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廃炉・廃棄物処理などで市が国に要望

10月26日、いわき市は、長浜環境相兼原発事故担当相が就任のあいさつと意見交換のために、いわき市を訪れた際、いわき市長名で長浜環境相に対して「東京電力(株)福島第一・第二原子力発電所の廃炉に向けた取り組み及び確実な安全対策」「放射性汚染物質対処特別措置法に基づく指定廃棄物の処理」「除染対策」の3項目の要望書を提出しました。
以下、紹介します。

環境大臣原発事故の収束及び再発防止担当内閣府特命担当大臣 長浜 博行 様

要  望  書

福島県いわき市長     渡辺 敬夫    


1 東京電力(株)福島第一・第二原子力発電所の廃炉に向けた取り組み及び確実な安全対策について 

 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故について、国及び東京電力(株)の責任において一刻も早い収束を図るとともに、福島第一原発1〜4号機のみならず、県内すべての原発の廃炉を強く求めます。
 また、数十年に及ぶ廃炉作業期間中、多くの市民が不安を抱えた生活を強いられることから、例えば、原子炉格納容器から燃料棒を取り出し、区域外に保管するなど、国及び東京電力(株)の責任において、確実な安全対策を講じられるよう、次の項目について、強く要望します。

① 「中長期ロードマップ」の前倒し及び万全な体制での取り組み
② 福島第一原子力発電所5・6号機及び福島第二原子力発電所の廃炉に向けた取り組みの推進と当面の確実な安全対策


2 放射性汚染物質対処特別措置法に基づく指定廃棄物の処理について

 放射性物質汚染対処特措法(以下「特措法という」)に基づき、事故由来放射性セシウムによる汚染状態が8,000Bq/kgを超える廃棄物は指定廃棄物として、国の責任で処理することとなっており、それまでの間は自治体等で一時保管することとされております。
 本市の一般廃棄物焼却処理施設から発生する飛灰の放射能濃度は、8,000Bq/kgを超えていることから、特措法に基づき焼却施設内において一時保管を行っておりますが、そのスペースも限界に達しつつあり、このままでは家庭等から出される一般廃棄物の処理に支障をきたす恐れがあります。
 このため、現在、施設外に新たな保管場所の確保に努めておりますが、住民の放射性物質に対する不安及び国の処理の見通しが不透明で長期間の保管を余儀なくされるとの懸念により、その選定は困難を極めておりますことから、次の項目について、要望いたします。

① 中間貯蔵施設の早期設置とともに、国による指定廃棄物の処理の開始時期を具体的な根拠を示しながら公表すること。
② 新たな保管場所の確保に向け、放射性物質に対する住民の不安の解消を図ること


3 除染対策について

 放射性物質汚染対処特別措置法(以下「特措法」)では、国は、これまで原子力政策を推進してきた社会的責任に鑑み、事故由来放射性物質による環境汚染への対処に関し、必要な措置を講ずるとしております。
 しかしながら、本市のように国直轄ではなく、市域全体が除染対象区域とならない「汚染状況重点調査地域」においては、実施主体が市町村とされているばかりか、特措法施行前は認めるとしていたホットスポットに係る財政措置をはじめ、農地や山林を含め地域の実情に即した除染方法の確立や仮置場設置も含めて、責任主体である国の関わり、連携も不十分であり、人的支援もなく、いわば市町村任せの状況となっております。
 このほか、ゴルフ場等の大規模事業所については、広大かつ様々な自然条件が混在する施設であることから、除染方法も明確ではなく、市町村の単独実施は困難であり、これまでも国の直轄実施を含め具体的な手法の確立を求めてきました。さらに市町村が除染を実施する前に個人又は事業者が自ら実施した除染に係る費用や除染で生じた廃棄物の取り扱い等についても、相談が多く寄せられております。先日、環境省において、除染の加速化、不安解消に向けた対策をとりまとめた「除染推進パッケージ」が示されましたが、具体的内容には言及されておらず、国からの明確な方針が示されていない状況であります。
 市町村においては相当な業務負担となっていること及び方針が決定していない事項への対応にも苦慮していることを踏まえ、次の項目について強く要望します。

① 市町村が必要と認めるホットスポット(低線量の地域の中で局所的に線量が高い箇所等)に係る財政措置
② 仮置場設置に係る国の積極的な対応(住民理解に係る国の説明責任)及び中間貯蔵施設の早期建設
③ 市町村業務負担の軽減(除染技術の提供や職員派遣はもとより、除染対象地域全域に係る国の直轄実施も要考慮)
④ 大規模事業所等に係る具体的な手法の確立及び国の直轄実施
⑤ 個人等が自ら除染した費用や廃棄物に対する国の責任の明確化

by kazu1206k | 2012-10-31 14:15 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k