山玉浄水場の異臭水問題が7月30日から8月3日かけて発生し、8月3日までの5日間で勿来、小名浜、泉、鹿島、中央台等地区の市民から192件の苦情が殺到したため、8月25日、現場視察を行った。
まず、山玉浄水場の原水を取水している四時川へ。田人町の南大平分校裏手の東北電力小川発電所の取水口から始まり、山玉浄水場まで原水の取水経路を2時間にわたり辿った。

入浴剤を撒いたような四時ダムの表層。暑さのために大量発生した四時ダムの藻のアオコの発生状況をみる。バッキシステムがないため、今年の日照りに対応できず、通常繁殖のアナベナという藻より更に高温に耐える亜熱帯から熱帯生まれのミクロキステスという藻が大量発生した。

四時ダムは、50ミリ降雨で放流されるが、7月30日には藻が発生した約8t程度の水が放流された。この放流水が原水に入り今回の異臭水の原因となったものだ。

写真右は東北電力小川発電所の放流口、左が四時ダム放流水の川筋。

山玉浄水場の原水を四時川から導水している五ケ村堰。

山玉浄水場の取水口。


山玉浄水場内の浄水施設や活性炭注入装置などを視察した上で、場長はじめ現場の技査、水質管理センター所長などから時系列的に事案の発生状況と対応の実態をきき、1時間にわたり聞き取り調査を行った。その結果、ダム放流水の問題、活性炭注入の対応マニュアルの問題点、水道局として感応試験の体制、施設上の課題等が明らかとなり、改善が必要であることがはっきりした。
昨年末実施の「水道に関するアンケート」では、水道事業に対する市民満足度が変化している。水道事業に対する市民満足度について、満足傾向が前回より6.1ポイント減り不満傾向が5.1ポイント増えた。満足、不満傾向いずれの傾向も「水道水の水質」あげている。水道局は、安全で良質な水の確保を第一に考え、山玉浄水場はじめ浄水施設の改善に取り組んで頂きたい。