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地域経済対策と雇用創出

9月定例会、一般質問の「地域経済対策と雇用創出について」のやり取りを以下、紹介します。

 世界経済危機の発生から2年が経っても依然、多くの国で失業は記録的な水準にあります。史上最高水準の2億1,000万人が職を失い、世界人口の8割が何らの社会的保護も得られず、世界の労働力の40%に相当する推計12億人近くが2008年に1日2ドルの貧困線を上回る収入を得られなかったという世界の暗い雇用現況が続いています。(中略)
 いわきに目を転じてみますと、全国の景気が輸出等により持ち直しとされても、いわきの景気は下げ止まりといわれてきました。ここに来て平成22年度第一四半期のGDPの減速により景気の先行きが懸念され、円高による景気の失速感も広がりつつあります。7月の完全失業率は5.2%で依然高く、正規労働者と非正規労働者の格差も開いたままです。そこで、以下伺います。

1点目は、地域経済と雇用情勢の現状について、です。
 
ア、地域経済について、本市としては、地域経済の現状をどうみているのか、お尋ね致します。
—答弁(商工観光部長)本市におきましては、これまで、国・県の施策に呼応した様々な経済対策や、市内中小企業の下支えを行うことを目的とした市制度融資の積極的運用などを実施してきましたが、これらの効果により、平成22年1月から7月までの負債総額1,000万円以上の企業倒産件数がここ3年間の同時期比較で最も少なくなっていること、大口電力使用量が2四半期連続で前年の水準を上回る状況で推移しているなど、企業の生産活動が緩やかに回復している一方で、不況業種を対象とした市中小企業不況・倒産関連対策資金融資の利用が、依然として高水準で推移していること、また、市内の大型小売店等販売額が9四半期連続で前年の水準を下回る状況で推移しているなど、企業の生産活動の回復が消費の拡大につながっていないことから、本市の経済状況は、依然として厳しい状況にあるものと認識しております。

イ、雇用情勢について、本市としては、雇用情勢の現状をどうみているのか、お尋ね致します。
—答弁(商工観光部長)本市の雇用情勢につきましては、平成22年7月の有効求人倍率が0.48倍と、過去最低を記録した昨年5月の0.37倍からは持ち直したものの、求職者数と求人数の差は概ね5,000人を上回る状況が続いているところであり、また、来春の新規高卒者の求人状況につきましても、7月末日現在では、就職希望者1,200人に対し、求人が542人、求人倍率0.45倍となっているなど、低い状況にあります。
さらに、正規、非正規労働者にかかる雇用情勢についても、県内の正規雇用にかかる有効求人倍率が、平成22年7月実績では0.21倍と、昨年6、7月の0.15倍より改善しているものの、低水準にあります。
以上のことを総合的に勘案しますと、本市の雇用情勢は、依然厳しい状況にあるものと認識しております。


2点目は、本市の地域経済対策と失業者・若者の雇用創出について、です。

 政府は、新卒者の雇用促進や家電・住宅エコポイント制度の期間延長、中小企業の海外販路開拓支援や都市再生、環境、医療などの規制・制度改革、病院などの耐震化対策などの追加経済対策の基本方針を決定し、新成長戦略実現に向け「新成長戦略実現推進会議(仮称)」の設置も盛り込みました。財源は約9200億円の予備費を活用して9月10日に閣議決定する運びです。
 いまこそ、輸出頼みから内需拡大への転換が必要です。福島県も20年度から始まった緊急雇用創出基金事業の来年度予算分38億円の一部前倒し活用するとしております。そこで、以下伺います。

ア、追加経済対策について、本市は地域経済対策としてどのような対策を考えているか、お尋ね致します。
—答弁(商工観光部長)お質しの追加経済対策につきましては、国が、去る8月30日に基本方針を決定したところであり、現時点では、施策の詳細が示されていないことから、市といたしましては、今後、情報収集に努めながら適切に対応して参りたいと考えております。

イ、若者の雇用・就労について、2008年7月定例会において、本市として若者の雇用推進事業を具体的に計画すべきではないかとの質問に対して、本市は「更なる若年者の雇用促進に繋がる施策の充実に努めて参りたい」と答弁しましたが、本市としての若者の雇用推進事業をどのように進めてきたのか、お尋ね致します。
—答弁(商工観光部長)本市におきましては、若年者の雇用対策といたしまして、これまで、社会人としての基礎的な知識や能力の向上を図る「高校生就職支援事業」や若年者向けの就職面接会を実施してきたほか、昨今の厳しい雇用情勢を踏まえ、市長を先頭に関係機関と連携し、市内経済団体や民間企業等に対して新規高卒者の求人要請を行うなどの対策を講じて参りました。
また、今年度につきましては、未就職卒業者に対する新規の支援策として、「新卒者就職サポート事業」を実施するとともに、6月定例会において、「いわき市工場等立地奨励金制度」を改正し、新たに「雇用奨励金」を創設するなどの対策を推進してきたところであります。

ウ、失業者と若者の雇用創出について、今後、本市としては雇用創出対策をどのように進めるのか、お尋ね致します。
—答弁(商工観光部長)今後の雇用創出対策につきましては、本定例会において、新たに、重点分野雇用創出事業7事業、地域人材育成事業2事業の補正予算を計上したところであり、今後につきましても、雇用情勢、並びに国・県の動向等を注視しながら、雇用創出基金事業をはじめとする国・県の施策に適切に対応し、市内における雇用の創出及び確保に、積極的に取り組んで参りたいと考えております。

エ、「パーソナルサポート」について、内閣府は仕事を失った若年層などに対してハローワークや自治体が就職まで一対一で支援する「パーソナルサポート」の制度化に向けた準備を進めていますが、本市はどう対応していく考えか、お尋ね致します。
—答弁(商工観光部長)現在は、国において制度化の検討がなされている段階であることから、今後は、それら動向を的確に把握し、関係機関との協議を進めながら、本市における仕組みづくりについて検討して参りたいと考えております。

 いま、孤立化した「人」と縦割り化・複雑化した「制度」という日本の現状が大きな社会問題化しています。
 パーソナルサポート制度は、無縁・孤立・貧困に陥った人に対して、生活・居住形態や就労の有無などにかかわらず、「寄添い型・伴走型支援」として、個別的継続的に、専門家の立場から相談・カウンセリングを行い、必要なサービスに〈つなぎ〉、また〈戻す〉役割を担う新たなチャレンジです。
 内閣府の検討委員会は、制度の詳細を詰め、本年度後半にモデル事業の第1弾として北海道釧路市や横浜市、沖縄県など5カ所で実施し、来春の第2弾では、全国15カ所で実施予定といいます。
 本市の積極的な対応を要望して、次に移ります。


by kazu1206k | 2010-09-10 07:09 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k