告訴団、10.16検察審査会に申し立て!
2013年 09月 29日
・事故により引き裂かれた私たちが、再びつながり、力と尊厳を取り戻すこと。
・この国に生きるひとりひとりが大切にされず誰かの犠牲を強いる社会を変えること。
・これらを実現することで、子どもたちや若い人たち、未来世代の人たちへの責任を果たすこと。
声を出せない人々や生き物たちと共に在りながら、決してバラバラにされず、つながりあうことを力とし、怯むことなくこの事故の責任を問い続けていきます。」とあいさつ。
行動提起は、以下の通りです。
1、10月16日検察審査会への申し立てを行う。(下記チラシ参照)これを第1次とし、全国からの委任状を集約して11月に第2次申し立てを行う。
2、汚染水海洋放出事件の告発は、11月に第2次告発を行う。更に全国に呼びかけ12月に第3次告発を行う。
3、全国で不起訴不当、汚染水告発の運動を拡げるために、報告会やブックレットの出版記念会などを開催する。
●集会声明
福島原発告訴団は、昨年、福島地方検察庁に対して、東京電力の勝俣恒久前会長・清水正孝元社長、斑目春樹元原子力安全委員長ら計33人と東京電力株式会社を1万4716人で告訴・告発した。これに対して検察庁は、9月9日、全員不起訴の処分を公表した。
わたしたち福島原発告訴団は、たった一度の家宅捜索さえ行わず、強制捜査もないまま、全員不起訴の処分が決定されたことに対して、果たして捜査が尽くされたといえるのか、そして徹底捜査の上に下された判断なのか、根本的な疑問を持たざるを得ない。
本件処分は、人類史上かつて経験したことのない最大級の公害事件であるにも拘らず、我が国における法と正義が貫かれたのか、法の下に被害者が救済される道を開いたのか、二度と起こしてはいけない事故の再発防止に寄与したのか、歴史の審判に耐えうるものとは到底思われない。
翻って、福島原発事故は、事故以来2年6ヶ月が経過したが、今なお収束の見通しさえ立っていない。被害者は、放射能汚染と被曝の脅威を前にして、15万余の人々がふるさとを追われ、家族や地域共同体が分断され避難生活を強いられている。当たり前の日常生活を奪われたまま、生存権をはじめとする基本的人権が侵害され、疲弊と困難のただなかにある。
原発震災発災の2011年3月11日、福島第一原発の建屋の中で帰らぬ人となった東京電力社員、避難の最中次々と力尽きた双葉病院の50名の患者さん、津波被災地の沿岸部で福島原発事故による避難指示のため救助できなかった多くの命、相馬市や須賀川市など各地の、生業を奪われ絶望の果ての多くの自死、これらはすべて原発事故による死者だ。
かけがえのないいのち。亡くなっていった人々の無念を想うと涙が溢れる。放射能汚染と被曝の脅威にさらされ、離ればなれになった家族、分断された共同体、小児甲状腺がんなど健康被害の現実を想うと、悔しい限りである。本件不起訴処分は、疲弊と困難を極めながら、各地でもがき、涙をふきながら生き抜こうとするわたしたち福島県民を始めとする被害者を愚弄し、その生きる道に立ち塞がる邪悪な試みである。
さらに私たちは、福島地検に告訴・告発したにもかかわらず、不起訴処分発表直前に東京地検に「移送」されてしまった。これにより私たちは、東京の検察審査会へ申し立てを行わざるをえなくなった。担当の検事には厳重に抗議したが、検事は「移送」は撤回しないと回答した。福島県民が不起訴の妥当性を審査するという機会は奪われたが、東京都は原発から放射能が降り注いだ被災地であり、福島原発の電力の一番の需要地でもある。東京都民による検察審査会が、私たち被害者に寄り添った判断を下してくれることを信じ、東京検察審査会へ申し立てを行う。
検察は、傷ついた被害者の心に寄り添い、巨悪を眠らせないという基本姿勢を忘れたのか。
検察は、福島県民はじめ被害者の窮状を理解しているなら、そして、この国の国民の信頼に足る確たる法治国家の番人たろうとするならば、不起訴処分を撤回しなければならない。
福島原発告訴団は、挫けることなく、被害者が生きるために、正義を求め、「検察審査会」に申し立てをする。この国に生きるひとりひとりが尊敬され、大切にされる新しい価値観を若い人々や子どもたちに残せるように、手を取り合い、励まし合い、立ち向かっていく。
2013.9.29 福島原発告訴団