使用済MOX燃料を貯蔵するプルサーマルを進めないことについて」の請願不採択について
1、福島県議会は、脱原発福島ネットワークが6,941名の署名とともに、6月県議会に提出した「安全審査想定外の長期保管MOX燃料を使い、原発敷地内に使用済MOX燃料を貯蔵するプルサーマルを進めないよう求める請願書」を6月30日の本会議で起立採決の結果、起立6名の賛成少数で不採択としました。
2、この請願の要旨は、「福島県議会は、東京電力株式会社が安全審査の影響評価想定外の長期保管MOX燃料の使用をやめ、原発敷地内に貯蔵する使用済MOX燃料の処理方策が決まるまで、老朽化の進む福島第一原発3号機でのプルサーマルをすすめないよう求めます」というものです。
3、6月29日の福島県議会企画環境常任委員会は、請願の取り扱いで、「プルサーマルを進めるべきで不採択とすべきであり採決すべし」との発言を巡って、「採択とすべきだが、県の結論が出ておらず継続審議とすべき」「使用済MOX燃料の処理方策も決まらぬままでは継続審議とすべき」と継続審議を求める意見と、「プルサーマルは長いこと論議してきた」との意見がだされたといいます。そして、採決か否かの採決では、採決と継続審議が4対4の可否同数となり委員長の職権により採決と判断され、起立採決の結果、採択すべきは共産、社民両党の2委員、自民、民主、公明各党の6委員は起立せず不採択となりました。
4、福島県議会の請願採決は、福島県民に異論のあるプルサーマルについて、福島県による受け入れ3条件の確認結果がでていない段階で、しかもを使用済MOX燃料の処理方策が確定しない段階で、慎重な審議を経ることなく委員会採決を強行したもので、県民の代表として拙速のそしりを免れないものです。
5、福島県議会の請願不採択は、請願要旨にある安全審査の影響評価想定外の長期保管MOX燃料と原発敷地内に貯蔵する使用済MOX燃料の処理方策について、福島県議会の責任ある解明を放棄したに等しく、老朽化の進む福島第一原発3号機でのプルサーマルをただただ推進するもので、福島県民の安全・安心の確保という福島県議会の任務にもとるもので、誠に遺憾です。
6、東京電力と国は、福島第一原発3号機の9月23日までの今期定期点検中に、安全審査の想定外のMOX燃料を装荷しようと「まるでブルトーザーのように」福島県の受け入れ3条件を確認しています。わたしどもは、今般の福島県議会の請願不採択という事態を踏まえ、7月中に予定される福島県原子力発電所安全確保技術連絡会の検証作業を注視するとともに、改めて、福島県に対して、福島県民の安全・安心を最優先する立場から、処理方策が決まらぬまま使用済MOX燃料を発生させるプルサーマルを進めないよう求めるものです。
以上
2010年6月30日
脱原発福島ネットワーク
