県民大集会、武藤類子さんの挨拶
2013年 03月 31日
昨年の3.11に続き、県平和フォーラムや県生協連、県漁連などで組織する実行委員会の主催で、県内外から約7千人が参加。
伊達市の霊山太鼓や喜多方市の下柴彼岸獅子などの郷土芸能が披露され、集会では、今年県内の大学に進学する南相馬市の女子高校生や農業・漁業者、観光業者らが現状などを訴え、原発依存からの脱却、県内原発の全基廃炉などを国や東電に求める集会宣言を採択しました。
呼び掛け人のひとりである武藤類子さんの閉会挨拶を以下に掲載します。
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原発のない福島を!県民大集会に遠くから駆けつけてくださった皆さん。
そして県内からお集まりくださった皆さん。
それから、壇上から発言して下さったみなさん。今日は本当にありがとうございました。
長い時間をお疲れさまでした。
共に過ごした一日はとても意味深いものだったと思います。
私たちは今、雪のうさぎが山肌に表れ始めた美しい吾妻の山のふもとに在りますが、春の訪れを心から喜ぶことはできません。
見えない、聞こえない、匂わない放射能をこの気持ちの良い早春の日にも忘れることはできないのです。
福島原発事故から二年、
・未だに一時間に一千万ベクレルの放射能を放出する原子炉
・いつ止まるかも分からない燃料プールの冷却装置
・これからが心配される人々や生き物たちの放射能による健康被害
・環境アセスメントもなしに造られようとしている廃棄物の小型焼却実験場
・ふりだしに戻ってしまった子ども被災者支援法
・進まない正当な賠償
・新たなる放射能安全神話と莫大な復興予算の中での、砂上の城の如く感じられる復興策の数々
さらなる困難の中で私たちの疲れはピークに達しています。
しかし、この2年、生き延びるために、暮らしを立て直すために、繋がりを取り戻すために、人々には必死の努力がありました。
その一人一人の切なる努力が、命と未来のためにつながり結実していく事を願わずにはいられません。
立場や考え方の違いが攻撃や対立に向かうのではなく、それぞれの気持ちを聞き合い苦悩を分かち合いながら、ともに冷静な目でこれからの道を見つけていきましょう。
私たちはまた、見極めなければなりません。
命を蔑ろにするもの、
生きる尊厳を奪うもの、
私たちを引き裂くものは何なのかを。
時に自分自身にそれを問う事を恐れずに、ひるまず真っ直ぐに向かっていきましょう。
東北は長く中央から虐げられた歴史がありましたが、一方で厳しくも豊かな自然に育まれた自由さが人々の心に息づいていると私は思っています。疲れたら、やすみながら
今のこの困難から沢山のことを学んで行きましょう。
そして今日皆さんと一緒に忘れずに心に留めておきたいことがあります。
私たちはこれ以上バラバラにされない。
私たちは生きる権利を奪われない。
私たちは繋いだ手を離さない。
2013年3月13日 呼びかけ人 武藤類子
