大飯原発3・4号機の再稼働やめて
2012年 04月 05日
以下、要請文です。
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2012年4月5日
総理大臣 野田佳彦 様
経済産業大臣 枝野幸男 様
原発担当相 細野豪志 様
官房長官 藤村 修 様
再稼働を急ぐためだけの「インスタント安全基準」は認めない
安全確認ができない大飯原発3・4号機の再稼働はやめてください
関西電力大飯原子力発電所3・4号機の再稼働をめぐり、野田首相は4月3日、関係閣僚と初会合を開き、東京電力福島第一原発事故を踏まえた新たな安全基準を早期にとりまとめるように指示しました。原子力安全・保安院は週内に開く次回会合で基準案を示し、福井県などへの再稼働要請に向けた最終調整に入るとのことです。
火曜日に指示を出して今週中となれば実質3日ほどしかありません。
私たちは、このような拙速な手続きは、福島原発事故の軽視であり、国民の声を無視したものとして強く抗議します。
1.福島原発事故の原因は究明されていない
東京電力福島第一原発事故については、原因は究明されておらず、国会事故調査委員会が事故の原因究明に勢力的にあたっている最中です。そんな状況で、福島原発事故を踏まえた安全基準を3日ほどでつくることなどできるはずがありません。そのようにしてできた暫定的安全基準は、再稼働を急ぐためのものでしかなく、安全上全く意味を持たないのは明白です。
2.ストレステストの一次評価では安全確認にならない
ストレステストの一次評価では安全確認にはならないことは、原子力安全委員会のみならず、周辺自治体や住民を含めて共通認識になっています。
3.制御棒の挿入時間が許容値を超える
制御棒の挿入性能について、そもそも基準地震動について制御棒の挿入時間が許容値ぎりぎりであり、活断層の連動評価で、2連動から3連動を考慮することになったことから、想定しなければならない地震動が大きくなり、許容値を超えます(注)。
法的根拠のない暫定的安全基準云々の前に、法律で定められた耐震設計で要求される安全基準を満たしていないのです。これをもってしても、大飯原発の再稼働など許されません。高経年化対策についても課題が山積したままです。
4.関西の広範囲な住民の「同意」なしには認められない
大飯原発の再稼働問題については、原子力安全・保安院が、京都府知事と滋賀県知事に説明し、両知事は、安全性が確認できないなどとして、原発再稼働に否定的な見解を表明しています。これは、原発事故を心配する福井、関西の広範囲な住民の意思を反映したものです。これらの住民の意思を無視した再稼働手続きは許されません。
5.「地元」である日本全国の国民の声を
福島原発事故は原発から50kmも100kmも離れた地域の人々をも苦しめています。今でも苦しんでいる方が大勢います。枝野大臣は、4月2日の予算委員会で、「万が一事故があったら、大変広範囲にわたって大きな影響を及ぼす。日本全国が地元だと思う」と述べました。全くその通りです。そして大飯原発の再稼働に反対の意を表しました。是非この思いを貫徹してください。
そして、幅広い市民の声をきくための公聴会を各地で開催してください。
アリバイ的な暫定安全基準とりまとめの指示を直ちに取り消して下さい。広範な住民、国民の意思を尊重し、安全確認ができない大飯原発3・4号機について、「再稼働は許されぬ」との判断を下してください。
以上
注)これに対し関西電力は、地震動が小さめに出る評価モデルのみを使い、制御棒の挿入時間が小さくなるよう評価方法を変えることにより問題から逃れ、根本的な対策をとろうとしていません。原子力安全・保安院は、耐震設計審査指針に反するやり方を止める立場にありますが、審査・検討もせずに、逆に追認する動きを見せています。
(242団体)
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
グリーンピース・ジャパン
福島原発事故緊急会議
再稼働反対!全国アクション
ほか全国235団体