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伊達市の除染・健康管理の現状

10月12日、福島県北部、福島市の北東に隣接する伊達市に伺って、放射性物質の除染対策事業と健康管理対策事業を視察させて頂きました。伊達市では、3.5μSv/hを超える放射線量となった霊山町小国地区の86世帯が特定避難勧奨地点に指定されるなど、8月21日時点では市域の30%強が1μSv/hを超える放射線線量でした。この日も、市役所玄関前に設置されたデジタル式のガンマー線計測器は、午後1時20分過ぎ、0.60μSv/hを示し、いわき市役所の6倍近い表示となっていました。
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伊達市は、東の阿武隈山系の霊山、西の吾妻連峰、北の宮城県境の山々に囲まれた福島盆地の中にあり、市域の65%が森林と農地です。今回の原発震災で福島第一原発の北西部に流れた放射能プルームによって大量の放射性物質が運ばれ、降下沈着した地域のひとつです。
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市役所玄関のエレベーター付近には、「放射能除染ボランティア参加者募集」というコープふくしまのポスターが目につきました。伊達市は、行政として、市街地は500mメッシュ、その他市域は1㎞メッシュで734地点の高さ1mの空間線量を測定し、「伊達市一斉放射線量測定マップ」を作成。

伊達市除染対策プロジェクトチームは、元原子力委員会委員長代理・元日本原子力学会長の田中俊一氏をアドバイザーに迎えて指導を受け除染対策事業を展開。その概要は、宅地・住居、学校などの公共施設、農地,山林の順で市内全域を除染するというもので、このPTの他(株)アトックス、(独)原子力機構、地元建設業者、住民、ボランティアにより実施。事業費は全額国費要求するとのこと。最大の課題は廃棄物の処理とされ,除染で発生した土砂等を自宅近くの一次仮置き場に、行政区や町内会の空き地や耕作放棄地を二次仮置き場に、捨て場として市有地に管理型の放射性廃棄物埋立処分場を建設するという計画ですが、仮置き場の段階で住民説明会を開いても「いつまでおくのか」との疑問が強く出され、合意が得られない状況とのこと。福島県が通学路などの除染に50万上限の補助事業を町内会などに行なっているが、「限定されすぎて使いにくい」という声があり、420町内会のうち申請が4件、調整中が10件の現状。ここでもネックは、仮置き場の件。実際、特定避難勧奨地点の小国地区で延べ150人が3世帯の除染実証試験で発生した汚泥等は,約35t。1軒約10tの発生。ブルーシートを敷き、汚泥の入った大袋を積み上げさらにブルーシートで覆い、汚染土壌以外の土嚢袋で遮蔽しているが、地上1m距離1mの空間線量は2.38μSv/h、距離5mで1.29μSv/h。これでは住民の合意を得るのは難しいだろう。

伊達市として内部被曝対策は確立していないものの、放射健康管理対策プロジェクトチームとして、7項目の健康管理対策事業を実施または計画しており,主なものは以下の通りです。
1、子ども及び乳幼児、妊婦への支援として8,614人に線量計・ガラスバッチを配布。8月の1カ月分を回収分析中。
2、特定避難勧奨地点の1,439人への支援として線量計・ガラスバッチを配布。9月から3ヶ月の測定中。
3、福島県の県民健康管理調査と整合性をはかりながら、18歳未満の甲状腺エコー検査、特定避難勧奨地点のホールボディカウンターによる検査の外部委託を今後実施する。
4、心の健康対策で、ガラスバッチの結果を踏まえて保健師による健康相談をホットスポットを中心に実施する。
5、市職員の放射能に関するスキルアップ講座の開催。これまで4回実施して職員の3分の1が受講。
6、放射能対策食事法として免疫力を高める食生活の推進など講習会など情報提供を進める。
7、放射能に負けない宣言。伊達市独自の健康管理計画を策定する。
by kazu1206k | 2011-10-13 17:30 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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