無責任な国の災害廃棄物処分方針
2011年 07月 20日
これをうけた環境省は、学識経験者等の災害廃棄物安全評価検討会を開催しました。その結果、6月19日の第3回検討会を受けて、放射能汚染がれきについて、その汚染度を特定することなく、通常処理してよいと発表しました。さらに、7月14日の第4回検討会を受けて、バグフィルターの付加がなくとも燃やしてよい、埋めてての基準は8000ベクレルから10万ベクレルに緩和すると発表しました。
もともと、放射能による汚染物は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」61条の2に従い、放射能濃度のクリアランスレベル(年間0.01 mSv)を下回らない限り「放射性物質に汚染された物」に該当するため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」にいう廃棄物には該当せず(同法2条1号)、法律上は通常の廃棄物処理の方法で処理し焼却することはできません。「放射性物質に汚染された物」の対策は、原子炉等規制法35条に定めがあるものの、放射能汚染された場合の具体的な対策は、制度上存在していません。
しかし、東電福島原発事故の責任を取らず延命している原子力安全委員会は、今も福島第1原発から放射性物質を放出し続けていることを放置しながら、さらに放射能汚染の2次発生源を増やそうとしているのです。環境省の災害廃棄物安全評価検討会は、原子力安全委員会の下請けのように役所から提出されたものを容認する機関となっています。
環境省は、超法規的に、放射能汚染がれき焼却や埋め立て方針をたて、住民や作業員の健康に影響を与えないことを前提に、処理を行う焼却施設と処分場を持っている市町村が安全かどうかの判断を行って進めるようにと、自治体へ丸投げしているのです。
何と無責任!もし2次被害が出れば、判断した自治体の責任という方針なのです。
「直ちに健康に影響がない」「水素爆発でありメルトダウンではない」「スピーディーの予測を知らせると余計な心配を与える」などと住民無視の方針を出し続け、放射能汚染と被曝を拡大してきた国の方針が信用できるでしょうか。このような国の方針に従っていれば、自治体は住民の命と健康を守ることができません。このような国の無責任な方針は撤回されるべきです。
いわき市内の焼却施設での焼却と埋め立て方針について、バグフィルターで放射性物質の超微粒子が除去されるのか、放射性ガレキの焼却によって焼却施設が二次汚染の発生源となり、放射性物質がさらに周辺地域に飛散するのではないか、周辺地域住民はじめ家畜や野菜など作物を含め二次被曝になるのではないか、など住民の間から不安の声が上がっています。
また、焼却炉が放射能汚染されれば、炉のメンテナンスはどうなるのか、炉から排出される灰も放射性廃棄物となるのではないか、高濃度の放射性廃棄物を作り出さないのか、最終処分も困難になるのではないか、職員の被曝は考えているのか、と指摘されています。
当面必要なことは、ガレキを集め、一時保管すること、安全策を開発すること、です。処理を行う焼却施設と埋め立て処分場が二次汚染の発生源となることを防止して、安全が確認されるまで、燃やさず、埋めず、です。
前日、いわきの災害対策へ電話し、いわきでは放射線対策をしないのか聞いたところ、郡山市や福島市に比べると低いですからねぇ、そして話の途中ではいはい。との返事。
不安な親たちがいることをわかってください、と伝えましたが、その人には何も伝わっていないようでした。
虚しくなります。
国からも自治体からも見捨てられた気分です。
個人でやるには限界があります。
引っ越せるなら引っ越したいです。