金華山漁場の玄関口にある宮城県石巻港の魚市場整備と水産業の活性化に向けた現状を、7月13日会派で視察した。石巻港は、振興上、特に重要な漁港として、全国に13港ある特定第3種漁港のひとつだ。イワシ、サバ、鰹、サンマ等の水揚げ基地として発展してきた。平成21年度年間取扱高は、全国の主要漁港で第9位の11万5千トン、売上高は第14位で152億円。北洋スケトウダラの頃、かつては300億円だったという。こうした減少傾向のなかで、水産業を取り巻く環境の変化にどう対応しているのか、調査した。
石巻港は、水揚げ岸壁の長さが1,200m、魚市場上屋根の長さが652mと日本一で、水揚げ量、水揚げ高ともに日本有数。石巻港管理者は宮城県。魚市場は石巻市が、石巻市水産物地方卸売市場として開設。魚市場の卸売人は、石巻魚市場株式会社。開設者と卸売人からお話を伺い、施設を案内して頂いた。
石巻港は、昭和10年代に全国一のカツオの水揚げ量を誇り、その後北洋漁業、昭和52年以降の200海里漁業水域設定に伴う沿岸漁業への移行。昭和49年、第5次漁港整備長期計画により新漁港を開設。平成13年までに約449億円の事業費を投入して外郭施設および係留施設を整備した。また、漁港背後地に、108万㎡の水産加工団地を形成。約230の企業。水産加工場、冷蔵庫および水産流通関連施設を建設している。
水産物流通機能高度化対策事業で整備された魚体自動選別機。効率化と衛生管理の充実で産地間の競争力を高めるとされている。水産庁の「強い水産業づくり交付金」事業補助だ。
超低温冷蔵庫の建設は、海外まき網漁船や遠洋鰹鮪一本釣漁船の誘致を図り、石巻漁港の水揚げ増大と加工原魚の安定確保を目的として、平成8〜9年度に実施されたものだ。運営組織として、中小企業法に基づく法人が必要として、水産関連業者28社が出資して、石巻市超低温冷蔵事業協同組合を設立した。冷蔵庫の全容量は、5,200トン。MAX3,000トン。通常2,500〜2,800トンの利用となっている。事業費18億円。50%国庫補助。市は2千万円負担。25年償還起債10億円。施設使用料である年間使用料3,300万円。収支決算の健全化まで市からも使用料年額の3分の1以内の補助金が支援された。
超低温冷蔵庫の中は、零下50度。外気温との差はこの日75度以上だった。