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イオンモール、小名浜港周辺整備のやりとり

3月1日に行った2月定例会の一般質問の詳細ご報告です。2回目は、
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1、原子力災害対策、放射線被曝の最小化について
2、小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生プロジェクトについて
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のうち、「2、小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生プロジェクトについて」のやり取りを、以下に紹介します。 

 いわき市は、復興事業計画の「小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生プロジェクト」で、小名浜港背後地都市センターゾーンの開発事業計画を恊働で策定する事業協力者にイオンモール株式会社を選定し協定書を交わしました。25年度中に開発事業計画を策定し、平成27年度に使用収益開始としています。
 イオンモール株式会社が提案した事業企画提案では、平成27年3月開業目標で、土地6haは買収、総事業費は200億円、雇用創出効果2,000人、年間800万人の集客で年商200億円の規模としています。
 半径50キロを商圏とするイオンモールの展開は、いわき市の商業地図を大幅に塗り替えることから、いわき市がすでに策定している「いわき市商業まちづくりプラン」は、大幅な見直しが必要となりました。既存の商業者やショッピングセンター・商店会などは、死活的な変動に見舞われることが想定されます。
 復興のシンボル事業だけに、いわき市全体の商業まちづくり、雇用の確保、小名浜旧市街地との一体的な整備、地域の合意形成など、整合性のとれた事業計画の策定にむけた、いわき市としての主体的な取り組みが求められています。そこで、以下伺います。

(1)小名浜港背後地(都市センターゾーン)開発事業協力者に関するパートナー基本協定の概要について

 パートナー基本協定では、「動線計画やエリアマネジメントのほか周囲と一体となる活性化の連携方策について、アクアマリンパーク全体や小名浜港漁港区及び3号埠頭の一部、更には、既成市街地を周辺施設連携対象区域として加える」とし、「開発事業計画の策定に際しては、地元市民組織や関係行政機関、関係事業者等との意見交換や協議を行ないながら進める」としています。

ア、既成市街地は、一部津波浸水地域であり、防災・減災上、復興交付金の基幹事業の津波市街地復興区画整理事業や効果促進事業の避難道路整備事業などを活用して、津波浸水区域の区画整理や都市センターゾーンと既成市街地をつなぐアメニティ道路・避難道路整備などの整備再生計画を立案すべきではないか。
—答弁(都市建設部長)小名浜港背後地整備事業につきましては、「港と市街地の一体的なまちづくり」を実現し、「港まち小名浜の活性化」を図るため、アクアマリンパークや漁港区、更には既成市街地をはじめとした周辺地域の一体的な整備・再生に向けて積極的に取り組むこととしたものであります。
 議員お質しの既成市街地の再生につきましては港と市街地の回遊性を向上させ、既成市街地の活性化を図っていくことが重要であると認識しており、また、災害時においては、アクアマリンパークや都市センターゾーンなどの集客拠点から市民や来訪者を円滑に避難誘導するための経路を確保する必要があるものと認識しております。
 このようなことから、これら経路の位置、整備方針につきましては、今後周辺地域も含めた都市センターゾーンの開発事業計画を策定する中で、開発事業協力者や地域の皆様と協議しながら検討して参りたいと考えております。

イ、市民や事業者、有識者などが参画する「地元協議会」は、小名浜地区の区長会やまちづくり市民会議、商店会連合会はじめ商工会議所など市全体を含め構成やテンポなど、市民意見を反映させるためにどのような形で進めるのか。
—答弁(都市建設部長)今回の開発事業協力者の選定は、計画段階より事業に参画を頂き、早期に事業を進め、スピード感を持った復興を行うために実施したものでありますが、協働で行う開発事業計画策定に際しましては、港湾管理者である福島県等の関係行政機関との連携は基より、アクアマリンパークの各施設、既成市街地における商業者、漁港区の施設利用者、周辺企業の方々、更には小名浜まちづくり市民会議をはじめとする地域の方々との連携を密にしながら進めることとしております。
 更に、地域イベントの開催や販促活動、いわきブランドの情報発信、交流人口の拡大や回遊性の向上を図るなど、小名浜港周辺エリア全体として、継続的な取組みが可能となるように、人材や組織体制の構築を支援しながら、魅力向上に繋がる開発事業計画の策定に努めて参りたいと考えております。

ウ、具体の「地元協議会」のあり方について、基本的な考え方はどうか。
—答弁(都市建設部長)開発事業計画の策定に際しましては、市が開発事業協力者でありますイオンモール株式会社と恊働で進めるということになりますけれども、その計画策定の内容が具体的な施設計画から土地利用計画までかなりの分野に多岐に渡りますことから、庁内の横断的な組織も検討していかなければならない部分と地元の商業者についてはいわき商工会議所を中心としたいろんな形で相談の窓口を設置していただき、地元組織もそこに含めた形で今後事業計画を策定していく中では検討していく必要があると考えています。

エ、イオンモール株式会社による開発事業計画が同意に至り、開発事業者に移行し、開発が実施され、運営管理主体が設立された場合は、その運営管理会社法人の本社を本市に登記し現地法人化するよう進めるべきではないか。
—答弁(都市建設部長)今後は、パートナー基本協定を基に、市がイオンモール株式会社と協働で開発事業計画の策定を進め、その計画内容について双方の合意に至れば、市はイオンモール株式会社へ土地の処分を行い、イオンモール株式会社は事業協力者より開発事業者へ移行し、施設整備や運営管理等を行っていくことになります。
 イオンモール株式会社によりますと、現時点では会社の運営方針等により現地法人化は困難であるとの見解を示しておりますが、施設整備の開始時点より現地準備事務所を設置し、社員を常駐させ、施設の早期オープンを目指していくこととしており、地元商店街との連携や共同イベントの企画・参加など様々な観点から地域との協力体制を構築していきたいとしております。

(2)新・いわき市商業まちづくりプランとの整合性について

ア、平成23年度から32年度まで計画期間10年間の新・いわき市商業まちづくりプランは、まちづくりの観点に立った商業振興の計画だが、イオンモールの展開とそれによる商業環境の変化を想定していないため、プランの進行管理を行う「(仮称)商業まちづくりプラン推進懇談会」を設置して、イオンモール進出による商業環境とまちづくりの変化状況を評価し、効果的な方策の選択や問題提起、プランの見直し・変更などの実践提言を行う場としていくべきではないか。
—答弁(商工観光部長)新・いわき市商業まちづくりプランにおきましては、買物客が市外へ流出傾向にある現状に対し、市外からの買物客の流入が超過することを目指し、その状態を示す指標である小売商業吸引力指数を1.0以上にすることを目標としており、広域な商圏を有し、市内購買力の向上が期待できる都市センターゾーンへの商業施設の整備は、本プランの目的に相反するものではなく、現時点では、このとにより、本プランの見直しを行なう状況にはないものと考えております。
 なお、本プランに位置づけた「(仮称)商業まちづくりプラン推進懇談会」については、定期的に本プランの進捗状況を点検・評価する場として、その設置時期について検討して参りたいと考えております。

イ、まちづくり三法の改正によるコンパクトシティの考え方にかわり「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」では、店舗面積が6,000 m²以上の特定小売商業施設は新設届を県に提出し調整することになるが、イオンモールはどのようになるのか、見解を尋ねる。
—答弁(商工観光部長)いわき市小名浜地区におきましては、既にまちづくり関係の構想をつくっておりますので、その点からいえば、今回の立地可能地区といえます。ただ、県に対しての届け出等は当然必要になってきます。

(3)小名浜港漁港区と小名浜魚市場の再編整備、水産業の再生について

 東日本大震災復興交付金事業により、被災した小名浜魚市場と隣接するアクアマリンパークを連携させて、大型船が着岸可能な水深を持つⅠ号埠頭に、市場機能の集約、衛生面の強化を図った新・小名浜魚市場及び冷凍品荷さばき施設を新たに整備し、他にマイナス60℃の超低温の冷凍・冷蔵施設も整備する計画です。新・小名浜魚市場の平成25年度中のオープンを踏まえて、以下伺います。

ア、東京電力福島第1原発事故の影響による福島県沿岸漁業の操業自粛が続く中で、新・小名浜魚市場及び冷凍・冷蔵施設、冷凍品荷さばき施設を、沖合・遠洋漁業などに、どう活用していく考えか。
—答弁(農林水産部長)新たな小名浜魚市場等につきましては、現在、操業自粛が続いている沿岸性の魚種はもとより、カツオやサンマ、サバ等の回遊性の魚種や船上で凍結したカツオやマグロなどにも対応する施設として整備していこうとするものであります。
 このようなことから、当面は、現在操業しているカツオやサンマなどの回遊性の魚種を中心に、水揚げの回復を図って参りたいと考えております。

イ、新・小名浜魚市場及び冷凍・冷蔵施設、冷凍品荷さばき施設に隣接する栄町付近に、薄磯や豊間など津波被災地の事業者も含めて、練り物加工、水産加工業の再生のために、水産加工団地を建設整備すべきではないか。
—答弁(農林水産部長)本市水産加工業につきましては、被害の程度や復旧の状況など、立地条件により、事業者それぞれに事情が異なっております。お質しの水産加工団地の整備につきましては、各事業者の御意向はもとより、業界全体としての御意向などを踏まえながら、整備の必要性なども含め、調査研究して参りたいと考えております。

ウ、新・小名浜魚市場の平成25年度オープンをふまえて、いわき市中央卸売市場の水産部門を集約し、生産市場と消費市場を統合してはどうか。
—答弁(農林水産部長)新たな魚市場につきましては、産地市場として、主に漁業者から出荷される水産物の卸売りを行い、市内や他の消費地へ出荷するため、水揚地に開設されるものです。
 一方、中央卸売市場は、いわゆる消費地市場として、国内はもとより海外からも水産物を集荷し、市内の小売店などを通じまして、消費者に届けるため、消費地に開設されるものであり、それぞれ役割や機能が異なっております。
 また、新たな小名浜魚市場につきましては、地方卸売市場として、事業主体となる民間団体が開設者となる予定でありますが、消費地市場であります本市の中央卸売市場につきましては、卸売市場法の規定により、開設者は地方公共団体に限られておりますことなどから、産地市場中央卸売市場との統合は、困難であると認識しております。

エ、さんま・かつをなど回遊性魚種に対する水揚奨励金について、さんま棒受網漁業、まき網漁業、かつを一本釣等を操業する市内外の漁船が水揚げする際、いわき市の魚市場の卸売人等に支払う手数料の一部、水揚げ金額の1%を補助して、いわき市の魚市場への水揚げ促進をする魚市場活性化対策事業費補助金いわゆる水揚奨励金は、その実施によりどの程度の効果を期待しているか。
—答弁(農林水産部長)回遊性の魚種につきましては、その鮮度や運搬に係る燃料代等の関係から、漁場から比較的近い漁港に水揚げされる傾向にあります。
 平成24年度当初予算に計上しております魚市場活性化対策事業費補助金につきましては、漁船が回遊性の魚種の水揚げを行う際の経費の負担を軽減するものであり、漁業者が水揚港を選択する際の、いわばインセンティブとなることが見込まれることから、風評被害の打開と水揚げの回復に、一定の効果が得られるものと考えております。

(4)仮称・復興まちづくり会社の設立支援について

ア、歩いて暮らせるコンパクトなまち、持続可能なまちを形成するために、地域を一つの経営体とみなし、市民が主体的に復興再生事業に取り組み、地域の住民・企業自らがマネジメントしていく新たな組織体としての「仮称・復興まちづくり会社」の設立について、人的また資金面において支援し、復興再生事業に取り組めるスキームの構築を、いわき市としても検討すべきではないか。
—答弁(商工観光部長)「仮称・復興まちづくり会社」につきましては、福島県において、現在、検討段階であり、その設立支援について、明確に示されておりませんが、市といたしましては、復興再生に向けて、地元商業者等を中心とした具体的な動きがあれば、市として積極的に関わり、効果的な支援策についても検討して参りたいと考えております。
by kazu1206k | 2012-03-07 17:32 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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