学校給食の食材に配慮を、ママたちが要望
2014年 03月 17日
2、県外に避難している母親と子どもが安心していわきに帰れるまで、そして多くの母親たちの心配がなくなるまで、子どもが食べる給食の材料については原発事故による放射性物質が飛んでいない遠くのところのものを使用してください。」と集まった署名に込められた一筆一筆の重みを受け止めながら、要望書を読み上げ、心を込めて清水市長に届けていました。
●子どもを内部被ばくから守るため、学校給食の食材に配慮を願う要望書
平成26年3月17日
いわき市長 清水敏男様
いわき市教育委員会教育長 吉田尚様
子どもたちの安心・安全を考えるいわきママの会
代表 鈴木さおり
原発事故から3年が経ちました。3年前の原発事故直後、私たちは正しい情報を得ることができなかったために、子どもたちに大量の被ばくをさせてしまいました。それをいくら後悔したとしても、時間を巻き戻すことはできず、リスクを抱えてしまった子どもたちのために私たちができることは、これ以上の被ばくをさせないために、あらゆることに配慮をしながら守っていくことぐらいしかありません。
起こってはならない原発事故が起こり、その収束作業はいまだに目途が立っていません。私たちは、この時代に生きる者としての責任を果たすためにも、何を優先にするべきかを真剣に考えなければならないのだと思います。私たちが生きている間に解決できる問題ではないということは、変えることのできない事実であり、子どもたちに渡す社会が、最悪であるということは、償いきれることではありません。せめてできる限りのことをして、これ以上の悲劇を繰り返さないための策を、社会全体で講じていかなければならないのだと思います。
現実にある問題に蓋をせず、しっかりと直視しながら守るべきものを守るという指針を、ここでしっかりと示すことが、子どもたちの未来を守るという漠然とした言葉に具体性を持たせるのだと思います。
私たちはこの、地元の地産地消に触れる問題に向き合いながら、多くの批判を受けました。その批判は、原発事故の責任の所在がいまだに明らかになっていないことによる、痛みからの声であると感じています。痛みを味わった者同士が対立構造の中に立たせられてしまっているこの問題は、本当に難しいと痛感しています。しかし、どんな立場であっても、自分で身を守ることのできない子どもという弱いものを守っていくために、同じ目線で最善を尽くすということは可能ではないかと私たちは信じています。風評被害払しょくのために、子どもたちの学校給食で地元のものを使うことを急ぐということは、子どもたちの未来への配慮を欠いた、冷静さを失った悲しい判断であると私たちは感じています。放射能の影響を受けやすい子どもたちのことは、予防原則の立場に立って、優先的に守るべきではないでしょうか。子どもたちの学校給食に急いで使わずとも、復興のための道は他にもあるということを、自治体として検討しながら、子どもたちを守ることを最優先とする柱をしっかりと立てて頂くことを私たちは望んでいます。
市民の間にはこの署名に希望を感じ、祈るような思いで一筆に願いを込めて下さった方がたくさんいらっしゃいました。原発事故から3年が経った今、本当に大切なものはなにかと問いながら、清水市長、吉田教育長のご英断に私たちの願いを託したいと思っています。
原発事故の被害を受けた福島県の独立した自治体として、いわき市がリーダーシップを取りながら、子どもたちにとっての優しい未来をつくることを最優先に考え、内部被ばくから守るための対策に、長期的に取り組んで頂けますよう、お願い致します。
子どもは大人よりも3倍の放射能の影響を受けると言われています。
子どもの未来を思う母親たちは、子どもの被ばくをとても心配しています。
子どもが食べる給食のお米は、これまで通り、原発事故による汚染の可能性の低い、北海道のものを使ってくださるよう、お願いを致します。
1、給食のお米はこれまで通り、安心・安全な北海道のお米を使用してください。
2、県外に避難している母親と子どもが安心していわきに帰れるまで、そして多くの母親たちの心配がなくなるまで、子どもが食べる給食の材料については原発事故による放射性物質が飛んでいない遠くのところのものを使用してください。