3号機、原子炉を停止して総点検すべき
2010年 09月 18日
●声明
3号機の点検漏れは、県民への背信行為!
県民の安全・安心を最優先に、原子炉を停止して総点検すべきだ。
1、東京電力は、運転開始34年の老朽原子炉である福島第一原発3号機で、MOX燃料を燃やすプルサーマル計画を実施するため、9月17日23時に起動する予定でした。しかし、東京電力は、予定時間に原子炉を起動できませんでした。東京電力によれば、制御棒を引き抜く前の準備作業でチェック中、非常用冷却水を送る弁の「閉」のランプ表示が消えず、制御棒の引き抜きができなかったといいます。非常用冷却水を送る弁の表示は、運転中は「開」、運転前は「閉」が正常であり、原因は、接点の不具合とされ、本来は点検すべきものをしていなかったといいます。
2、起動に立ち会っていた福島県原子力対策課は、点検漏れを確認して準備作業の継続を認めたため、東京電力は、本日18日10時20分、制御棒を引き抜いて起動させました。
3、しかし、本来は点検すべきものを点検していないというのは、言語道断です。点検漏れを見過ごす東京電力の企業体質で安全が確保されるのでしょうか。このような安全管理の実態では、今後何が起こるかわかりません。プルサーマルで事故が起きてからでは遅いのです。立地町住民はじめ福島県民は、裏切られた思いです。福島県民はいま、プルサーマルに大きな不安と危惧を感じています。
4、原子炉起動の準備作業にOKのサインを出したのは、他ならぬ福島県原子力対策課が中心の福島県安全確認プロジェクトチームです。この安全確認プロジェクトチームが東京電力に作業実施状況に問題はないとしました。これで、安全確認をしていることになるのですか。何をチェックしたのでしょうか。未点検部分を発見できず、見逃していることはあきらかです。さらに、この点検漏れをあっさり認め起動を承認した福島県原子力対策課は、県民の安全・安心をどう考えているのでしょうか。日頃「県民の安全・安心を最優先に」といっているのが、空しく響きます。福島県の責任が問われているのです。
5、点検漏れを見過ごす東京電力の安全管理体制では、安全は確保されません。プルトニウム利用炉で事故が起きてからでは遅いのです。福島県は、原子炉を停止させ、全点検個所を再点検するよう事業者に申し入れるべきです。福島県民の安全・安心を最優先にして、9月22日予定の発電開始は中止すべきです。使用済MOX燃料の行き先も決まらぬままプルサーマル発電を開始してはなりません。
以上
2010年9月18日
脱原発福島ネットワーク
