5月25日、小名浜港1号埠頭で「第一寿和丸」新造網船竣工のお披露目が行われました。わたしも新船縦覧のご招待を受け、大漁旗で飾りつけられ、震災後初の新造となった大型漁船の船内をみせて頂きました。
新造されたのは、第一寿和丸。まき網漁業網船で、鋼製二層甲板型、総トン数250トン。航海速力15.2ノット、最大搭載人員26人、長崎市の渡辺造船所の建造になり建造費は約18億円。船主は酢屋商店。
酢屋商店は、運搬や探索などの船4隻で船団を組む巻き網船団を2船団を所有していました。2008年6月、17人の犠牲者を出しながら、潜水調査による事故原因の究明もないまま「大波による転覆」とされてしまった第五十八寿和丸転覆事故で1隻を失い、昨年の東日本大震災の津波で、残り7隻の大型漁船や運搬船のうち3隻が沈没1隻が破損しました。このため、1隻を新造して1船団を保持することになり、国から6分の4の補助を受け第一寿和丸を新造したものです。酢屋商店では、漁船を新造するごとに船名の数を増やしてきましたが、今回は「再出発」の意味を込め先代社長も乗ってたという「第一寿和丸」と命名したそうです。
福島第一原発事故の放射性物質による海洋汚染で、福島県漁連は沿岸での出漁を自粛しているほか、遠洋の魚も小名浜港に水揚げすると風評被害で値崩れしています。5月21日僚船が八丈島沖で獲った初ガツオを小名浜港に水揚げしましたが、1キロあたり400円のところ、東京・築地市場では100~150円の値しかつかないという状況が続いています。
第1寿和丸は6月初めに出港し、東京・八丈島沖でカツオ・マグロ漁の操業を予定しています。