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『防災無線が聞こえない』

NHK総合テレビの「クローズアップ東北」で『防災無線が聞こえない』が、1月13日午後7:37(再放送14日午前10:05)に放送されました。
このドキュメンタリーは「津波警報など、災害時に避難情報を呼びかける防災行政無線。それが、東日本大震災では、様々な理由で住民に届かず、多くの犠牲につながっていた。その実態を徹底検証する。700人近い犠牲者を出した宮城県名取市閖上地区では5つの防災無線が全く機能しなかった。福島県いわき市では、防災無線の音が聞き取りづらく、震災前から問題化していた。この震災における防災無線の課題を洗い出し、地域の防災対策のあり方を考える」という番組内容でした。

翻って、いわき市の実態に関わる部分をみると、いわき市は津波被害の予防・軽減を図るため、2009年に津波ハザードマップを作成し、津波浸水想定区域周辺の約17,000世帯の住民に配布しました。これに対して、津波浸水想定区域に住む市民から、「高齢者や児童など災害弱者への対応をどうするのか」「想定区域の住民の防災訓練を実施すべきではないか」「防災スピーカーの放送が聴き取りにくい、何をしゃべっているか分からないので改善して欲しい」などの意見や要望が、わたくしの議会報告会で出されました。

この津波浸水想定区域の住民の声を受けて、わたくしはいわき市議会の2009年6月定例会でとりあげ、津波浸水想定区域の住民との情報共有と訓練の実施、防災スピーカーの改善などを質しました。
その内容は、以下の通りですが、指摘した問題点の改善と課題の解決に向けたいわき市としての取り組みが不十分であったことは否めません。残念ながら、今般の東日本大震災では大きな犠牲を出す結果となりました。いわき市は、この事態を重く受けとめ、組織体質の改革も含めて、津波被害対策を抜本的に見直して行かねばなりません。

●2009年6月定例会の質疑
1 市長提案要旨説明について
(2) 津波ハザードマップについて 
ア マップ配布後の市民への周知・啓発は、どう進めるのか。

—答弁(行政経営部長)津波に対しては、「先ず、逃げる」ことを基本的な認識としながら、沿岸部にお住まいの市民の皆様への津波ハザードマップの配布をはじめ、FMいわきの番組や広報いわき、市のホームページを通じて、地域の実情に応じた津波に対する防災意識の高揚などの周知・啓発に努めているところであります。
今後は、これらの取り組みに加え、市役所出前講座を活用するなど、関係機関と連携を図りながら、引き続き周知・啓発に努めて参りたいと考えております。

イ 津波浸水想定区域周辺の住民のうち高齢者や児童など災害弱者への対応はどう考えているか。

—答弁(行政経営部長)災害弱者への対応につきましては、家族やその居住地を管轄する消防団、自主防災組織など近隣住民による支援体制を整備しておくことが重要と考えており、市といたしましても、庁内の関係部署等が連携して、災害時における要援護者の避難支援に向け、手助けを必要とする住民の把握に努めるとともに、自主防災組織の結成促進及び育成指導に引き続き努めて参りたいと考えております。

ウ 津波浸水想定区域周辺の住民による防災訓練の方針は、決めているか。

—答弁(行政経営部長)関係機関及び自主防災組織等との協調体制の強化を目的とした訓練を実施する方針を、地域防災計画に定めているところであります。

エ 津波浸水想定区域周辺の住民が、行政区単位などで自主防災訓練を実施する場合の対応はどうか。

—答弁(行政経営部長)災害等への対応として、これまでも自主防災組織からの要請を受けて、組織の指導等を担当所管する消防署等と連携しながら、それぞれ対応してきているところであり、津波災害につきましても、同様に対応して参りたいと考えております。

オ 津波浸水想定区域周辺の防災スピーカーの放送について、「内容が聞き取りにくい、何をしゃべっているかわからない」との住民の苦情があるが改善策はあるのか。

—答弁(行政経営部長)津波警報・注意報等につきましては、防災行政無線による一斉伝達のほか、通報を受けた海岸を有する消防署や消防団の出動車両等によるサイレン・拡声放送によって周知する計画としております。
また、防災行政無線の屋外拡声子局は、海岸にいる方が自主的に警戒避難されることを期待して、補完的に情報を伝達することを目的としております。
従いまして、沿岸部であっても比較的機密性の高い屋内や、海岸から離れた場所におきましては、お質しのとおり、聞こえづらい場合もありますことから、このたび作成しました津波ハザードマップにも記載しておりますが、市民の皆さまには、テレビ、ラジオをはじめ、インターネット等を通じて、自ら情報を入手することの重要性について引き続き、啓発に努めて参りたいと考えております。

カ 津波浸水想定区域周辺の住民との情報共有と訓練の実施を行い、防災力・危機管理対応力を高めることを事業化する計画はあるか。

—答弁(行政経営部長)市民一人ひとりが、津波災害に備えて、防災力・危機管理対応力を高めていただくよう、津波ハザードマップを活用した市役所出前講座をはじめ、住民主体の自主防災組織等を対象としたいわゆる災害図上訓練の実施など、関係機関との連携を図りながら、引き続き、様々な機会を活用して、継続的な啓発に努めて参りたいと考えております。
by kazu1206k | 2012-01-15 12:00 | 防災 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k