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いわき市、東電と通報連絡協定締結

いわき市は、7月25日、東京電力株式会社と東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所に係る通報連絡体制について、通報連絡協定を締結しました。
わたくしは、3.11原発震災以前から、通報連絡体制を含む東京電力との安全協定の締結を提言し、一般質問等でいわき市に対し働きかけを強めるよう要望してきました。
以下は、いわき市のコメントと通報連絡協定の全文です。

●(東京電力株式会社福島第一、第二)原子力発電所に係る通報連絡に関する協定の締結について

 本市の東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所に係る通報連絡体制につきましては、平成23年3月の事故当時、十分な情報提供が得られなかったことを踏まえ、東京電力株式会社及び県に情報提供を強く求め、現在は事故に係る処置状況、今後の処理方法等について、東京電力株式会社から直接又は県経由で報告を受けている状況でありました。
しかし、福島第一原発の事故処理については、未だに収束しておらず、予断を許さない状況にあり常時注視していく必要があること、また本市により近い第二原発についても、不測の事態に備える必要があることから、これらの安全対策について、他の立地町などと同様、書面で協定を締結するなど、より確実なものとするため、東京電力株式会社と通報連絡協定を締結しました。

1 協定締結日
  平成24年7月25日(水) (施行日 平成24年7月26日)

2 協定締結者
  いわき市長、東京電力株式会社代表執行役社長
  福島県知事(立会人)

3 協定締結による効果
  協定締結により、これまで県を経由し本市へ通報連絡されていた東京電力株式会社の情報が、本市へ「直接」通報連絡されることとなり、より迅速な通報連絡体制を構築しました。

4 協定概要
  東京電力株式会社から本市へ「通報連絡」される事項は、「定期的に」「事前に」「直ちに」の大きく3つに分類され、不測の事態の発生時には、発生の第一報が、県を経由せず、東京電力株式会社から直ちに連絡通報されます。

5 協定書
  
原子力発電所に係る通報連絡に関する協定書

 いわき市(以下「甲」という。)と東京電力株式会社(以下「乙」という。)は、乙の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所に係る通報連絡等に関し、福島県の立会いのもと、次のとおり協定する。

(連絡事項)
第1条
1 乙は、甲に対し次の事項を定期的に連絡するものとする。
(1) 発電所の廃止措置等の進捗状況
(2) 発電所の定期検査の実施計画及びその実施結果
(3) 発電所の停止状況
(4) 発電所の工事計画の概要
(5) 放射性廃棄物の放出及び保管状況並びに放射線業務従事者の被ばく状況
(6) 核燃料の保管状況
(7) 放射性物質で汚染された廃棄物等の保管状況
(8) 品質保証活動の実施状況
2 乙は、甲に対し次の事項を事前に連絡するものとする。
(1) 核燃料を輸送するとき。
(2) 放射性固体廃棄物を敷地外に搬出するとき。
(3) 原子炉等規制法に基づく施設の変更(一部施設の廃止を含む。)をしようとするとき。
(4) 前号の規定による通報の対象となるものを除き、中長期ロードマップに基づく取組として、敷地利用の変更、設備等の設置をしようとするとき。
(5) その他必要と認められる事項
3 乙は、甲に対し次の事項を発生後直ちに連絡するものとする。
(1) 原子力災害対策特別措置法第10条第1項及び第15条第1項に規定する事象が発生したとき、並びに第25条第1項に規定する措置を講じたとき。
(2) 核燃料(溶融燃料を含む。)の冷却機能(原子炉注水を含む。)が停止したとき。
(3) 原子炉格納容器内への窒素封入設備が停止したとき。
(4) モニタリングポストにおいて、放射線量の有意な上昇を検出したとき。
(5) 放射性物質(放射性廃棄物を含む。)の輸送中に事故があったとき。
  (6) 放射性物質(放射性廃棄物を含む。)の盗取又は所在不明が生じたとき。
  (7) 原子炉施設に故障があったとき。
  (8) 非常用炉心冷却装置が作動したとき。(起動信号が発信したときを含む。)
また、この場合、配管破断の有無を確認したとき。
 (9) 原子炉内で異物を発見したとき。
  (10) 放射性廃棄物の排出濃度が法令に定める濃度限度等を超えたとき。
  (11) 核燃料物質又は核燃料物質によって汚染されたものが管理区域外で漏えいしたとき。
  (12) 核燃料物質又は核燃料物質によって汚染されたものが管理区域内で漏えいした場合において人の立入制限等の措置を講じたとき。
  (13) 放射線業務従事者の被ばくが法令に定める線量当量限度を超えたとき。ただし、線量当量限度以下の被ばくであっても、被ばく者に対して特別の措置を必要とするときも同様とする。
  (14) 敷地内において火災が発生したとき。
  (15) 原子炉施設に関し人の障害(放射線以外の障害であって軽微なものを除く。)が発生し、又は発生するおそれがあるとき。
  (16) 前各号のほか発電所敷地内で起きた事故であって周辺住民に不安を与えるおそれがあるとき。
(17) その他必要と認められる事項

(連絡体制)
第2条
 1 送受信者及び取扱い責任者の選任
   甲及び乙は次によりそれぞれ送受信者及び取扱い責任者を選任し相互に通知しておくものとする。
   ただし、乙は、送信について、正副の通報連絡担当者を定め、甲に通知しておくものとする。
    第1送受信者
    第2送受信者
    第3送受信者
    取扱い責任者
2 連絡方法
次のとおりとするが、原子力発電所において震度6弱以上の地震が観測され第1条第3項の連絡の必要がある場合、あるいは第1条第3項第1号の連絡の必要がある場合において、通信の遮断により電話又はファックスによる連絡ができないときは、乙は衛星携帯電話等の確実に連絡がとれる通信手段を携行した連絡員を甲に派遣し必要な情報を常に甲に伝えるものとする。
ただし、地震等による被害状況により、乙が連絡員を派遣できない場合、乙は防災関係機関や報道機関への伝達要請等により情報提供を確実に行うものとする。
(1) 連絡事項のうち1及び2の事項については原則として文書をもって行うものとする。ただし、緊急を要する事項及び中間報告等については電話又はファックスで連絡するものとする。
(2) 連絡事項のうち3については、原則として電話又はファックスで連絡するものとするが、内容が多量又は難解であって電話又はファックスのみで十分連絡でき得ないものについては、その後速やかに、直接又は文書をもって連絡するものとする。
(3) 前2号の文書の宛先等は、甲は市長、乙は発電所長とする。
(4) 電話又はファックスを補完するものとして、電子メールの運用を定めるものとする。
ただし、緊急時においては、電話により直接内容を伝えるものとする。
(5) 乙は派遣する連絡員の名簿を作成し、事前に甲に通知しておくものとする。また、甲に派遣された連絡員は、第2条第1項で選任されている送受信者及び取扱い責任者に対して連絡員である旨の証明書等を提示するものとする。
3 連絡送受信の備え付け
甲及び乙は、それぞれ下記様式の連絡送受信簿を備え付け整理しておくものとする。

様式1(一般用)
原子力発電所に関する連絡送受信簿

送信日時

 年  月  日  時  分

送信者

受信日時

年  月  日  時  分

受信者

(連絡内容)   件 名



様式2(事故・故障等発生時第一報用)
第   一   報

送信日時

 年  月  日  時  分

送信者

受信日時

 年  月  日  時  分

受信者

〔件     名〕
〔発 生 場 所〕
〔発 生 日 時〕
〔発生時の状況〕
〔放射能の影響〕
〔ECCS系の状況〕
〔その他の事項〕


4 通報連絡担当者会議
円滑な通報連絡体制を維持するため、福島県は、甲及び乙の通報連絡担当者からなる連絡会議を開催するものとする。
5 緊急時の通信手段の整備
福島県は、甲に対して原子力防災資機材を配置するなど、緊急時の連絡手段の整備に協力するものとする。

(協定の改訂)
第3条 この協定に定める各事項につき改訂すべき事由が生じたときは、甲及び乙いずれからも、その改訂を申し出ることができる。この場合において、福島県の立会いのもと、甲及び乙はそれぞれ誠意をもって協議に応ずるものとする。
(その他)
第4条 この協定の実施において規定に反する事由が発生した場合は、その当事者は、速やかに原因調査を行い、結果及び再発防止のために講じた措置について、その相手及び福島県に報告するものとする。

第5条 この協定の実施に関し必要な事項については、福島県の立会いのもと、甲及び乙が協議して、別に定めることができるものとする。

   附   則
この協定は、平成24年7月26日から実施する。
この協定成立の証として、協定書3通を作成し、甲、乙及び福島県それぞれ1通を保有する。


 平成24年7月25日
 

甲 いわき市
いわき市長  渡辺 敬夫

乙 東京電力株式会社
代表執行役社長 廣瀬 直己

立会人 福島県
福島県知事 佐藤 雄平
by kazu1206k | 2012-07-29 20:26 | 脱原発 | Comments(0)