鮫川村焼却炉事故の説明会を求め要望
2013年 11月 28日
この事故は、周辺市町村住民や自治体の反対を押し切り、8月19日に本格運転を開始した放射性物質焼却実証実験施設が、稼動9日目の8月29日、2回の爆発音を伴う主灰コンベアのケーシング破損事故を起こしましたもので、環境省と日立造船などの説明によると、事故当時、放射能濃度kg当り404bqの牧草を60%、放射能濃度kg当り5800bqの稲わら40%を破砕混合し、傾斜回転床の焼却炉にいれて焼却していましたが、「主灰を排出する際に開放するゲートシリンダを閉め忘れたため、焼却炉を回転させる軸の隙間から可燃性ガスが少しずつ漏れ、主灰コンベア内に滞留し、着火したのが原因」とされ、主灰コンベアが垂直に立ち上がる部分のコンベアのケーシングの溶接部が破裂、長さ3m、最大幅0.5mが破断して、ケーシング上部や点検口の蓋も変形、ストッパーも破損、主灰コンベアは、大きなダメージを受けたものです。
しかし、環境省の鮫川村、いわき市、北茨城市など隣接自治体や県などへの緊急時連絡は遅く、棚倉消防署が事故発生6時間後、環境省本省に問い合わせるまで消防にも通報せず、棚倉警察署には6時間半後の連絡で、緊急時対応が全く機能せず危機管理能力の欠如を露呈しました。
●鮫川村指定廃棄物焼却実証実験施設における事故についての説明会を求める要望書
平成25年11月26日
いわき市長 清水敏男様
平成25年9月11日付で提出致しました要望書において、事業主体の環境省に対し、事故の説明責任を果たす事を求め、いわき市での説明会の開催を要望致しました。
それに対する環境省からの回答は、調査の結果を報告し、再発防止対策も公表したので、ご理解を頂きたいというものでした。
11月14日、鮫川村において、原因調査結果及び再発防止対策に係る説明会が開催され、いわき市の住民も数名、会場に向かいましたが、鮫川村の住民以外は中に入れず、説明会が終わるまで、会場の外で待機をするという事態でした。
環境省の担当者、馬場さん、高橋さんに、鮫川村民以外は説明会の会場に入れないのであれば、いわき市での説明会の開催はあるのかと尋ねたところ、自治体を通して要望すれば検討するとの回答を頂きましたが、私たちは既に説明会を求める申し入れを行っています。
事故による影響を受ける可能性のある立場である近隣住民に対し、説明責任を果たさないばかりか、鮫川村の住民のみを当事者とする環境省の姿勢は事故前と変わっておらず、稼動からわずかの期間に事故を起こした上に、緊急時のマニュアルも守られなかったということなどに対しての反省は、微塵も見られません。
命にも関わる爆発事故を起こしたこの事業について、説明もないまま稼働を許すことなどあってはならないことであり、改めて、いわき市における、市民の命と環境を守る姿勢について、私たちは強い表明を求めます。
環境省に対し、いわき市での説明会を求めて頂けますよう、要望致します。
《要望団体》
いわきの水と風の会
いわきを変えるゾ市民の会
いわきアクション!ママの会
いわき母笑みネットワーク