脱原発福島ネット2011年総会
2011年 01月 26日
総会では、双葉地方原発反対同盟の石丸小四郎さんが「福島原発40年と反原発の歩み」と題して、立地計画の浮上以降42年にわたり福島原発に反対してきた立場から、「その奇跡をつぶさに見てきた者として、福島原発の過去と現在を再検証し、今後の運動課題を考察する」として講演されました。
石丸さんの提起の項目、
・計画は世界最大の原発集中地帯
・急激な開発スピード 技術は米国のコピー
・商業利用しながら実験研究 運転2ヶ月で環境汚染
・運転開始3年で応力腐食割れ
・燃料棒破損 環境に放射能放出
・原発を止めたがらない体質と隠蔽体質を形成
・「実験研究原発」の犠牲 原発被曝労働に集中
・放射線被曝労働の大幅改善を
・相双地方と双葉郡の死産率及び癌死率は高い
・原発反対運動の軌跡
・まとめ
石丸さんのまとめ、
1、東京電力の原発17基は同社に対してさしたる利益をもたらさず負担を強い被曝などの多大な犠牲を生んでいる。→稼働率38年間で65%、80%以上でないと競争力がない。有利子負債7兆7千億円、自己資本比率19,4%。
2、使用済み核燃料(使用済みMOX燃料を含む)、固体廃棄物、廃炉解体廃棄物が双葉郡に残り続ける。→2008年度末で、使用済み核燃料2万7千体、固体放射性廃棄物23万本。廃炉後の廃棄物処理体系、財政、自治体の関与など全く決まっていない。
3、相双地方、とりわけ双葉郡は全志望者に占める癌死亡者の割合や人口動態調査の基礎データが県や全国に比較して、全て悪い状況にある。→福島原発の総被曝線量は1,214人Svになり、これを1万人Svの癌死者評価数に当てはめれば容易ならざる事態。
4、原発所在町の財政と雇用環境の衰退。→大熊町以外の実質公債費比率や経常収支が悪化し、県内ワースト10に3町が入る状況。
5、反原発運動の成果と教訓
総会は、2010年度の総括で、福島第一原子力発電所3号機のプルサーマル導入をめぐって、福島県要望や県議会請願、東京電力への抗議行動など様々な活動が展開されたほか、福島原発に対する監視活動の継続、そして営業運転40年を控えて「ハイロアクション福島原発40年」実行委員会が結成されたことが報告され、2010年の提案活動の主な13項目中8項目が実現できたことが確認されました。
また、2011年度の活動計画とその具体化について、ブレーンストーミングと討論が行われ、主要な10項目が決められました。
