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海の放射能汚染、放射能汚染水を考える講演会へ

 福島第一原発事故による放射能汚染水問題が、東京電力と国の後手後手の対応で深刻さを増しています。放射能汚染水の漏えい、海洋放出問題は、漁業者の生活権ばかりでなく、消費者・生活者としての全国民の生存権の問題であり、こと海洋として海外ともつながっており国際問題です。
 東京電力は、放射能汚染水の濃度を過小評価していた問題で、4月11日、昨年2~9月に採取した地下水や土壌及びトレンチの補正した汚染水データ168件を、原子力規制委員会の汚染水対策作業部会に提出しました。昨年7月9日採取の海側井戸地下水のストロンチウム90などのベータ線放射性物質濃度は、当初89万Bq /Lとされましたが、補正後は3900万Bq /Lと40倍以上に。また、昨年8月発覚のタンクからの約300トンの汚染水漏れでは、当初8千万Bq /Lとしたものが、2億8000万Bq /Lと大幅修正。この漏えいは一部が外洋に流出、国際的な事故評価尺度(INES)で8段階の下から4番目に当たる「レベル3」。今年2月の約100トンの汚染水漏れの2億4000万Bq /Lを上回りました。
 「地下水バイパス」は、タンクからの漏出した汚染水の一部が地下水バイパス用の井戸からくみ上げられて海洋放出されるという無責任なもの。排出汚染水の濃度規制で対応するとしており、排出量の総量を規制しない以上、毎日100トンもの放出汚染水は、海洋汚染を進行させ生体濃縮による海産物の汚染拡大から人体への影響が懸念されます。
 また、たとえ「地下水バイパス」により建屋内への地下水流入が最大100トン減っても、溶融炉心からの放射能放出量に変化はなく逆に流出汚染水の放射能濃度は高くなることは必至です。問題の核心は、溶融炉心を水冷していることにあり、空冷化に踏み切らない限り、何も解決しないのです。規制委員会も事業者も再稼動に血道を上げている場合ではなく、これ以上の海の汚染を防ぐために全力を投入する義務があります。
 脱原発福島ネットワークなど75市民団体は、4月4日、廣瀬東電社長宛の 「深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出に抗議し、無責任な『地下水バイパス計画』の実施を強行しないよう求める要請書」を提出。5月14日に東京電力の回答を受けて交渉するとともに、同日「海の放射能汚染、放射能汚染水を考える講演会」を開催します。

海の放射能汚染、放射能汚染水を考える講演会
■日時:5月14日(水)午後6時30分〜 
■場所:いわき市文化センター
■ 講師:湯浅一郎さん
    (NPO法人ピースデポ代表。元産業技術総合研究所中国センター研究員。
     34年間瀬戸内海の環境保全研究に従事。専門は海洋物理学。著書に『海の放射能汚染』)

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by kazu1206k | 2014-04-17 20:58 | 脱原発 | Comments(0)