3日の一般質問項目
2012年 11月 29日
9月の市議会議員選挙以来初めての定例会となります。
わたくしの登壇の日程をお知らせします。
● 一般質問:12月3日(月)午後2時30分より(60分)
1 平成25年度予算編成と創世会予算要望への対応について
2 子どもの甲状腺検査の取り組みについて
3 「原発事故子ども被災者支援法」に関するいわき市の対応について
4 鮫川水系四時川の源流部における放射性物質焼却実証実験について
●総括質疑:12月6日(木)午後2時20分より(30分)
・いわき市新病院基本計画の方向性について、災害時応援協定の締結について、ほか。
*12月3日の一般質問項目の詳細は、以下の通りです。
1、平成25年度予算編成と創世会予算要望への対応について
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故による未曾有の被害を受けて、本市は、「いわき市復興ビジョン」及び「いわき市復興事業計画」に基づき、「市民の皆様の安全・安心の最大限の確保」と「震災前にも増して活力に満ち溢れた、世界に誇る復興再生モデルとなる持続可能なまちいわき」を目指して、復旧・復興を進めてきたが、25年度はさらに加速度を増さなければならない。
本来の自治と分権を市民とともに創り上げていくため、本市の行財政運営は、何よりも市民本位の立場に立って、市民参画を基本とした事業の推進が肝要。
創世会は、平成25年度当初予算編成に臨んで、市民が置かれている厳しい環境を念頭に、財政の健全性確保を基本として、市民生活を守る市民本位の予算編成に取り組むよう、11月5日に73項目の市長要望を行った。そこで、以下伺う。
(1)平成25年度予算編成と編成過程の透明化について
ア、市民生活を守る市民本位の予算編成に取り組むにあたっての、平成25年度予算編成のポイントは何か。
イ、平成21年の12月定例会以来、「市民や議会に対する説明責任を高め、予算編成プロセスの透明性を確保するため、予算編成過程における情報を、各部の要求や財政部査定、市長査定など、各部予算原案の段階から適宜公開すべきではないか」と提言している。市長は、自治と分権を市民とともに創り上げていくため、予算編成過程の透明化を進める考えがあるのか。
ウ、昨年の部長答弁は「中核市を対象とした調査の結果、部局別の要求状況を公開している市が7市、目的別の要求状況を公開している市が3市にとどまっていることなどから、実施にあたっては、さまざまな課題がある」として、財務会計システムの更新時期である平成29年まで研究するとしたが、平成25年度予算編成では、まず各部の部局別要求状況から公開する考えはないか。
(2)避難計画、保養など原子力災害対策について
ア、福島原発における全ての事故を想定し、判断基準、意思決定手順、避難手順、避難先の確保、災害時要援護者の避難など避難計画の策定、避難訓練の実施について、25年度はどう進めるのか。
イ、プルトニウムなどα線核種、ストロンチウムなどβ線核種の放射能汚染マップの作成について、いわき市として関係機関に働きかけ具体的に進めるべきではないか。
ウ、子どもたちのリフレッシュ保養について、伊達市教育委員会の移動教室の取り組みもあることから、いわき市も実施を検討すべきではないか。
エ、東京電力復興本社の福島設置方針が打ち出されたが、東京電力に対して、事故処理・廃炉過程の安全確立と責任ある対応を求め、今後数十年にわたる事故・廃炉対応の拠点であるいわき市へ、東京電力株式会社本店の移転を働きかけるべきではないか。
(3)障がい者等災害時要援護者に配慮した災害対策と住宅対策について
ア、災害時要援護者の避難など市民の避難計画の策定にあたって、障がい当事者はじめ市民参加のもとで、防災避難計画を策定すべきではないか。
イ、福祉避難所の設置を含めて、学校等の指定避難所のバリアフリー化を計画的に実施すべきではないか。
ウ、障がい者の災害公営住宅の確保については、どう進める考えか。
(4)地域経済・産業対策について
ア、小名浜港背後地震災復興土地区画整理事業の推進について、25年度は具体的にどう進めるのか。
イ、浸水被害を受けた既成市街地の防災・減災対策や連携の軸となる避難道路やアメニティ道路等の整備に向けて、7月定例会での部長答弁では「今後アクアマリンパークからの避難計画や回遊性等を検証した上で、具体的な整備の幅員とか手法を検討したいと思っている」「より具体的に整備を進めるにあっては、地権者の合意形成等が大変重要な位置を占めることから、できるだけ早く計画策定する中で地元にも計画等をお示ししながら十分、合意形成が得られるような形での推進を図っていきたい」としているが、商業まちづくりアメニティ道路に係る調査事業への財政支援等は、どう進めるのか。
ウ、各地域の復興プランのプロジェクト具現化に向けて、まちづくりパートナーシップ協定締結団体への事務局経費等の財政支援を検討すべきではないか。
エ、洋上風力発電に係る産業集積について、関連企業等の誘致をはじめいわき市としての対応策を確立すべきではないか。
オ、漁業者による水産物の試験操業実施に伴うモニタリング体制について、機器や人員など体制整備に関する財政支援等を検討すべきではないか。
2、子どもの甲状腺検査の取り組みについて
県が18歳以下の県民約36万人を対象に行っている県民健康管理調査の甲状腺検査では、これまでA2判定が全体の43%をこえ、甲状腺がんの子どもが1人、16〜18歳の女性1人もがんの疑いが発見された。
一方、県民健康管理調査の検討委員会は、事前に秘密「準備会」を開き、「がん発生と原発事故に因果関係はない」とする調査結果への見解のすり合わせ、やりとりの打ち合わせを行い、外部に漏らさぬよう口止めしていたことが発覚。県は、内部調査委員会を設置して調査の結果、その行為を認め知事が陳謝した。
また、検討委員会の座長は、本年1月日本甲状腺学会会員の医師に対し、個別の相談等に「どうか、次回の検査を受けるまでの間に自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明していただきたく存じます」と通知、セカンド・オピニオンを得る機会を奪う行為をしてきた。検査結果に対する情報提供のあり方も問題視された。
昨年3月15日以降の放射性プルームによる、いわき市での放射性ヨウ素の初期被ばくは、重要な問題であり、子どもたちへの健康影響が懸念される。このため、いわき市としても特別な対応が必要である。チェルノブイリ原発事故後の子どもの甲状腺がんの多発報告の教訓に学び、甲状腺がんの未然防止のため、国・県・市が必要な検査・医療措置を講じて「早期発見」「早期治療」に努めることが肝要である。そこで、以下伺う。
(1)いわき市における放射性ヨウ素の初期被ばくと子どもの甲状腺検査について
ア、いわき市における放射性ヨウ素の初期被ばくについて、どう評価しているのか。
イ、福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査について、いわき市民の検査はいつ頃か。
ウ、いわき市独自で甲状腺検査体制を確立し、アドバイスが出来る専門機関等を作り、健康管理体制をしっかり構築すべきではないか。
エ、県民健康管理調査検討委員会について、不祥事を起こしても抜本的な体制見直しがない現状を、本市はどう評価しているのか。
オ、福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査に国が積極的に関与し、国の責任において「早期発見」「早期治療」のため、市町村の検査体制確立にむけた財政援助、甲状腺検査等の拠点病院の確保など、現状を是正して抜本的な検査体制の確立を図るよう国に求めるべきではないか。
3、「原発事故子ども・被災者支援法」に関するいわき市の対応について
現在、復興庁において、「原発事故子ども被災者支援法」の基本方針を策定中である。政府25年度概算予算に反映させるため、被災者であるいわき市民の現状と意見を踏まえて、いわき市議会創世会は、11月10日、復興庁の水野参事官に、平野復興大臣宛の『「原発事故子ども被災者支援法」基本方針の策定にあたっての要望』を提出した。
要望は、基本方針の策定にあたって、福島県全域及び年間線量1mSv以上となる全地域を支援対象地域として指定することや全ての被災者に健康管理手帳を交付すること、リフレッシュ保養を制度化することなど、法律条文毎に21項目。そこで、以下伺う。
(1)「原発事故子ども・被災者支援法」基本方針策定にあたっての国への働きかけについて
ア、基本方針(第五条)について、「国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任」を負っており、被災者生活支援等施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有し、必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならないことから、来年度予算より各支援等施策の項目毎の財源確保し、支援対象地域は福島県全域及び福島県以外の追加被曝線量が年間線量1mSv以上となる地域を全指定することを、市長から復興大臣に対して改めて強く働きかけるべきではないか。
イ、支援対象地域で生活する被災者への支援(第八条)について、心的ストレスへの心のケアやサポート体制の整備、子どもたちの宿泊移動教室や長期休暇時のリフレッシュ保養の制度化、それに伴う保護者等の保養休暇制度の創設などを復興大臣に対して働きかけるべきではないか。
ウ、支援対象地域以外で生活する被災者への支援(第九条)について、移動支援のため高速道路の無料化、住宅提供期間の延長、母子避難に伴う託児施設の確保や移動先における就業支援の促進、家族と離れて暮らす子どもに対する各種支援などを復興大臣に対して働きかけるべきではないか。
エ、放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供等(第13条)について、支援対象地域の全ての被災者への健康管理手帳の交付、支援対象地域の全ての子ども及び被災者の定期健康診断の実施、甲状腺がんの未然防止ため国の責任において抜本的な検査体制の確立、全被災者の医療費負担の減免などを復興大臣に対して働きかけるべきではないか。
4、鮫川水系四時川の源流部における放射性物質焼却実証実験について
いわき市の水道水源は、取水量の約85%を夏井川・鮫川などの中小河川の表流水に依存している。ところが、いわき市の水道水源保護地域の上流域、鮫川水系四時川の源流部のひとつの鮫川村青生野地区に、11月15日から放射性物質を含む農林業系副産物の焼却実証実験施設が建設され、高レベルに放射能汚染された8,000bq/kg超の指定廃棄物の焼却および最終処分地になろうとしている。
この実験は、仮設の小型焼却炉を設置し減容化に関する実証実験を行うもの。実施主体の環境省によれば、県内に保管されている8,000bq/kg超の農林業系副産物(稲わら、牛ふん堆肥、牧草、きのこ原木、果樹剪定枝など)を焼却対象物として減容化・安定化を図るため、1日5トン程度を処理できる仮設の小型専用焼却炉を設置し、焼却による減容化の実証試験を行うとされ、来年1月中に実証実験を始め、計600トンの焼却を見込む。敷地面積は1600平方メートル程度。焼却期間の終了は、平成26年9月を予定しており、焼却灰の管理は焼却炉の設置場所または隣接地に管理型最終処分場での処分を想定し、保管する方針。
鮫川村に先行して飯舘村、大熊町で実施された実験結果では数万bq/kgの有機物を燃やした後の灰には50万から2百万bq/kgを上回る数値が出ているという。
現在、8,000bq/kg超の指定廃棄物は国が責任を持って処理することになっており、市町村で焼却、最終処分することは認められない。水道水源の放射能汚染被害を未然に防止し、市民の命と健康を守るため、急を要するところから以下伺う。
(1)鮫川水系四時川の源流部のひとつ鮫川村青生野地区での放射性物質を含む農林業系副産物の焼却実証実験といわき市の対応について
ア、いわき市の水道水源保護地域の上流域、鮫川水系四時川の源流部である鮫川村青生野地区での放射性物質を含む農林業系副産物の焼却実証実験及び処分場の計画概要、進捗状況等について、いわき市はどう把握しているか。
イ、放射性物質の拡散により風下地区や下流域の二次汚染が懸念されるところから、夏井川・鮫川水系水質汚濁対策連絡協議会の開催を求めるなど、いわき市として、水道水源の放射能汚染被害の未然防止のため、的確な対応をとるべきではないか。
ウ、いわき市としては、市民の命と健康を守るため、水道水源の放射能汚染被害の未然防止を求め、建設及び稼動、最終処分地の設置について、反対の旨を国に申し入れるべきではないか。