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一般質問の詳細、第二の廃炉・30キロ圏内・給食食材

9月定例会、5日に行った一般質問の詳細ご報告です。

 震災から6ヵ月が過ぎようとしています。東京電力と国の様々な言説にも拘らず、依然として、原発事故収束のめどは立っていません。
 余震が続き、放射能汚染が拡大する中、市民は長期にわたる低線量被曝を強制されています。
 わたくしは、6月定例会に引き続き、いわき市を一変させてしまった原発震災による原子力災害を取りあげ、放射線被曝をより低く抑え、市民のいのちと健康を守るために、ともに考えて行きたいと思います。


今回は、「原子力災害と市民の放射線被曝をより低く抑える対策について」
(1)福島第一原発事故と福島第二原発の廃炉に対する今後の対応について
(2)福島第一原発から30キロ圏内地区の要望への対応について
(3)子どもを守る対策について
(4)県民健康管理調査と仮称「原発被曝者援護法」の制定について
(5)放射能汚染廃棄物などの処理と国・事業者の責任について
(6)原子力損害賠償紛争解決センターにおける和解仲介手続について
のうち、(1)から(3)のやり取りを、紹介します。

大きな第一点、原子力災害と市民の放射線被曝をより低く抑える対策について、であります。

1点目は、福島第一原発事故と福島第二原発の廃炉に対する今後の対応について、です。
 
 福島第一原発1〜4号機事故はいまも進行中であり、現在、推定で1時間当たり2億ベクレルの放射性物質の放出があると国・東京電力が試算公表しています。そこで、以下伺います。

①進行中の福島第一原発1〜4号機事故への対応については、放射性物質の放出を遮蔽するために建屋を覆うこと、溶融燃料と地下水との接触を防ぎ再爆発を防止すること、高レベル汚染水の漏出を止め放射能汚染の拡大を防ぐことなどが事故対応上の必須要件です。
 これらを早急に実現するよう、いわき市は国と東京電力に強く求めるべきではないか、お尋ね致します。

 —答弁(行政経営部長)国及び東京電力が示している、原子力発電所の事故収束に向けた道筋、いわゆる工程表の中で、安定的な冷却による再爆発の防止のほか、遮へい壁や建屋カバーなどによる放射能汚染の拡大防止等が明確に位置づけられております。
市といたしましては、こうした工程表の進捗状況を公表し、期限を厳守して取組みを進めることについて、これまでも、国に対する要望や東京電力に対する申し入れなどを行ってきており、今後も引き続き、適切な対応を求めて参りたいと考えております。

①−2国に対する要望や東京電力に対する申し入れを継続してやっていくことを確認頂きたい。
 —答弁(行政経営部長)国に対する要望や東京電力に対する申し入れを積極的にやっていきたいと考えております。

②原発事故の際、国も東京電力も通報連絡の対象外として、本市に何らの連絡もしませんでした。しかし、緊急時に連絡が全くないということはあってはならないことであります。
 6月定例会の行政経営部長答弁は「市としては、このような危機事象が発生した際には、当然、住民に対して、適時適切な指示を行うべきと考えており、正確な情報を迅速に入手することが、必要であることから、引き続き国及び東京電力に対して、正確な情報を速やかに開示するよう求めてまいりたい」と答弁しています。
 そこで、この件でいわき市が国及び東京電力に正確な情報を速やかに開示するよう求めた結果、どのような回答があったのか、お尋ね致します。

 —答弁(行政経営部長)市からの要請を受け、現在は、東京電力から原子力発電所の状況や作業中の取組みなどの情報が毎日、提供されております。また、国の原子力災害現地対策本部からは、原子力災害への対応に関して、国や県、他自治体の取組みなど様々な情報が随時、提供されている状況でございます。

③市民の安全確保は、国と東京電力による速やかな連絡通報が前提条件であります。国の防災対策重点地域(EPZ)を定めた現行の原子力防災指針を見直し、防災対策重点地域に本市を含めるよう、いわき市として改めて国に求めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)国の防災対策重点地域、いわゆるEPZについては、原子力発電所より、半径8kmから10kmの同心円の範囲で定められており、本市においては、福島第一原子力発電所から市境まで約25km、福島第二原子力発電所から同じく約15kmの距離にあるため、EPZの拡大を国や県に要望した経過もありますが、実現には至っておりませんでした。
今回の事故により、EPZの範囲を超えて、大きな被害が生じている状況を踏まえ、市といたしましては、EPZに組み込まれる必要があると、改めて認識したところであり、また、国においても、EPZを定めた防災指針の見直しを行うことを決定した状況も踏まえ、国や県に対し、範囲拡大等について、積極的に働きかけて参りたいと考えております。

④東京電力は、原子力災害対策特別措置法による原子力事業者防災業務計画上の対象外であることを、本市に通報連絡しなかった理由としていますが、余震が続く現状では、少なくとも本市とのホットラインを早急に開設するよう、いわき市として東京電力に強く求めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)現在、福島第一原子力発電所に係る様々な事象については、国や東京電力から構成される原子力災害現地対策本部が一元的に対応しており、本市においては、同本部から、適宜、情報提供を受けておりますが、今後は、原子力災害の早期収束や損害賠償などに関して、東京電力との関わりもこれまで以上に増加すると想定されるため、連絡体制の整備を求めて参りたいと考えております。

④−2市議会東日本大震災復興特別委員会で提出した事前質問に対する東京電力の文章回答が先週あり、連絡通報についていわき市と協議したいと文書回答があったので、緊急に連絡通報について、詰めて頂きたい。
 —答弁(行政経営部長)わかりました。

⑤いわき市の多くが30キロ圏内に入る福島第二原発について、今後、予想されるマグニチュード8クラスの余震や双葉断層による誘発地震による事故を考え、かつ本市復興計画における脱原発方針からも、福島第二原発の廃炉を国と事業者及び県に対して強力に働きかけるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)福島第一原子力発電所につきましては、既に廃炉が決定した1号機から4号機のみならず、5・6号機も廃炉にすべきと考えており、こうした内容も含め、原子力発電所災害の早期収束を、国や県、東京電力に対し強く働きかけてきたところであります。
 また、原子力災害が収束されていない現時点において、福島第二原子力発電所の再開は当然、あり得ないものと考えております。

⑤−2第二原発の廃炉を明確に発信していく決意はないか、市長、如何でしょう。
 —答弁(市長)基本的に廃炉にするかしないかは別にして、原発に依存しない社会を作る、再生可能エネルギーにシフトがえして行かねばならない。市の復旧・復興計画でも大きく位置づけていきたい。
 安全上、再開はあり得ないが、前段として、現在の核燃料棒を少なくとも切り離しておく必要がある。市として、国、東京電力に対し、改めてもうし入れていきたい。

 放射性物質の放出が続き、福島第一原発の危機は去っていません。そして、福島第二原発で事故が起きれば、いわき市は壊滅的な打撃を受けることは必死です。いわき市民にとって死活問題である福島第二原発の廃炉への対応を、あらためて要望して、次に移ります。

2点目は、福島第一原発から30キロ圏内地区の要望への対応について、です。

 福島第一原発から30キロ圏内地区の川前町荻・志田名地区、大久町大久・筒木原地区からは、市に対し原子力災害に伴う放射線対策や損害賠償などの要望が出され、本市も対応してきました。

⑥そこで、福島第一原発から30キロ圏内の川前町荻・志田名地区、大久町大久・筒木原地区から出された放射線対策や損害賠償などの要望に対して、本市としてはどのように対応を進めているのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、各地区からの要望を踏まえ、国・県、東京電力に対し、市民の安全・安心の確保に向け、福島第一原子力発電所における事態の急変に備えた常時モニタリングの設置をはじめ、放射線モニタリング体制の更なる充実強化を要望しているところであります。
更に、市といたしましても、独自に、避難を希望する方の避難先の確保やモニタリング調査を実施するなど、放射線対策に取り組んでいるところであります。
 また、損害賠償につきましては、これまで、出荷制限等による農林水産物の風評被害や就労不能に伴う損害への補償などについて、国及び東京電力に対して要望してきたところであり、去る8月5日に原子力損害賠償紛争審査会が示した「原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」において、賠償の対象となるなど、一定の成果が見られところでありますが、今後とも、市民が生活再建への希望をつなぐことができるよう、迅速かつ適正な賠償の実施に向け、国及び東京電力に対し、引き続き要望して参りたいと考えております。

⑦次に、放射線量の高い川前町荻・志田名地区での土壌汚染に対する表土除去として、7戸の試験的実施という報道がありましたが、どのように進めていくのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、市内の他地域に比べ線量が高い荻・志田名地区において、住民の皆様が安心して生活できる環境を実現するためには、様々な施策が必要であり、その一つとして、生活空間において高線量の地点の線量低減に向けた除染の取組みが必要であると考えております。
このことから、去る7月12日、原子力災害現地対策本部などが、当該地区において実施した「環境放射線モニタリング詳細調査」の結果や、8月3日に市独自に実施したモニタリング調査結果等を分析するとともに、住民の皆様の御意向を確認し、効果的な除染の実施に向け、取り組んでいるところであります。

⑦−2 7戸の試験的実施は、開始されているのですか。
 —答弁(行政経営部長)現在、住民の皆様の意向を確認し、打合せをし、効果的な除染の実施に向けて、取り組んでいる段階で物理的着手はしていません。

⑦−3 表土除染は、計画的にかつ行政区全体との調整を図った上で、進めるべき、合意形成はどうなっているのか、伺います。
 —答弁(行政経営部長)先日の7世帯の報道は、地域打合せの段階で途中経過で出されたものであり、議員のご指摘の通り、地域の皆様との協議、住民の意向を確認しながら取り組んでいくものです。

⑧次に、JAが東京電力に対して、休耕田の損害賠償請求額として1反あたり59,356円を請求していますが、川前町荻・志田名地区、大久町大久・筒木原地区の休耕田の損害賠償についてはどうなっているのか、お尋ね致します。
 —答弁(農林水産部長)福島県内の農産物の補償を取りまとめております「JAグループ東京電力原発事故 農畜産物損害賠償対策 福島県協議会」の事務局でありますJA福島中央会によりますと、議員がお触れになりました当該地は、3月15日に屋内退避区域に指定され、4月22日には指定が解除された地域であり、国の「原子力損害賠償紛争審査会」による8月5日の「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」の中で、屋内退避区域内の作付けしていない水田についての補償については、明確に示されていないことから、損害賠償の請求は行っていないと伺っております。

⑧−2 排除され損害賠償を受けられないのでは困る。当該地区の損害賠償について、いわき市としてどのような対応をするのか伺います。
 —答弁(農林水産部長)基本的に農業者サイドに立った対応が望ましいと認識しており、現在、JA福島中央会において、当該地区の生産者を救済するため、損害賠償請求について、検討を進めていると聞き及んでおります。

⑨先日、県内農用地の作付け制限基準を超える高濃度土壌汚染が公表されました。
 4月22日以降、いわき市内の半径20kmから30km区域が「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」に指定されなかった経緯も踏まえ、川前町荻・志田名地区の農用地の高濃度土壌汚染による作付け不能での損害賠償については、本市としても東京電力に対し誠意を持って損害賠償に応じるよう働きかけるべきではないか、お尋ね致します。

 —答弁(農林水産部長)本市は、これまで、原子力災害により影響を受けた農産物の補償について、十分な対応が図られるよう、 国・県及び東京電力に対し要望してきたところであります。
 市といたしましては、今後も引き続き、関係団体と一体となりまして、農産物に対する迅速かつ適正な補償が円滑に実施されますよう、様々な機会を捉え要望を行いますなど、適切に今後とも対応して参りたいと考えております。

 5月以来、荻・志田名地区を継続的に調査されている獨協医科大学の木村真三先生の調査では、土壌汚染の分析結果でも、チェルノブイリ原発事故の被災3カ国が法律で指定している移住義務対象地域、移住権利対象地域、放射能管理強化地域の放射能濃度にあたる平方メートル当り148〜862kbqとの数値が検出されております。
 こうした放射能汚染の中で、地区住民の不安は続いております。いわき市が、住民の要望に真摯に応えて行くことを改めて求めまして、次に移ります。


3点目は、子どもを守る対策について、です。

 放射線被曝をより低く抑えるためには、内部被曝をどう抑えるかが大きな課題です。
 
⑩そこで、学校給食の食材について、給食再開後の食材の産地分布はどのような構成か、お尋ね致します。
 —答弁(教育部長)野菜や肉などの生鮮品、延べ1,021品目の割合で申し上げますと、東北地方では、青森県が27%、秋田県0.3%、岩手県8.2%、山形県0.4%、宮城県1.1%、福島県が0.4%となっており、その他の地方では、北海道が7.4%、関東地方17.2%、中部地方3.9%、中国地方0.2%、四国地方5.5%、九州地方22.5%、輸入品が5.9%となっております。

⑪食材の放射能濃度について、6月定例会の教育長答弁は「福島県をはじめ11都県において検査計画を策定し、検査を実施している所であり、基準値を下回ったものが流通しており、検査の結果については随時公表されていることから、給食の食材は、この測定結果をもとにより安全なものの確保に努めて参ります」との答弁でした。
 一方で、検査を一度もしていない市町村が7月末時点で東北・関東14都県に約100市町村あり、国が抜き打ち調査を行うとの発表もありました。検査を一度もしていない市町村で生産された食材を使用したことはあるのか、お尋ね致します。

 —答弁(教育部長)平成23年4月4日、及び平成23年6月27日付けで 国が検査の実施を指示した対象自治体14都県の中で、7月末時点で検査を一度も実施していない市町村産の食材を使用したものは、埼玉県上尾市産の小松菜で延べ4回となっております。

⑫そこで、検査していない食品が流通していることから学校給食の食材は、全品検査する体制が必要ではないか、お尋ね致します。
 —答弁(教育部長)現在、具体的なものとして、保健所に導入されるゲルマニウム半導体検出器を活用し、学校給食の食材を検査する予定でありますが、その他の検査体制につきましては、食の安全・安心の観点から、全庁的に検討を行っているところであり、これに呼応し、適切に対応して参りたいと考えております。

⑫−2ゲルマニウム半導体検出器の他に全庁的に検討を行っているものは何か、伺います。
 —答弁(教育部長)まだ、全庁的に検討を行っていないが、適切に対処したいと思います。

⑬内部被曝をより低く抑えるため、農協出荷分に対応する市内営農センターへの放射能測定器の配備拡大や家庭菜園などに対応するため各支所への放射能測定器を配備するなど、食品等の簡易放射能測定器ベクレルモニターの配備を拡大すべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)食品等を通した内部被ばくを抑えるとともに、市民の食品等に対する不安を解消するためには、検査体制を確立し、その方法や結果を公表しながら、食品等に対する信頼感を積み重ねていくことが必要と考えております。そのため、市としては、市内農協に対する簡易モニタリング検査機器の貸与を開始しており、今後は、保健所や水道局に配備するゲルマニウム半導体測定装置による詳細調査のほか、これを補完するため、簡易モニタリング検査機器の複数拠点への配備など、食品等に含まれる放射性物質の検査体制の充実に向け、鋭意、検討を進めて参りたいと考えております。

⑭校庭・園庭の表土除去事業について、すべての児童・生徒に公平に対応するため、安全・安心の観点から問題のある「しきい値」を設けず、いわき市内すべての校庭・園庭の表土を除去する計画をどう進めるのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)教育施設や保育施設の除染につきましては、洗浄・清掃等を行った後に放射線量を測定し、毎時0.3マイクロシーベルト以上の施設の表土除去を行うもので、比較的線量が高い施設や保護者の協力体制が得られた施設から着手しており、各施設の洗浄・清掃等は9月末までに実施し、対象となる公立施設の表土除去については、11月中を目途に完了する予定となっております。
 具体的には、四倉第一幼稚園、及び久之浜第一小学校において、8月中に表土除去に着手したほか、夏休み期間中、私立幼稚園6箇所、私立保育所2箇所で表土除去を実施しております。
また、表土除去を実施しない施設につきましても、除染に係る様々な手法を用いて、更なる線量低減に向けて、一体的に取組みを進めて参る考えであります。


 内部被曝に対する市当局のスピーディな対応を強く求めまして、次に移ります。

*長文、ご覧いただきありがとうございました。
(4)から(6)のやり取りは次回掲載いたします。
Commented by いわき人 at 2011-09-07 15:46 x
震災から半年間、子供は外で遊べずストレスがのしかかっています。
健康被害を被るのは子供達です。
公園の土を除去させてあげたいのですがこのご時世、せめて学校だけでも、地域の公園1箇所だけでも、思いっきり遊んでいい場所を、大人の手で取り戻してあげたいです。
by kazu1206k | 2011-09-06 19:31 | 議会 | Comments(1)