11.26再開第6回東電交渉
2013年 11月 23日
第6回は、5.27福島第一原発事故の収束と廃炉、損害賠償等に関する要請書への東京電力の回答に対する質疑、および8.7汚染水の海洋流出及び労働者被曝に関する要請書への東京電力の回答に対する質疑、10.22放射能汚染水の海洋流出防止を求める要請書への回答、となります。
■■ 東電交渉、再開第6回のおしらせ ■■
■ 日時:11月26日(火)午後1時より■
■ 場所:東京電力(株)平送電所(いわき市平谷川瀬仲山町53)
■ 内容:
①5.27福島第一原発事故の収束と廃炉、損害賠償等に関する要請書への回答に対する質疑
②8.7汚染水の海洋流出及び労働者被曝に関する要請書への回答に対する質疑
③10.22放射能汚染水の海洋流出防止を求める要請書への回答
●資料
①5.27福島第一原発事故の収束と廃炉、損害賠償等に関する要請書への東京電力の回答
平成25年7月4日
東京電力株式会社 福島復興本社
いわき補償相談センター
復興推進室
弊社福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の事故から2年3ケ月余りが経過しましたが、今もなお、発電所の周辺地域の皆さまをはじめ、福島県民の皆さま、広く社会の皆さまには、大変なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。
ご要請いただきました件につきまして、下記のとおり回答させていただきます。
記
1、福島第一原発事故について、再臨界・再熔融の防止、1〜3号機の周囲に遮水壁を設置し地下水と汚染水の海洋流出の防止、仮設設備の恒久設備への早期変更、4号機使用済燃料の早期移動など、実効ある事故収拾計画を国と協力して策定し、説明すること。
(ご回答)
平成23年12月、原子力災害対策本部の下に「政府・東京電力中長期対策会議」が設置され、同会議により決定された「中長期ロードマップ」に基づき、弊社は実際の廃炉作業を実施し、政府は当社が実施する廃炉作業の進捗管理や、廃炉に必要となる研究開発を実施しておりますが、平成25年2月8日、原子力災害対策本部にて、廃炉推進体制の強化について決定しました。国からは、今後廃炉を加速していくための見直しと伺っており、弊社としましては、引き続き、国とともに廃炉に向けて取り組んでまいります。
2、事故収束作業員について、被曝管理と放射線防護の徹底、下請け会社の労働法令違反の根絶、多重下請け構造の廃止、線量限度超えの作業員への仕事や賃金の補償など、原子力事業者が全体を把握し責任を担う体制を確立すること。
(ご回答)
福島第一原子力発電所で安定化・廃炉作業に従事する作業員に適正な労働条件のもとで働いて頂けるよう、弊社は「元請各社が下請企業作業員の労働条件(雇用企業・請負体系・労働条件明示)を確認しているかの調査」や「各種相談窓口の開設」など諸施策を実施しておりますが、昨年の就労実態に関するアンケート結果をふまえ、元請企業に対し労働条件確保に向けた取り組みを調査しました。この結果をふまえ、平成25年5月14日、雇用企業や労働条件の明示の確認方法として、雇用保険関係書類等の確認、労働条件通知書等への署名などをするように元請各社に要請しました。また、厚労省協力のもと作業員へ向けて講習会を開催するなど様々な対策を追加し、実施しております。
しかしながら、一部の作業員の方からは、賃金や諸手当に関するご相談が寄せられていることから、平成25年5月28日に弊社廣瀬社長から各元請企業へ「作業員の方々と契約を締結する際には、労働条件の書面での明示はもちろんのこと、雇用主様から作業員へ労働条件についての説明をしっかりして頂き、作業員の皆さまが理解・納得したうえで作業に従事して頂くよう、労働条件の説明の徹底」をお願いしております。
今後も、引き続き、適正な労働環境の維持に向けて取り組んでまいります。
3、福島第一原発事故の原因と責任及び賠償について、原因の徹底究明と取締役等の責任の明確化及び住民説明の実施、福島全原子炉の廃炉、全被災者の健康管理及び医療・生活支援、損害賠償請求権の3年消滅時効の不適用など、責任を明確にして全被災者へ完全な損害賠償を行うこと。
(ご回答)
・今回の福島原子力事故は、平成25年3月29日に発表した「福島原子力事故の総括および原子力安全改革プラン」の最終報告書で、「全電源喪失という過酷な状況を招き、多数の安全設備を機能喪失させてしまった」こと、そして「過酷事故の備えが設備面でも人的な面でも不十分であった」ことと、総括しております。
過酷事故への備えが、設備面でも人的な面でも不十分であったことから、防ぐべき事故を防げなかったと深く反省し、その上で事故への備えが不足していた点について、対策をまとめ「原子力安全改革プラン」として公表しております。
今後は、原子力安全改革プランの実現にしっかり取り組んでまいります。
・平成24年6月の株主総会をもって経営陣を刷新し、新たな組織体制のもと、被害者の方々への賠償と事故プラントの廃止措置の責任主体として、かつ安定供給の担い手として、これらの同時達成に全力で取り組んでおります。
なお、本件事故の法的責任の有無については司法の場で審理等がなされ、判断がくだされるものと認識しております。
・福島県内にある当社の原子力発電所のうち、既に廃炉を決定している第一原子力発電所1〜4号機以外の原子炉については、福島県をはじめ、福島県議会、県内の多数の自治体から廃炉にすべきとのご要望をいただいており、さらに福島県知事からも直接ご要望を受けており、大変重く受け止めております。
これらの原子炉については、国のエネルギー政策の具体的な議論を踏まえて検討したいと考えており、現時点では、今後の取り扱いは「未定」としております。
・弊社は、福島県ご当局と協議のうえ、昨年1月、「福島県民健康管理基金」に対して、250億円を拠出させていただいており、健康被害対策に充てていただけるものと伺っております。さらに、将来、事故と因果関係が認められるような健康被害があった場合には、その被害等につきまして、誠実かつ適切に対応してまいります。
・弊社は、福島第一原子力発電所の事故発生以来、同発電所周辺自治体の災害対策本部への駐在や避難先、仮設住宅へのご訪問などを通じ、発電所の状況のご説明や皆さまの生活のご支援・お手伝いなどをさせていただいております。
今後とも引き続き、国や自治体にご相談しながら、皆さまへのご支援などに誠意をもって取り組んでまいります。
・弊社といたしましては、このような事態になってしまった皆さまの想いを、社員全員が心から受けとめ、平成25・26年の経営方針においての最優先項目として「福島事故の責任を全うする」こと、また「福島の復興なくして東京電力の改革、再生はあり得ない」という強い意志をもって取り組んでくことをかかげ、当事者として事故の責任を全うすることを第一としております。
賠償ご請求手続きのお手伝いとして、相談窓口、説明会、個別訪問等を通じ、現地におけるご請求者さまのご要望にきめ細かく対応できるよう取り組んでおります。原子力損害賠償に関して、時効が完成した場合でも直ちに消滅時効を援用するということは考えておらず、被害を受けられた方々が時効によって適切な賠償を受けられなくなることはあってはならないと考えております。
今後も、弊社本賠償手続きをご請求いただいていない被害者の方々に対し、ご請求をお願いするダイレクトメールの送付や、個別訪問や説明会を実施させていただくなど、より丁寧な情報発信を行って、円滑な賠償のお支払いに万全を期し、被害を受けられた方々が不利益を受けるような事態が生じることのないよう、真摯に対応してまいります。
また、本件事故との相当因果関係が認められる損害につきましては、賠償の対象と認識しており、引き続き、被害を受けられた方々に対しまして親身・親切な賠償に取り組んでまいります。
②8.7汚染水の海洋流出及び労働者被曝に関する要請書への東京電力の回答
平成25年9月18日
東京電力株式会社 福島復興本社
復興推進室
弊社福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の事故から2年半余りが経過しましたが、今もなお、発電所の周辺地域の皆さまをはじめ、福島県民の皆さま、広く社会の皆さまには、大変なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。
ご要請いただきました件につきまして、下記のとおり回答させていただきます。
記
1、原子炉建屋の周囲に遮水壁を設置し地下水汚染と汚染水の漏えい・海洋放出を防止すること。
(ご回答)
発電所内の汚染水問題、とりわけ汚染水タンクからの漏えいを新たに引き起こしてしまい、大きなご不安とご心配をおかけしております。重ねて深くお詫び申し上げます。
当社としましては、この汚染水問題を喫緊かつ最大の経営課題として、極めて重く受け止めており、これまでの反省を踏まえて、原子力以外の他部門を含めた全社的リソースの優先的かつ重点的な投入を図り、これまで以上に現場第一線の現実・実情を十分に踏まえた素早い意思決定と対策を実施するため、8月26日付で社長直轄の「汚染水・タンク対策本部」を設置いたしました。
また、経済産業大臣や福島県知事より頂戴したご指示も真摯に受け止め、国内外の専門家の英知を活用し、国のご指導をいただきつつ、遮水壁をはじめとした汚染水対策に総力を挙げて取り組んでまいる所存です。
2、作業員の被曝管理データの一元管理、定期健康診断の実施、線量限度超えの作業員の仕事や賃金の補償など、原子力事業者が全体を把握し国と協力して責任を担う体制を確立すること。
(ご回答)
福島第一原子力発電所に従事される作業員の方々の被ばく線量管理につきましては、個人毎に発行される放射線管理手帳の制度に基づき、厳格に管理されております。
放射線管理手帳は、作業者個人のIDの厳格な確認を行った後、ひとりにひとつの中央登録番号とともに交付されるもので、福島第一をはじめとした各原子力事業所では、この手帳によって個人線量は厳格に管理される仕組みとなっています。
作業員の方々の健康管理については、厚生労働省が定める「東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針」に基づく健康管理に加え、当社独自の取り組みとしての長期健康管理も実施しており、その対象となる方々は、該当する検査を当社の費用で受診して頂ける制度を設けております。
作業員の方々の被ばく線量につきましては、日々の実績を管理しており、法令の線量限度を超えないよう、各社にて線量管理目安値を設定し管理しております。
なお、当社は、作業員の仕事等に関しまして雇用企業から相談があれば可能な範囲で相談に応じていきたいと考えております。
今後も、福島第一原子力発電所に従事される作業員の方々が安心して働いて頂けるよう、引き続き努力して参りたいと考えております。
以上
