賠償、事故収束、汚染水、労働者被曝で東電交渉
2014年 02月 13日
第8回は、質疑応答を3時間15分にわたり行った。概要は以下の通り。
1、福島第一原発事故の損害賠償等に関する再回答と質疑
●トモダチ作戦での被曝に対する米海兵隊員による米国内の損害賠償請求訴訟について
ー米海兵隊員は、「10億米ドルの基金創設」「個人の損害賠償」「懲罰的損害賠償」を求めているが、「係争中なので情報は出せない」と東電。
●広野町の家財賠償、盗難やペットの死亡などの賠償問題について
ー「清掃保守費用の賠償は実施中、盗難被害は賠償外、他は個別に対処する」と東電。
●伊達市下小国地区のADR和解案をのばした問題について
ー次回回答。

2、福島第一原発事故の収束と廃炉に関する再回答と質疑
●過渡現象記録装置データの解析をめぐる木村論文への反論について
ー「東電として反論文は出さない。ジェットポンプの「コの字型」にダウンスケールしたのは、外部電源喪失による」との説明に、時系列順に事故の記録データを示して説明することを求めた。
●4号機燃料取り出し作業の被曝線量について
ー「平均値80〜120マイクロシーベルト/時」「2時間で交代の作業」「3号機側からの放射線に対して遮蔽板の設置」。最大値と最小値、一日及び累積の最大値のデータが開示されなかったため再度、データ開示を求めた。
●第一原発周辺地域の定期降下物のデータについて
ーデータが開示されなかったため再度、データ開示を求めた。
●第一原発の破損燃料82体について
ー「写真はない」「本店に資料は保管されていない。事務本館にあるかもしれないが、線量が高くとりにいけない」と東電。本当にないのか疑問が残ると留保。
●柏崎から福島の事故処理に人員を投入することについて
ー「事故後140名投入した」との説明に、柏崎再稼動を優先しており容認できない、柏崎への資金投入額など、あらためて説明を求める。
3、放射能汚染水の海洋流出防止を求める要請書への回答に対する質疑
●凍土壁の技術とコスト、電力使用量について
ーあらためて説明を求めた。
●2号機前のトレンチ観測井戸のストロンチウム濃度測定の数値間違いについて
ー「整理して次回回答したい」と東電。
●地下水バイパスによる汚染水放出問題について
ー「全漁連には説明をした」「県漁連にはまだ説明できない」「トリチウムの管理目標は、年間排出量22兆ベクレル。2010年の実績は2兆ベクレル」「ALPSでもトリチウム、ヨウ素129、ルテニウム、コバルト60、アンチモン125は完全に除去できない」と説明。
●タンクのパトロールについて
ー「90名程度で1日に4回実施中」「体制については次回説明する」と東電。
4、労働者被曝に関する要請書への回答に対する質疑
●作業員に対するアンケート調査について
ー「現在までに4回目、5回目を実施した」との応えに、手法及び概要について、あらためて説明を求めた。
●作業員の被曝管理、健康管理の一元化について
ー「制度上、定期健康診断及び半年毎の血液検査は、各企業で実施している」「甲状腺検査も別枠で実施」と東電回答。現状の被曝管理では、労働者の健康管理は不十分であり、法改正も含めて事業者として検討すべきとし、あらためて被曝管理、健康管理の実情の説明を求めた。
●死亡者及び高レベルの被爆者のその後について
ー3月11日東電社員が2名なくなったが、死亡者及び高レベルの被爆者のその後について、あらためて説明を求めた。
5、福島原発にフィルターベントを設置しなかった問題
ー次回回答。
