汚染対処特措法の基本方針案に意見を
2011年 10月 24日
これまで環境省は放射性物質汚染対処特措法などを検討する専門家の検討会を非公開で傍聴も認めず進めてきました。福島原発事故以前、セシウム137が100bq/kg以上は放射性廃棄物として低レベル廃棄物処理施設で、長期間厳重保管しなければなりませんでしたが、8月30日に公布されたの放射性汚染物質対処特措法は、10万bq/kg以下の一般廃棄物処分場での埋立、8千bq/kg以下の広域処理を追認する悪法です。この法に基づく基本方針骨子案が今回のものです。
放射性物質を含む瓦礫を全国に移動し、焼却、埋め立てることで全国各地の放射線レベルを高める施策とりまとめ、それを形だけ国民に説明し意見の募集(パブリックコメント)を求めるというのは、福島県民はおろか全国民を愚弄していると言わざるを得ません。
放射性汚染物質対処特措法は、環境大臣が汚染廃棄物対策地域を指定し処理計画を作り国が処理するのは警戒区域等のみです。下水道汚泥や焼却灰も汚染指定廃棄物に指定すれば国が処理しますが、10万bq/kg以下は廃棄物処理法で自治体が処理せよというもので、無理を国民と自治体に押付けています。
放射能汚染は、浜通り、中通り、そして福島県内にまんべんなく広がり、東日本をおおうほどになっているにもかかわらず、環境省は省令で定める要件として『「汚染廃棄物対策地域」「除染特別地域」は「警戒区域又は計画的避難区域」であること』『「汚染状況重点調査地域」「除染計画を定めることとなる区域」は「0.23μSv/h以上の区域」』として、対策地域として国が責任を持つ範囲を極小にし、さらに年間の追加被曝1mSvに相当する空間線量も0.23μSv/hなど全野外の2倍以上に拡大して見積もるなど、人々の被曝を過小評価する方針であり、福島県民は到底認められません。
排出責任者である東京電力、そして事故による放射能汚染を追認し、住民の健康を二の次にしている国の無責任な方針は認めない。福島県民の声を、全国の声を、環境省に届ける他ありません。
●「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」等に対する意見の募集(パブリックコメント)について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195110045&Mode=0