質疑の内容ー海水浴場、新病院基本構想
2012年 06月 25日
市長提案要旨説明、いわき市新病院基本構想の策定、市国民健康保険税条例の改正、市土地開発公社経営状況、のやりとりです。
6月定例会 質疑
1、市長提案要旨説明について
(1)海水浴場の開設について
ア、開設を判断した際の放射線対策の内容はどのようなものか。
—答弁(商工観光部長)海水浴場の開設にあたりましては、国の「水浴場の放射性物質に関する指針」を基本とし、空間線量が周辺市街地と比較して同程度であることを確認したところであり、これに加え、国・県が、3月に実施した海水のモニタリング調査においては、放射性ヨウ素及びセシウムが不検出であったこと、さらには、市が独自に実施した砂浜の放射能濃度の測定結果も含めて総合的に判断したものであります。
イ、NPO法人いわき環境研究室による「いわき市海水浴場における放射能汚染状況の調査業務委託報告書」によれば「今後の検討課題」として『同じ海岸においても、地点によって大きく放射線濃度が異なることが認められるため、今後、海水浴場として再開する場合、安全性確認のため、より詳細な調査が必要である。例えば、海水浴場として開放する海岸においては、海岸をメッシュ化して濃度分布を把握することにより、適切な対策の立案が可能である』としているが、勿来海水浴場のメッシュ化による放射能濃度分布の把握は実施したのか。
—答弁(商工観光部長)海水浴場においては、海岸全体における空間線量及び放射能濃度について、10mメッシュで測定しているところであり、今後においても、海水浴場の終了までは、随時、測定を実施していく考えであります。
ウ、今後、海水浴期間中の海中、砂浜、周辺地域の放射線の空間線量や放射能濃度などのモニタリングはどのよう実施するのか。
—答弁(商工観光部長)海中の調査につきましては、国や県が、海域モニタリング調査を定期的に実施しているところであり、また、砂浜及び周辺地域につきましては、市独自に、詳細な調査を継続して実施することとしております。
エ、モニタリング結果はどのように海水浴場の利用者に公表周知するのか。
—答弁(商工観光部長)海水浴場の空間線量の測定結果につきましては、海水浴場内において、毎日、掲示するとともに、海水浴場内の詳細な空間線量や海砂の放射能濃度の測定結果を市ホームページ等により広く周知することといたします。
オ、海水浴場の開設を観光誘客の足がかりとして、観光産業の復興に最大限の努力を払って参る考えとしているが、具体的には何を考えているのか。
—答弁(商工観光部長)観光産業の復興は、本市全体の復興に向けた大きな一歩となるものであり、旅行事業者による本市への誘客に対して新たに助成措置を講じるなど、落ち込んだ交流人口の回復に努めているところであります。
とりわけ、いわきの海は、本市観光の大きな柱の一つであり、今回の海水浴場の開設を契機に、
観光地としてのいわきを強くアピールしながら、本市の夏を彩る「いわきおどり」や「いわき花火大会」等への観光誘客を図り、本市における賑わい創出の足掛かりにして参りたいと考えております。
(2)いわき市新病院基本構想の策定について
ア、病院の適正規模の判断では、市内人口の流動化を考慮するとされるが、現状では市内人口の流動化についてどのような予測をしているのか。
—答弁(共立病院事務局長)市内人口の流動化の大きな要因となっております市外からの避難者数につきましては、新病院基本構想の検討段階における平成23年11月に対し、本年4月末時点では、約1,800人増の22,681人となっております。
避難者の受入期間については、相当程度長期化する可能性が高いものと考えておりますことから、引き続き、その推移を注視しながら、新病院における診療への影響について見極めていく必要があるものと考えております。
イ、病院の適正規模は、全体工程に支障をきたすことのない時期に確定するとしているが、いつ頃がタイムリミットになるのか。
—答弁(共立病院事務局長)新病院における病床規模につきましては、基本設計の検討を行う来年度中には、最終的に決定して参りたいと考えております。
ウ、新病院の立地について、新病院の役割と機能を発揮できる立地要件上、現在地が最適と判断したポイントは何か。
—答弁(共立病院事務局長)新病院の立地場所の選定にあたりましては、いわき市新病院建設に係る基本構想づくり懇談会と市における分析結果をもとに5カ所の各対象地について、客観的な視点から7つの項目について評価を行ったところであります。
その中で、現在地につきましては、特に、「交通アクセスの状況」、「周辺環境の状況」、「主な都市基盤の整備状況」、「市の各種計画との関連性や法規制の状況」、及び「事業に要する費用や期間」の5つの項目において優位性が高かったことを総合的に判断し、立地場所として選定したものであります。
エ、新病院の立地について、事業費の分析上、現在地が最適と判断したが、5地点それぞれの事業費はいくらか。
—答弁(共立病院事務局長)新病院の立地場所の選定にあたりましては、5カ所の各対象地における本体工事費は同等と仮定し、特に対象地ごとに大きく異なる造成費及び主な関連公共施設整備費について試算を行ったところであります。
概算での試算額につきましては、中央台高久地区では、造成費として約10億円、小名浜金成地区では、造成費と道路整備費を合わせて約90億円から約120億円、平上荒川地区では、造成費として約50億円から約80億円となっております。
なお、内郷高坂町四方木田地区については、すでに造成済みであり、現在地については、施設が立地している現状を踏まえ、比較対象となる程度の造成費は要しないものと判断いたしました。
オ、工事期間中の代替駐車場の確保は、めどが立っているか。
—答弁(共立病院事務局長)工事期間中においても、できる限り患者さんに不便をきたさないよう、その間に不足する駐車場の確保策として、基本構想で掲げた、敷地内における立体駐車場の整備、近隣民有地の取得等による駐車場の整備、さらには、別の敷地における臨時駐車場の確保の可能性について、現在検討を進めているところでありますが、あわせて、診療時間予約の徹底を図るなど、ソフト的な視点からピーク時における必要駐車台数の見直しも行いながら、代替駐車場確保について対応して参りたいと考えております。
カ、機能的な施設整備に向けた進入路の整備を図るため、隣接民有地の取得はどう進めるのか。
—答弁(共立病院事務局長)新病院の機能性を高めるためには、進入路の位置について十分な検討が必要でありますことから、現在、周辺の国道及び市道からの進入路の可能性について関係機関との協議を行いながら、技術面からの調査を進めているところであり、今後、その結果も踏まえまして、進入路の整備へ向けた必要な取り組みを進めて参りたいと考えております。
キ、共立病院内の意見を反映させるシステムはどのようにつくられているのか。
—答弁(共立病院事務局長)基本計画の策定にあたりましては、病院職員の現場感覚に基づく意見の反映が必要不可欠であると考えておりますことから、現在、院内各部門の全ての職員に対し、現状における課題や改善すべき点などについてアンケート調査を実施しているところであります。
また、そうした院内意見の取りまとめを含め、基本計画の全体像を検討する組織として、去る4月に、各部門の責任者等で構成する「新病院建設検討委員会」を設置したほか、去る5月には、中堅・若手職員で構成する「新病院作業部会」を設置するなど、院内における幅広い意見を新病院建設に反映できるよう取り組みを進めているところであります。
2、議案第8号 いわき市国民健康保険税条例の改正について
(1)事業運営の環境について
ア、震災後の受診状況の変化などにより医療費が増加する傾向にあるとされるが、過去3年間の医療費はどうなっているか。
—答弁(市民恊働部長)平成21年度から平成23年度までの過去3年間の医療費をそれぞれ総額で申し上げますと、平成21年度は、291億4,618万3,209円、平成22年度は、295億2,925万3,034円であり、平成23年度は、約309億6,000万円となる見込みであります。
イ、具体的にはどのような疾病の費用が増加しているのか。
—答弁(市民恊働部長)平成20年度から平成22年度までの過去3年間で統計が取れる毎年5月診療分のうち、医療費が多い順に上位5位までの疾病を申し上げますと、いずれの年も上位3位までが同じ疾病となっており、1位が、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害、2位が、高血圧性疾患、3位が、腎不全となっております。また、4位は、平成20年度と平成22年度が、糖尿病、平成21年度が、その他の歯及び歯の支持組織障害であり、5位は、平成20年度と平成22年度が、その他の歯及び歯の支持組織障害、平成21年度が、糖尿病となっております。
3、提出 いわき市土地開発公社経営状況について
(1)事業報告書について
ア、事業報告書の中央台高久地区住宅用地造成事業の現状は、どうなっているか。
—答弁(都市建設部長)中央台高久地区の住宅用地につきましては、宅地需要に合った適正な供給を行い、秩序あるまちづくりを進めることを目的として、平成20年度に、粗造成用地など約19haを独立行政法人 都市再生機構から購入したものであります。現在は、応急仮設住宅用地として福島県に貸与しており、402戸の仮設住宅が建設され、双葉郡楢葉町の方々が入居しております。
イ、事業報告書の中央台高久地区住宅用地造成事業の今後の見通しは、どう考えているか。
—答弁(都市建設部長)当該地における応急仮設住宅用地としての利用が完了した後の具体的な活用方法につきましては、いわきニュータウンや周辺の民間開発団地の宅地の販売状況、さらには市内全域における宅地の需給バランスを見極めるとともに、本市の復興事業の進捗状況等を総合的に勘案するなど、様々な角度から検討して参りたいと考えております。