プルサーマル営業運転を許すな
2010年 10月 20日
10月26日、東京電力はプルサーマル発電の営業運転を開始します。
8月21日、東京電力は福島第一原発3号機にMOX燃料を装荷し9月18日原子炉を起動しました。
しかし、原子炉起動準備中に発生した非常用炉心冷却系の炉心スプレイ系表示ランプ回路の点検漏れで、予定の9月17日23時に起動できず半日遅れの18日となりました。
この際、3号機の原子炉起動作業にOKのサインを出した福島県原子力対策課が中心の福島県安全確認プロジェクトチームは、3号機の未点検部分を見逃したあげく、点検漏れをあっさり認め起動を承認しました。3号機では起動作業に作業員の放射線内部被曝、残留熱除去系の放射能汚染水の水漏れ等安全に係る事故が続発していたにもかかわらずです。
さらに、東京電力はプルサーマルを強行する一方で、保安規定違反もやっていました。
9月2日第一原発5号機で、緊急時に原子炉へ冷却水を送る原子炉隔離時冷却系の系統タービンが自動停止しましたが、8月16日から9月2日まで原子炉隔離時冷却系の機能喪失が17日間も続き、約半月以上緊急時に原子炉へ冷却水を送れない状態のまま運転していたものです。
9月27日、経済産業省原子力安全・保安院は東京電力に対し、福島第一原発原子炉施設保安規定の違反により、12月27日までに根本原因の究明と再発防止対策の報告を求めました。
福島第一・第二原発の保安規定違反は、これで11件目です。
6月17日には2号機で外部電源全喪失事故も発生しており、これら一連の事案は、第一原発所長の謝罪ですまされる問題ではありません。
東京電力の安全軽視の企業体質と点検漏れを見過ごす安全管理体制が改めて浮き彫りになりました。
原子炉の運転管理者として、基本的な安全管理に重大な欠陥をはらんでいることは明らかです。
また、福島県は説明責任も果たさないばかりか、東京電力のチェックも不完全で「県民の安全・安心を最優先に」とは全く裏腹の対応を続けており許されるものではありません。
このため、9月21日、全国80の市民団体は、福島県の点検見逃しを陳謝し、説明責任を果たして「県民の意見を聴く会」を開催するよう知事と県議会議長に要望陳情しました。
処理方法の決まっていない使用済MOX燃料が発生し、今や福島は核のごみ捨て場にされようとしています。
県内12の市民団体は、10月5日、東京電力の繰り返す保安規定違反に抗議し、第一原発3号機・5号機は原子炉を停止して再点検をするよう求め、安全軽視、効率優先、国民無視の体質が変わらない以上、プルサーマル発電の中止を求めました。プルトニウム利用炉で事故が起きてからでは遅いのです。
わたしたちは、あきらめません。
わたしたちは26日、福島県に9月要望の回答と安全協定の強化を求めると共に、東京電力に営業運転の抗議とプルサーマルの中止申入れを下記の通り実施します。
みなさまの参加を訴えます。参加の際は、ご一報ください。
●福島第一原発3号機プルサーマル営業運転を許すな! 10.26行動
2010年10月26日(火)
午前 9時30分 集合 福島県庁西庁舎正門前 沈黙のアピール
午前10時00分 県原子力安全対策課、9,21の回答および申し入れ
午後 2時30分 大熊町役場、申し入れ
午後 3時15分 双葉町役場、申し入れ
午後 4時00分 東京電力福島第一原発、申し入れ 正門付近
脱原発福島ネットワーク