一般質問2-廃炉庁、労働環境の改善、移住支援
2013年 12月 05日
1 平成26年度予算編成と創世会予算要望への対応について(第1回)
(1)平成26年度予算編成と編成過程の透明化について
(2)災害公営住宅の入居について
(3)障がい者や女性に配慮した災害対策と福祉避難所の整備等について
(4)避難計画、保養など原子力災害対策について
(5)地域経済・産業対策について
(6)市営テニスコートの整備について
2 原発事故収束・廃炉及び原発事故避難者へのいわき市の対応について(第2回)
(1)原発事故収束・廃炉に向けた「事故収束廃炉庁」の設置要望について
(2)原発事故避難者の「移住支援」について
3 平成26年度いわき市農林業施策に関する建議について(第3回)
(1)国・県の農業施策への要望について
(2)いわき市の農業振興施策及び林業振興施策について
4 (株)クレハ環境における米軍等のPCB廃棄物の処理について(第3回)
(1)(株)クレハ環境における米軍等のPCB廃棄物処理の経緯と概要について
(2)安全確保対策といわき市の対応について
第2回は、「原発事故収束・廃炉及び原発事故避難者へのいわき市の対応について」のやり取りを、以下に紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー大きな第二点、原発事故収束・廃炉及び原発事故避難者へのいわき市の対応について、であります。
1点目は、原発事故収束・廃炉に向けた「事故収束廃炉庁」の設置要望について、です。
⑮事故収束及び長期にわたる廃炉過程に対応するために、政府機関「事故収束廃炉庁」の設置による国の責任ある体制確立を求めるべきとした10月定例会での質問に、市長は「廃炉庁は、現在はいくつかの政党などから設置の提案が発言されており、未だ具体的に定まっていない。私としては、そういったことも含めて、ことあるたびに、国、あるいは国会議員等に申し入れをしていきたい。」と答弁しましたが、今後、市長はどのような考えで申入れをするのか、お尋ね致します。
—答弁(市長) 廃炉に向けた取り組みにつきましては、私は、就任後、廃炉に向けた研 究の中核的な役割を担う国際機関である「技術研究組合 国際廃炉研究開発機構」の本市への誘致を含め、国に対し、強く要望しているところであり、
議員お質しの「事故収束廃炉庁」についても、事故を起こした東京電力のみならず、原子力政策を推進してきた国が前面に立って取り組むべきものであると考えており、国の責任と役割を明確にすることによって、内外の英知・技術の集結が可能となるとともに、財政的な裏付けが担保されることにより、現場作業員の長期的・安定的な確保が図られるなどの観点から、有効な手段であると考えております。
現在、廃炉作業の実施体制につきましては、各政党や東京電力の第三者委員会などにおいて、様々な議論がなされているところでありますが、これらの動向をしっかりと見極め、議員お質しの点も踏まえながら、国に対し、しかるべき体制の整備を求めて参りたいと考えております。
⑯次に、汚染水対応での素人作業員の初歩的ミスや被曝量超過による熟練作業員の現場離脱が指摘される中での使用済み核燃料取り出し作業が開始されました。事故収束及び廃炉に向けて士気を高め長期的に作業員を確保するためには、賃金はじめ労働条件・放射線防護と健康管理など、多重下請け労務構造の下での劣悪な労働環境の抜本的改善が必要であることから、事故収束作業員の公務員化などの抜本的対策を国に対して求めるべきとした10月定例会での質問に、部長答弁がありましたが、これについて、市長はどのように対応するのか、お尋ね致します。
—答弁(市長) 私も、去る11月19日に東京電力福島第一原発を視察いたしましたが、季節を問わず重装備で作業を行わなければならないという厳しい環境を目の当たりにし、そうした状況が人為的ミスにつながりかねないとの懸念を抱いたところであり、これを受け、11月20日には、東京電力本店を訪問し、廣瀬社長に対し、現場作業員の人為的ミスを未然に防止するための適正な労働環境の確保や万一の火災等に備えた迅速かつ万全な消火体制の構築などについて強く申し入れを行ったところであります。
今後の廃炉工程においては、作業員の長期的・安定的な確保及び労働環境の改善が不可欠であり、東京電力の徹底した現場管理はもとより、国が、東京電力任せにならないよう取り組むことが必要であることから、安全かつ着実な廃炉を進めるための盤石な体制づくりについて、しっかりと対応するよう国に強く求めて参りたいと考えております。
2点目は、原発事故避難者の「移住支援」について、です。
原発避難者特例法による12の指定市町村から避難者数は、昨年12月1日現在、合計22,704人。居住状況は、1月31日現在で、仮設住宅が3,026世帯、民間借上げ住宅等が7,251世帯。年齢別構成は、0歳から14歳までの年少人口が2,762人、15歳から64歳までの生産年齢人口が14,936人、65歳以上の老年人口が5,006人で、本市への住民票移動数は、1月31日までで848件でした。
⑰そこで、原発避難者特例法の指定市町村からいわき市への避難者の現状はどうなっているか、お尋ね致します。
—答弁(行政経営部長) まず、避難者数についてでありますが、原発避難者特例法に基づき、県から通知のあった12の指定市町村からの最新の避難者数は、本年9月1日現在、合計で23,812人となっており、内訳を人数の多い順から申し上げますと、楢葉町が5,787人、富岡町が5,600人、大熊町が3,884人、広野町が3,481人、浪江町が2,236人、双葉町が1,586人、南相馬市が786人、川内村が362人、田村市が35人、葛尾村が33人、飯舘村が17人、川俣町が5人となっております。
次に、居住状況についてでありますが、本市から照会した結果で申し上げますと、本年10月1日現在、12の指定市町村の合計で、仮設住宅が3,005世帯、民間借り上げ住宅等が7,349世帯となっております。
次に、住民票異動数についてでありますが、12の指定市町村から震災後、本年10月31日までの間に本市に住民票を異動した件数は、合計で1,118件となっております。
次に、年齢別構成についてでありますが、12の指定市町村の合計で申し上げますと、0歳から14歳までの年少人口が3,068人、15歳から64歳までの生産年齢人口が15,393人、65歳以上の老年人口が5,351人となっております
⑱次に、与党東日本大震災復興加速化本部が11月11日安部総理に手渡した福島復興加速化提言では、「新しい生活を始めるための支援強化」として「転居を決めた住民の移住先での住宅確保が容易になるよう、どのような賠償が可能かを検討し年内に示す」としておりますが、原発事故避難者の「移住支援」に関して、いわき市はどのように対応するのか、お尋ね致します。
—答弁(行政経営部長) 避難区域が設定されている、又はかつて設定されていた12の市町村からの避難者の支援につきましては、国・県・避難元自治体・避難先自治体等で構成する協議会や個別部会、コミュニティ研究会などで検討を進めており、帰還を選択しない避難者への支援も視野に入れているところであります。
⑲帰宅困難地域をはじめ指定市町村住民のいわき市での避難生活が長期化していますが、いわき市としては長期避難者との共生を目指す「浜通り共生都市」をめざし、長期避難者が自主的選択に基づきいわき市に住民票を移動して定住・共生する定住促進策を検討すべきではないか、お尋ね致します。
—答弁(行政経営部長)本市といたしましては、避難者の方々が避難先として本市を第一に選択していただけるよう、原発避難者特例法に定める事務を中心に可能な限りの行政サービスの提供をし、安心した暮らしの確保に努めているところであります。
加えて、長期に帰還することが困難な4町からの避難者の方々については、一日も早く安定した住宅を確保し、本市での生活再建の見通しが立てられるよう、県が整備する復興公営住宅を中心とした町外コミュニティについて、可能な限り協力しているところであります。
これらの取り組みを進めることによりまして、避難者の方々同士がこれまでの絆を維持しつつも、市民の皆様とも良好な関係を構築し、結果として、安心して本市に住み続けていただくことに繋がるよう、今後とも取り組んで参りたいと考えております。
本市内に住宅を構える方も増え、住民票移動数も1千件をこえました。年内の原子力損害賠償紛争審査会による土地・建物等財物損害賠償の新たな指針により、その傾向は更に拡大するものと予想されます。本市としての共生に向けた積極的な定住促進策の検討を要望致しまして、次に移ります。