人気ブログランキング | 話題のタグを見る

閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉

政府は10月11日、東京電力福島第一原発事故を受けて去年6月成立したまま塩漬け状態にしてきた「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針について、5000近いパブリックコメントを反映させず、文言などの微細な修正だけで、8月30日に公表した基本方針の閣議決定を強行した。
閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉_e0068696_1030638.jpg
この基本方針は、支援対象地域の指定について、法の第八条で放射線量が「一定の基準以上」と定めているにもかかわらず、法によらない「相当の線量」という曖昧な概念によって、支援対象地域を福島県東部の33市町村に限定したため、千葉県内や栃木県内など東日本の放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域を切り捨てるもの。また、法の第五条第三項・第十四条で「被災者の意見の反映」を定めているにもかかわらず、被災当事者の声を吸い上げる仕組みをつくらず、福島市と東京都での2回の説明会のみで公聴会は実施されなかった。
閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉_e0068696_10234444.jpg
11日、閣議が行われる首相官邸前には、午前8時すぎから福島県民や県外に避難した被災者、千葉県の汚染状況重点調査地域などから約50人が、「骨抜き基本方針、閣議決定するな」「被災者の声を聞け」と抗議の声がをあげ、「政府は被災者を無視、軽視している」と官邸に向って訴えた。また、原発事故子ども・被災者支援法市民会議と「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟は、同日正午過ぎ、共同記者会見を行い、基本方針の内容を批判するとともに、パブリックコメントを無視して公表も閣議決定後であったことから公聴会開催など被災者の意見の反映をさせることや支援対象地域の見直しを訴えた。
閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉_e0068696_10423034.jpg
同日午後1時半からは「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟による「原発事故・子ども被災者支援法の基本方針案の撤回、法の理念に基づく施策を求める」院内集会と政府交渉が開かれた。
閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉_e0068696_10595680.jpg
院内集会では、佐藤共同代表の閣議決定に対する抗議と今後の法の理念に基づく施策を求める運動への呼びかけ後、駆けつけた国会議連の荒井聰会長、福島瑞穂顧問、川田龍平事務局長、吉田忠智事務局次長、倉林明子参議院議員、渡辺美知太郎参議院議員が連帯の挨拶、さらに、原発事故・子ども被災者支援法ネットワークの海渡雄一弁護士、原発事故子ども・被災者支援法市民会議の満田夏花さん、福島の子どもたちを守る法律家ネットワークの福田健一弁護士からも報告と挨拶。自治体議連からは、阿部流山市議、松谷静岡市議、大野佐倉市議、中妻板橋区議が活動報告。集会は、以下の決議文採択して閉会。
閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉_e0068696_1113952.jpg
原発事故・子ども被災者支援法の基本方針及び具体的施策に関する対政府交渉では、冒頭で復興庁の阿部英樹政策調査官に決議文を読み上げて手渡した。
閣議決定に抗議、見直し求め政府交渉_e0068696_11145695.jpg
その後、復興庁及び関連省庁の9.19意見書への回答と質疑交渉が行われた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2013年10月11日
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
復興大臣 根本匠 殿                   
              
原発事故・子ども被災者支援法基本方針の拙速な閣議決定に抗議し、被災者の意見を反映した、法に基づく被災者支援を求める決議

 8月30日、復興庁は「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下「法」)の「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」(以下「基本方針案」)を公表したが、法の施行から「基本方針案」の策定まで1年以上放置してきたものである。
 この「基本方針案」には、多くの被災当事者・支援者が「支援対象地域は空間線量年1ミリシーベルトを基準とし、また福島県全域を」「各地で公聴会の実施を」と声をあげ、全国から4,900件をこえるパブリック・コメントや自治体からの意見が数多く寄せられたにも拘らず、政府は、被災当事者並びに国民の声を無視し、パブリック・コメントへの回答も示さないまま、「基本方針案」の微細な修正によって、あまりにも拙速に本日閣議決定が強行された。
 これは、法の第五条第三項・第十四条で「被災者の意見の反映」を定めた支援法の規定から逸脱するものであり、被災当事者をはじめ国民軽視も甚だしく到底容認できるものではない。
 福島原発事故は依然、収束の見通しさえたたず、今なお15万人余がふるさとを追われ、全国で避難生活を強いられている被災者は、一刻も早い法の理念に基づく具体的施策の実現を望んできた。政府は、あらためて全国各地で公聴会を開催して、福島県内をはじめ全国の避難者、さらに汚染状況重点調査地域の指定地域の住民など、より多くの被災者から直接、意見聴取を行うべきである。
 本集会参加者一同は、拙速な閣議決定に抗議し、「健康被害を未然に防止する観点から放射線量の低減及び健康管理に万全を期する」との法の基本理念に基づき、「支援対象地域は、年間1mSv以上となる全地域及び福島県の全域」「各地で公聴会を実施し、常設の被災者等協議会を設置」など、被災当事者をはじめ国民意見を反映させた、基本方針の見直しと具体的施策の実現を求めるものである。
 以上、決議する。

「原発事故・子ども被災者支援法の基本方針案の撤回、法の理念に基づく施策を求める」院内集会参加者一同 

連絡先:「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟
by kazu1206k | 2013-10-12 11:32 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k