ウクライナ調査報告ー5農地除染地
2012年 06月 07日
5月11日(金)
●ナロージチ
・ナロージチ地区バザール付属放射能測定所
・農地除染地ースターレシャルノ村(第2ゾーン・廃村)
(説明者)ジトーミル国立農業エコロジー大学
地域環境問題研究所所長 ムィコラ・ディードフさん
ナロージチ地区のバザールに付属している放射能測定所は、お二人の職員で1日20検体程の測定を行っているそうです。現在でも、ベリー類やキノコは3万bq/kgの数値が出ると話しておりました。



・汚染農地の改善のためプロジェクトを開始。ナタネの裏作に小麦を作付け。ナタネを植えて3%放射能濃度が減少。水溶性のセシウムが減り、裏作の小麦の放射能濃度も減少。他の植物は、ナタネを1年栽培して、その後1.5〜2%の減少。
・菜種油にはセシウムが入らないので、バイオディーゼル燃料として使用。
・作業員の被ばくについて、内部被曝はマスクで回避できる。
ディードフさんは、ナロージチ地区のこれまで26年間低線量被ばくの実態調査を取り組んでいます。
・汚染区域は、1ミリシーベルト以下の第4ゾーン、1ミリ~5ミリの移住の権利を選択できる第3ゾーン、5ミリ以上の強制移住の第2ゾーン、15ミリの即時退避の第一ゾーンの4つに区分されてますが、ナロージチ区は、全部の区分があります。
ディードフさんは1988年にジトーミル州に放射線医学センター設立し、内部被曝の最大の肉と牛乳の放射能量をどう減らすかに取り組んできた。例えば、スターレクチャウガ村やクリスチニーカ村で牛乳1ℓ15000ベクレル。汚染地から乳牛を3年間、非汚染地に移動させた、その間、政府は外部から非汚染牛乳が届けていたといいます。
しかし、当時の地元住民は共産党の「洗脳」が成功、西側の情報は敵の宣伝、ソ連の放射能は違う、と。3年後に戻り始めた。
・福島原発事故に際して、
1、被災者への客観的情報の提供
2、科学的根拠ある勧告が必要
・世界には放射能の高い所に住んでいる人もいる、憶測で不安をもったりしないように、自分で判断できるように、低線量被ばくは、大きな影響はないが、100%影響がないとはいえない、できる限り低く抑える事が必要、生活指針が必要だ。自治体議員として、農地の汚染状況を知らせるべきだ。


