2012年度予算要望を提出
2011年 10月 28日
いわき市は、3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故からの復旧・復興をめざして、「いわき市復興ビジョン」を策定しました。これに基づいて、検討委員会により事業計画が現在検討されています。
創世会は、市復興ビジョンを受けて、24年度予算編成にあたっては、市民の要望を受けとめながら、会派で研究・討議した結果を取りまとめ、5つの取り組みの柱を中心にして、予算要望を50項目の要望としました。
この日は、執行部から市長の他、2人の副市長、行政経営部長、復興監、総務部長、財政部長が同席しました。やりとりでは、食品の放射能汚染測定器の配備を拡大するために、消費者庁による地方自治体への支援制度を活用することを提案、副市長からは現在検討中との応えがありました。
要望書の概要は以下の通りです。
●平成24年度 予算編成に対する要望
いわき市長 渡辺 敬夫 様 いわき市議会 創世会
1 被災者の生活再建
1)被災者支援等、平常時・非常時を想定した民間団体と連携出来る仕組みを整えること。
2)住宅の確保について、高台及び高台周縁部への小規模の集団移転が可能となる宅地の造成と復興住宅の早期整備を図ること。
3)雇用の確保について、公共事業の早期発注、失業対策事業の創設を図ること。
4)自主避難者の帰還相談窓口を設置すること。
5)民有地の道路・擁壁など、損壊箇所の修繕に財政支援を行うこと。
6)原子力災害に伴う損害賠償について、原子力損害賠償紛争解決センターの本市への設置を推進すること。
7)事業及び営業、自主避難など30キロ圏外の原子力災害に伴う損害賠償に応ずるよう東京電力に求めること。
8)放射性物質による不安を取り除くため、安全対策の前提となる放射能汚染マップをγ線核種のみではなく、α線、β線核種を含め、市街地は500mその他を1kmメッシュで作成すること。
9)放射性物質による不安を取り除くため、食品等の簡易測定器を支所単位で整備すること。
10)志田名・荻地区を「放射能からの地域再生プロジェクトのモデル地区」として、整備すること。
2 生活環境の整備・充実
1)「障害者虐待の防止、障害者に対する支援に関する法律」の施行及び障害者等の地域生活を支援するための法整備について、また「障害者総合福祉法」の制定及び実施までに行うべき課題についても、それぞれ遺漏なく事務作業を進めること。
2)子どもたちのためにも、保護者の不安解消や心のケアにも取り組むこと。
3)子どもたちのためにも、保育士や教員のケアなど支援体制を強化すること。
4)子どもたちのリフレッシュ保養を市独自でも責任をもって進めていくこと。
5)地域防災計画見直しのために、従来計画の検証を進めること。
6)情報通信技術を利用した行政情報のプッシュ型情報発信を推進すること。
7)屋内公園を設置するなど、屋内施設を充実させること。
8)相双医療圏の崩壊状況を踏まえた、地域医療再生計画を策定すること。
9)新病院建設構想を早急に確定し、建設を前倒して供用開始を早めること。
10)ゆうちょ銀行での納税を可能にする為の調査・検討を行うこと。
11)下刈り、枝打ち、徐伐、間伐等、花粉症対策のためにも総合的な林業の拡充を図ること。
12)母乳や子どもたちの尿などの放射能調査を実施し、その調査結果をもとにア
ドバイスが出来る専門機関等を作り、健康管理体制をしっかり構築すること。
13) 原子力災害対策の強化のため、EPZの拡大、事業者及び県との安全協定の締 結を進めること。
14) 放射線量を下げるため、子どもの生活の場をはじめ地域の除染活動を東京電力と国の責任で行うこと。
15) 各家庭の建物や庭などの除染費用の助成制度を確立すること。
3 社会基盤の再生・強化
1)下水道計画の大幅な見直しと、合併処理浄化槽普及の為の予算の変更(予算配分の見直し)を行うこと。
2)津波被害地域について、各地区ごとの土地利用計画に住民意見を十分反映させること。
3)小名浜港の早期復旧を図ること。
4)東日本大震災規模の津波を想定した、沿岸地域の住民の避難訓練を実施すること。
5)災害ごみについて、放射性ガレキの焼却・埋め立ては、東京電力と国の責任で行なうこと。
6)放射性ガレキの中間貯蔵施設を東京電力社有地または国有地に設置すること。
7)原発事故を想定した避難計画の策定及びその計画を踏まえた訓練を実施すること。
4 経済・産業の再生・創造
1) 北部地区の産業再生計画を策定すること。
2)洋上風力発電に係る産業集積について、施設の誘致とともに関連企業誘致に取り組むこと。
3)小名浜港背後地の区画整理事業の早期実施を図ること。
4)復興特区制度を活用し、小名浜港の輸出入品の無関税化を申請すること。
5)再生可能エネルギーで発電した電力を融通し合う、次世代電力網(スマートグリッド)を35万人都市において実証実験すること。
6)住宅用太陽光発電機や風力発電機の設置の助成を拡大すること。
7)電力料金の大幅な減免による企業誘致を促進すること。
8)震災経済特区を利用した法人税や事業所税の減免による企業誘致を促進すること。
9)農林水産加工物、加工品等の放射能汚染の検査体制の整備について、簡易型の測定器整備に対する事業者への助成制度を国・県に求め、市に創設すること。
10)復興特区制度の活用を含め、放射線医学総合研究所の誘致に取り組むこと。
11) エネルギー関連分野をテーマにした国際的、全国的な会議の誘致について、脱原発の国際会議などを積極的に誘致すること。
12) 全国大会が開催できるソフトボール場の正式球場を建設すること。
5 復興の推進
1) 大震災による生活用水の枯渇被害(田人地区など)対策に、国の特定財源(特別交付税など)をフルに活用して対応すること。
2) 総合磐城共立病院建設の財源は、復興特区制度の活用を含め国・県の制度資金を十分研究して最大限導入すること。
3) 復旧・復興に係る事業を早期に推進するための組織を構築すること。
4)子ども部を新設し、子育てを全面的に支援出来るシステムを構築すること。
5)「オールジャパン」体制の構築として、「原子力安全庁」の本庁または分庁の誘致を図ること。
6)災害時及び復旧・復興に向けた業務に対応出来るよう、現業職含めた正規職員を雇用し適正な人員管理を図ること。
以上、要望事項を取りまとめ提出いたしますので、何卒ご賢察の上、よろしくお願いいたします。