安全軽視・効率優先のずさんな原発保安体制
2010年 10月 05日
申入書の内容は、下記の通りです。
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東京電力株式会社 社長 清水 正孝 殿
福島第一原発5号機の保安規定違反に抗議し、同3号機でのプルサーマルの中止を求める申入書
9月2日福島第一原発5号機で、緊急時に原子炉へ冷却水を送る原子炉隔離時冷却系の定例試験を実施した際、系統のタービンが自動停止したトラブルで、9月27日、経済産業省原子力安全・保安院は貴社に対し、福島第一原子力発電所原子炉施設保安規定に違反しているとし、12月27日までに根本原因の究明と再発防止対策の報告を求めました。
今回の違反では、5号機の原子炉隔離時冷却系の機能喪失が8月16日から9月2日まで17日間も続き、約半月以上にわたり緊急時に原子炉へ冷却水を送れない状態のまま運転していたことに気づきませんでした。
貴社の福島第一・第二原発の保安規定違反は、これで11件にのぼるとされます。
貴社は、8月21日に福島第一原発3号機にMOX燃料を装荷しプルサーマルを強行しました。しかし、3号機では作業員の放射線内部被曝、残留熱除去系の放射能汚染水の水漏れ等安全に係る事故が続発した上、原子炉起動準備中に発生した非常用炉心冷却系の炉心スプレイ系表示ランプ回路の点検漏れで、予定の9月17日23時に起動できず半日遅れの起動となりました。このほか、第一原発では、6月17日に2号機で、外部電源全喪失事故が発生しています。
これら一連の事案は、第一原発所長の謝罪ですまされる問題ではありません。
東京電力の変わらぬ安全軽視の企業体質と点検漏れを見過ごす安全管理体制が改めて浮き彫りになりました。原子炉の運転管理者として、基本的な安全管理に重大な欠陥をはらんでいることは明らかです。
処理方法の決まっていない使用済MOX燃料は発電所に残り続け、福島は核のごみ捨て場にされようとしています。プルトニウム利用炉で事故が起きてからでは遅いのです。
わたしたちは、県民の信頼を損ねた貴社に対し、第一原発5号機の保安規定違反に抗議するとともに、県民の安全・安心を最優先するよう求め、以下貴社の速やかな回答を求めます。
記
1、福島第一原発3号機・5号機は、一旦原子炉を停止して再点検を実施すること。
2、各事案の原因究明と再発防止対策を明らかにすること。
3、安全軽視・効率優先・住民無視の企業体質とずさんな安全管理体制の抜本的改善を図ること。
4、県民の安全・安心を最優先し、県民の信頼を回復するため、プルサーマルを中止すること。
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