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ベラルーシのエレーナ・トルスタヤ准教授の講演

 8月25日午後、いわき市総合福祉保健センターで、チェルノブイリ事故以来、ベラルーシで子どもの心のケアをしているエレーナ・トルスタヤ准教授(国際サハロフ環境大学準教授)の「福島の子どもの心のケア講演会」が開かれた。
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原発事故収束作業員(リクビダートル)の子供たちの3人に一人は心理的問題を抱えていたという。1986年12月に生まれた女子の例では、1995年に甲状腺ガンの手術し、1998年~2001年に無力症・不安感・うつ・などの症状後、結婚し出産、子供は心臓に欠陥があったという。
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エレーナさんは、低レベルの汚染は神経系、免疫系、内分泌系の調節機能を阻害するとして、汚染地帯を離れた保養とアートセラピー・ゲームセラピー・ヨガなどのリラクゼーションなどのリハビリが効果的と話した。
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 1991年、ベラルーシで「被災者社会保障法」が制定され医療費や移動費などを国が負担しているとも。日本では「原発事故子ども・被災者支援法」がたなざらしにされている。基本方針の早期策定と支援の早期実施が必要だ。
 明日26日、原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委員会が国会請願署名などのキックオフ記者会見をする。http://skazuyoshi.exblog.jp/20961789/

エレーナ・トルスタヤ プロフィール
1955年4月29日生まれ。
1978年 ミンスク州立医学大学(小児科)を卒業し、5年間小児科医として勤務。
心理療法、内分泌学および医学リハビリを専門とし、チェルノブイリ事故後、汚染地域に住む人々の低線量被ばくの影響を調査。1992年博士号を取得。
1992〜1993年、ベラルーシ・サマリタン正統教会医療センター副所長として医療プロジェクトを立ち上げ、医学診療を担当。1993〜2003年、放射線医学・内分泌学臨床研究所にて勤務。日本にもNCC(日本キリスト教協議会)に招待され、広島で原爆被爆者支援の実態を調査したほか数度来日している。
ナジェジダ(希望21。日本のチェルノブイリこども基金―広河隆一が1991年に設立し代表となるーがドイツ、ベラルーシとともに創設期から大きな支援を行ってきた)に、1993年からナジェジダで、心理学専門家 として携わった。
この放射線医学・内分泌学臨床研究所の目的は「リハビリと健康づくり」と名づけられ、チェルノブイリ事故による被害住民のリハビリと健康づくりを効果的にするため、医学・心理学的側面からの研究を行うことである。
1997年に、日本のチェルノブイリこども基金が招待した86人の甲状腺ガンの小児・青年グループとナジェジダで生活を共にした。これ以降、甲状腺がんの子どもたちの心理的研究とケアを行う。
1998年より、国際州立サハロフ環境大学で環境医学と放射線生物学にて准教授に就任。
チェルノブイリ原子力発電所の災害の影響を専門とした80の科学的論文があり、チェルノブイリ災害の健康と心理的側面の影響と、心理面を含むリハビリを専門とした国際科学会議や実務的な協議に携わってきた。

死亡した息子の未亡人(義理の娘)は1986年8月にベラルーシの汚染地ゴメリで生まれている。
by kazu1206k | 2013-08-25 19:29 | Comments(0)