汚染水の海洋流出など東電交渉
2013年 08月 08日
今回は、福島第一原発事故による汚染水の漏えい・海洋流出防止策に関して要請してきた原子炉建屋の周囲の遮水壁の設置、及び高線量被曝にさらされている労働者の放射線防護と被曝の管理ついて、あらためて要請書を提出しました。(下記参照)



汚染水の海洋流出及び労働者被曝に関する要請書
2013年8月7日
東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己 様
2011年3月以来の福島第一原子力発電所における過酷事故は、未だ収束をしておりません。今なお、大量の放射性物質を環境中に放出し、わたしたちのかけがえのない大気、水、大地、海洋を放射能で汚染し続けています。
とりわけ、高濃度汚染水の漏えい、海洋への流出は深刻な事態となっています。
たまり続ける高濃度汚染水をめぐり、地下貯水槽の汚染水漏れ以降、政府の廃炉対策推進会議に設置された汚染水処理対策委員会が5月に出した報告書に対して、原子力規制委員会は「高濃度汚染水が滞留する海側トレンチ(作業用トンネル)からの漏えいリスクが高い」との見解を表明していました。6月以降観測用井戸から高濃度の放射能が検出され、原子力規制委員会が6月下旬、トレンチから海に流出した可能性を指摘しましたが、東京電力は参議院選挙後まで流出を否定し続け、海への流出、海洋への拡散が続いてきました。原子力規制委員会は、汚染地下水が遮水壁を上回った可能性が高く、地表にあがってくる可能性を否定できず現在は「緊急時」と指摘しています。陸上にも溢れ出す状態になれば汚染水からの放射線により空間線量は上昇、作業員の被曝が増え、大変困難な事態も想定されます。
いま、汚染水が当面の重大問題であり、事業者は再稼動申請に奔走している場合ではありません。いまこそ、国をあげてあらゆる人的資源、施策を汚染水対策に集中させるべき時です。
一方、事故から9ヶ月間の緊急作業時に働いた約2万人の作業員のうち、白血病の労災認定基準の「年5mSv以上」の被曝をした作業員が約1万人となることが、7月確定の東京電力集計で判明したと報道されました。今後も汚染水対策作業など被曝量の増加が想定される状況下にあり、原子力事業者が全体を把握し責任を担う体制の確立が急務です。
東京電力が利潤追求最優先の企業体質から起こした過酷事故から2年5ヶ月、15万人を越す住民がふるさとを追われて避難を余儀なくされ、放射線被曝の脅威と健康不安の中にあり、漁業者は甚大な打撃を被り生活と生業の危機に瀕しています。
あらためて、下記の通り強く要請を行い、誠意ある回答を求めるものです。
記
1、原子炉建屋の周囲に遮水壁を設置し地下水汚染と汚染水の漏えい・海洋流出を防止すること。
2、作業員の被曝管理データの一元管理、定期健康診断の実施、線量限度超えの作業員の仕事や賃金の補償など、原子力事業者が全体を把握し国と協力して責任を担う体制を確立すること。
風下の会福島 脱原発の日実行委員会福島 脱原発福島ネットワーク 脱原発緑ネット
ハイロアクション福島 福島原発30キロ圏ひとの会 福島老朽原発を考える会
双葉地方原発反対同盟 ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会