被曝させられている、積算754.73μSv
2011年 04月 17日
福島原発事故の長期化、学校の再開、「直ちに健康に影響はない」とする安全論が流布される状況下で、市民や子を持つ親、保護者からは不安の声が数多く寄せられていました。
こうした中で、市民科学者をめざした故高木仁三郎さん設立の高木学校で活躍中している、 元放射線医学総合研究所主任研究官(医学博士)の崎山比早子さんを講師に迎え、「原子力発電所事故に伴う放射線の健康影響」を基本から学びました。
・原発事故による放射性物質の拡散
・放射線と放射性物質(放射能)の関係
・外部被ばくと内部被ばく
・年間の被ばく線量
・放射線がDNAに当たると?
・放射線量とリスク、急性障害と晩発障害
・変異は細胞にたまって行く、放射線の危険性は蓄積する→発ガン
・がんは多数の遺伝子の変化で起きる
・線量当たりの発ガンリスク
・放射線感受性 年齢的には若いほど、臓器では細胞分裂が盛んなほど感受性が高い
・放射性ヨウ素の吸収と甲状腺への蓄積
・ヨウ素剤の効果と配布基準・場所
・ヨウ素剤の服用量
・原子力事故で放出される主な放射性物質の半減期
・各国のヨウ素剤配布方法と備蓄
・水道水の汚染について
・ベクレルからシーベルトへの換算方法
・放射性ヨウ素の被ばくによる甲状腺がんの発症予測
・チェルノブイリ事故の被害
・チェルノブイリ事故のによるがん死数見積もり
・ヨウ素剤の服用
「私たちは被爆させられている」という崎山先生の言葉とおり、東京電力の安全無視・経営優先主義と国の原子力推進政策、そして事故に対する初期対応の失敗、原子力防災体制の欠陥によって、わたしたちは「ヒバクシャ」にさせられてしまいました。風向きと地形によって東日本の国民が放射線の低線量被曝を強制されています。
いわき市の空間線量を積算した数字は、公式発表されているもので、3月13日から4月14日まで1ヶ月の積算線量が754.73μSvになります。一般市民の年間許容線量の限度は、1mSv=1000μSvです。
崎山先生は、過酷事故を起こした東京電力やそれを支えてきた原子力安全・保安院、原子力安全委員会がテレビで事故解説をしていることについて、「犯人が説明している」と話されていました。的を得た話です。現状では、原子炉内で何がおこっているのかも定かではなく、放出された放射能核種や放射線量の数値はどうなっているのか、事故の真相も明らかにされず、事故対策も果たして適正なものか、国民は不安と不信に陥っているのです。
今回の崎山比早子講演会ですが、是非私も拝聴したいので、動画で見せて頂く事はできますでしょうか?
今後も福島のため頑張ってください。