再開第5回東電交渉、汚染水で再要請
2013年 10月 22日
冒頭、再び福島第一原発での放射能汚染水海洋放出について、東京電力に対して「放射能汚染水の海洋放出防止を求める要請書」が提出された。(下記参照)
その後、再開第1回から継続している案件である、「5.15公開質問状」のうち、3東電第一原発事故の原因及び責任と損害賠償の「損害賠償」から質疑が行われた。
参加者による「自給自足の自家作物への損害賠償」「山の恵みと楽しみへの精神的損害賠償」「自ら除染を実施した場合の費用負担」「保養費用への賠償」「家族と暮らしてきた愛猫の賠償」「広野町の家財の賠償はどうなっているか」「消滅時効3年の延長はどうするのか」などの質問に対して、東京電力側は、中間指針等を踏まえて対処すると繰り返し、回答を持ち越した。
第一原発事故の原因について、原発敷地内の地質、岩盤の問題についての質疑ののち、「5.27要請書」の1「福島第一原発事故について、再臨界・再溶融の防止、1〜3号機の周囲に遮水壁を設置し地下水汚染と汚染水の海洋流出の防止、仮設設備の恒久設備への早期変更、4号機使用済燃料の早期移動など、実効ある事故収拾計画を国と協力して策定し、説明すること」の質疑では、4号機の使用済燃料の取り出しについて、現場の放射線量、作業体制、キャスクの状況、燃料移動とりわけ落下事故に関する事故想定と安全リスク評価の内容、汚染水対策、凍土壁の実効性などの再質問がでた。
放射能汚染水の海洋放出防止を求める要請書
2013年10月22日
東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己 様
2011年3月以来、福島第一原子力発電所事故は収束しておらず、今なお、大量の放射性物質を環境中に放出し、かけがえのない大気、水、大地、海洋を放射能で汚染し続けています。「状況がコントロールできている」「汚染水の影響は、原発の港湾の中で完全にブロックされている」という安倍首相の発言とは裏腹に、放射能汚染水の漏えい、海洋放出は深刻な事態となっています。
東京電力は、台風26号による大雨が続いた10月16日早朝、福島第1原子力発電所内の23カ所あるとされる地上タンク群の9カ所のタンク区画で漏えい防止用の堰内に溜まった約40トンの汚染水を排出しました。他の7カ所のタンク区画では、タンクに移送して放射能濃度を測定することもなく、堰の排水弁を開けて直接排出しました。誠に遺憾です。
さらに、10月20日には、大雨の影響で、地上タンク群に設けた堰11カ所から雨水があふれ出し、放射能汚染水が外洋につながる排水溝に流れ込み外洋に放出されました。「H2南」と呼ばれるタンク群では、6日採取の堰内の水からβ核種ストロンチウム90が2万9千Bq/ℓと高濃度で検出されていました。
10月15日、台風接近の中で、原子力規制委員会が了承した東京電力の「暫定排出基準」は、セシウム134:15Bq/ℓ、セシウム137:25Bq/ℓ、ストロンチウム90:10Bq/ℓと報じられていますが、東京電力の公表では、10月20日の大雨によりあふれ出した堰のうち6カ所の水からβ核種ストロンチウム90が最高値で710Bq/ℓ検出され、「暫定排出基準」の71倍となり、施設外排出の法定基準30Bq/ℓも遥かに超えています。
陸上にも溢れ出す状態となったことから、汚染水からの放射線により空間線量は上昇、作業員の被曝が増えていることも憂慮されます。
いま、事業者は再稼動に奔走している場合ではなく、いまこそ、国をあげてあらゆる人的資源、施策を汚染水対策に集中させるべき時です。これ以上の海の汚染を防ぐために最大限の努力をすることを求め、あらためて、下記の通り強く要請を行い、誠意ある回答を求めるものです。
記
1、タンク及び配管をより強固で耐久性の高いものに更新し、放射能汚染水の漏えいを防止して、
海洋放出を行わないこと。
2、柏崎刈羽原子力発電所から、福島第一原子力発電所の事故処理に人員を投入すること。
3、凍土方式等の対策の再検証など、国内外の専門家・国際的な叡智を結集して対応すること。
風下の会福島 脱原発の日実行委員会福島 脱原発福島ネットワーク 脱原発緑ネット
ハイロアクション福島 福島原発30キロ圏ひとの会 福島老朽原発を考える会
双葉地方原発反対同盟 ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会