質疑ー脱原発、雇用、国際バルク戦略港湾
2011年 06月 28日
総括質疑は、全ての議案、市長提案要旨説明、報告などが対象ですが、質問のみです。
一般質問終了後に追加提案された約1億8千万円の補正予算案(学校などの放射線検知器304台や食品・水などの測定用ゲルマニウム半導体検知器3台などを購入する原子力災害対策事業費)を含めて、復旧・復興の進め方などを、質疑しました。
●6月定例会 質疑項目
1、市長提案要旨説明について
(1)本市の東日本大震災からの復旧・復興に向けた進め方について
(2)小名浜港の国際バルク戦略港湾選定について
(3)久之浜・大久地区における仮設店舗整備事業について
2、議案第13号 平成23年度いわき市一般会計補正予算(第5号)及び
議案第14号 平成23年度いわき市水道事業会計補正予算(第5号)について
(1)一般会計補正予算の原子力災害対策事業費について
(2)水道事業会計補正予算のゲルマニウム半導体検出器の配備について
3、提出 いわき市土地開発公社経営状況にについて
(1)事業報告書について
(2)決算報告書について
今回は、1、市長提案要旨説明のやり取りを紹介します。
1、市長提案要旨説明について
(1)本市の東日本大震災からの復旧・復興に向けた進め方について
ア、計画策定にあたり、国や県の計画との整合性を図ることとしているが、福島県の有識者会議「県復興ビジョン検討委員会」が、原子力に依存せず再生可能エネルギーや省エネ、リサイクルを強力に推進する社会づくりを目指すとして「脱原発」の姿勢を鮮明にした基本理念案をまとめた。県知事もこれを重く受け止めるとして、この理念が復興ビジョンと具体的な施策を示す復興計画の柱となる見通しだが、県の「脱原発」の基本理念をいわき市も復興の柱としていくのか。
—答弁(復興監)今後、策定していく復旧・復興計画においては、「市民の安全・安心を最大限に確保すること」、「震災前よりさらに活力を備えたまちを創造すること」を重視しており、太陽光発電などの新エネルギーの導入促進を図りながら、原子力発電に依存しない社会の形成を目指して参りたいと考えております。
イ、万が一、県との整合性を図らない可能性はあるのか。(略)
ウ、本市として、原発事故に伴う労働者と企業の避難・移動に対応する観点からも、生活再建の復旧から地域経済・産業の再建にむかう復興を貫く重要な柱は、雇用にあると考えられるがどのように考えているか。
—答弁(商工観光部長)復興に向けて最も重要なことの一つは、市民の生活基盤となる雇用を生み出す地域経済・産業の再建であると考えております。その第一段階としては、被災の復旧に伴う公共事業を中心とした有効需要の増大であり、これに伴う雇用創出が図られると考えております。また、第二段階としましては、復興に向けた本格的な取り組みであります。本市としては、この復興の取り組みを更に活力を備えた、まちの創造へのチャンスと捉え、将来の地域の活性化に繋がる例えばエネルギー分野などの新たな復興事業を発足されることにより、新たな雇用が生み出され、地域の経済成長に大きく貢献すると期待しております。このように、復旧と復興という二つの面から産業の再生と雇用の創出を図る。そして、雇用により、市民生活の基盤が確保され、消費支出が増加するといった、地域経済の好循環を生み出して参りたいと考えております。
エ、復旧・復興計画の取りまとめに当たる各分野の専門家等からなる検討委員会に、再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策の専門家はどの程度は入るのか。
—答弁(復興監)検討委員会の構成につきましては、現在、新エネルギーをはじめ、都市計画や地域福祉、健康科学や地域経済など幅広い分野から人選を進めているところであります。
オ、「オールいわき」で取り組むとしているが、これまでの震災対応は「オールいわき」の体制になっているのか。
—答弁(行政経営部長)3月11日の震災直後から、消防団、行政嘱託員、民生児童委員、ボランティアの方々など、震災復旧に向けて、多くの市民の皆様の御協力をいただいております。
カ、市民意識と市民感情の大勢において、「オールいわき」とはどのような状態をさすのか。
—答弁(復興監)復旧・復興計画の策定に当りましては、特に被害が甚大であった沿岸地域の皆様との意見交換をはじめ、様々な分野の専門家、有識者等からなる検討委員会や市内各界各層の代表者からなる市民委員会での議論、さらには、素案の段階におけるパブリックコメントを実施する等、可能な限り市民の皆様のご意見の反映に努めることとしております。
これらの取り組みを通し、多くの市民、企業、関係団体等の皆様方と「再生への想い」や「再生後の姿」を共有することで、「オールいわき」で取り組む「ふるさと・いわき」の創造的復興が図られるものと考えております。
キ、復旧・復興計画の取りまとめに当たる市民委員会の構成は、どのようなものか。
—答弁(復興監)市民委員会につきましては、幅広い市民の皆様のご意見を反映しながら、基本的な方針等に基づき、復興に向けた具体的な取り組みを検討するために設置するものでありますことから、医療、福祉、環境、教育、産業等、様々な分野からの参画が可能となるよう、今後、検討を進めて参りたいと考えております。
(2)小名浜港の国際バルク戦略港湾選定について
ア、小名浜港が石炭の国際バルク戦略港湾に選定されたが、小名浜港の早期復旧や国際物流拠点としての小名浜港の復興に、どのような効果を期待しているのか。
—答弁(商工観光部長)東日本の石炭の供給拠点として重要性が増した小名浜港の早期復旧・復興が期待されるほか、物流の効率化による輸送コストの大幅な軽減が図られることにより、小名浜港を利用する企業の国際競争力が強化されるなど、本市の経済発展や地域活性化に大きな効果を期待するものであります。
イ、いわき市の復興計画における、国際物流拠点としての小名浜港の位置づけはどのように考えているのか。
—答弁(商工観光部長)復旧・復興計画の策定にあたっては、単に震災前の水準に戻すだけではなく、「震災前より更に活力を備えたまちを創造すること」を目指して策定に取り組んでいくこととしております。そのためには、本市の経済産業活動を支える流通基盤の整備充実は重要な要素であり、小名浜港の早期復旧と更なる整備促進は不可欠であるものと考えております。
(3)久之浜・大久地区における仮設店舗整備事業について
ア、久之浜・大久地区における商業者の支援と地域住民の利便性の確保を図るために仮設店舗を整備するとされるが、食料品店はじめ飲食店や理容店などの導入はどのようになっているか。
—答弁(商工観光部長)仮設店舗には、野菜や肉、総菜等を取り扱う食品小売店をはじめ飲食店、理容店、衣類小売店、鮮魚小売店、家電機器販売店、酒類販売店、建築設計事務所及び商工会が入居する予定となっております。
イ、本事業は、商業者の支援と地域住民の利便性の確保を図るために仮設店舗を整備するとされるが、他の津波被災地区に対する対応はどう考えているか。
—答弁(商工観光部長)他の被災地区につきましても、今回の取り組みを参考に、設置要望があった場合には、土地の手当等の条件整備の見通し等を踏まえ、同様の取り組みが可能か検討しながら独立行政法人中小企業基盤整備機構と協議して参りたいと考えております。
ウ、商業者の支援と地域住民の利便性の確保を図る観点では、移動販売車の導入を求める住民の声もあるが、どう対応しているのか。
—答弁(商工観光部長)雇用促進住宅や応急仮設住宅に入居された被災者の方には、高齢者や車をなくされた方等買物弱者が多数であることから、買物不便の解消を図るため、緊急雇用創出基金事業を活用して移動販売事業を委託により実施することとし、既に6月20日から、生鮮食品や加工食品、日用日、衛生用品等生活必需品の移動販売を開始した所であります。
今後におきましても、利用者等の要望に耳を傾けながら事業の円滑な実施に努めて参りたいと考えております。