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「これ以上海を汚さないで!」76団体が「地下バイ」中止要請

 5月20日、東京電力は無責任な「地下水バイパス」を5月21日から実施するため、福島県や関係自治体、漁業関係者に対し説明を行った。
 しかし、内容は、運用目標が1リットル当たりセシウム134は1ベクレル、セシウム137が1ベクレル、ストロンチウム等全βが5ベクレル、そしてトリチウムは1500ベクレルという値であり、汚染されていない地下水ではなく、汚染水タンクからの漏えいにより汚染された地下水である。相変わらず、1リットル当たりの放射能の濃度規制だけ、放出する汚染地下水の総量規制がないのだ。東電によれば、トリチウムだけで年間 0.5兆ベクレルの放出量という計算になる。地下水とは名ばかりで、放射能汚染水を垂れ流す無責任な放出計画である。このような放出がいつまで、どのくらいの量が放出されるのか、全体像も一切明らかになっていない。濃度だけの基準では、いくらでも大量の放射能を放出することが可能になるのだ。しかも、市民には説明会さえ開かない。トリチウムは1500ベクレルという高い値でこのような汚染水が放出されることは、新たな国際問題に発展する懸念もある。
 こうした状況下で、福島県内外の76市民団体は、「ストップ・汚染水」の声を挙げ、命の海へのさらなる放射能放出を止めたいと願い、東京電力に対し「地下水バイパス」実施に対する中止要請を行った。赤ちゃんを抱いたお母さんをはじめ市民団体の代表14名が、東京電力平送電所で『母なる海への「地下水バイパス」という意図的な放射能汚染水の放出を中止してください。』という要請書を読み上げて手渡し、それぞれが口々に「これ以上海を汚さないで!」と心からの放出中止の訴えを行った。
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要 請 書

2014年5月20日
東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬直巳 様

母なる海への「地下水バイパス」という意図的な放射能汚染水の放出を中止してください。

 福島第一原子力発電所の過酷事故は、3年以上の年月を経ても収束の見通しもなく、大量の放射性物質が環境中へ放出されています。このような状況での中で、報道によれば、東京電力が「地下水バイパス」を5月21日にも実施する旨、伝えられています。私たちは、この「地下水バイパス」が放射能を含み汚染された地下水である可能性が高いことから、決して外洋に放出することは許されないと考え、その実施中止を求めます。

 福島第一原子力発電所では、1〜3号機の溶融した核燃料の所在もいまだにわからず、ただ冷却水を注入する作業が3年間行われてきました。そのために大量の高濃度汚染水が発生し、鋼板をボルトで固定しただけのフランジ型タンクに貯蔵されていました。昨年夏以降これら複数のタンクから数百トンの汚染水が漏洩し最大で1800ミリシーベルト/hという非常に高い汚染が確認されています。福島第一原発事故は国際原子力事象評価尺度ですでに「レベル7(深刻な事故)」、人類史上最悪の原発事故と評価されています。東京電力は、その同じサイトで新たに「レベル3(重大な異常事象)」とされるような汚染事故を重ねて起こしているのです。「地下水バイパス」によって放出される地下水は、フランジ型汚染水貯蔵タンクの近傍・下流に位置している12本の観測井戸からくみ上げられたもので、漏洩した高濃度汚染水による汚染の可能性が非常に高いと考えられます。

 「地下水バイパス」という言葉も、事実を隠しています。実際、東京電力自身が設定している「地下水バイパス」の運用目標でも、1リットル当たりセシウム134は1ベクレル、セシウム137が1ベクレル、ストロンチウム等全βが5ベクレル、そしてトリチウムは1500ベクレルという値が設定されており、けっして汚染のない地下水ではなく、汚染されていることが前提になっています。さらにこのような放出がいつまで、どのくらいの量が放出されるのか、全体像は一切明らかになっていません。このような濃度だけの基準では、いくらでも大量の放射能を放出することが可能になり、特にトリチウムは1500ベクレルという高い値でこのような汚染水が放出されることは、また新たな国際問題に発展する懸念もあります。

 福島第一原子力発電所の沖合、そして東北地方沖合の三陸沖は、世界三大漁場といわれる豊かな海です。この海の恵みは日本国民の宝であり、さらにこの恵みによって生きる漁業関係者等の生活の場でもあります。東北の真の復興を願う多くの人々にとっても、「地下水バイパス」というこれ以上の放射能汚染水の放出は、その願いを打ち砕きかねません。私たちは、このような「地下水バイパス」の実施を中止するよう、重ねて強く要請いたします。

【提出団体(76団体)】

会津放射能情報センター(福島)、いわきアクション!ママの会(福島)、いわきの初期被曝を追及するママの会(福島)、いわき母笑みネットワーク(福島)、いわきを変えるゾ市民の会(福島)、風下の会福島(福島)、原発いらない福島の女たち(福島)、子どもたちの安心・安全を考えるいわきママの会(福島)、ストップ!プルトニウム・キャンペーン(福島)、脱原発の日実行委員会福島(福島)、脱原発福島ネットワーク(福島)、止めようプルサーマル! 三春ネットワーク(福島)、双葉地方原発反対同盟(福島)、虹とみどりの会(福島)、ハイロアクション福島(福島)、緑ふくしま(福島)、ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会(福島)、福島原発30キロ圏ひとの会(福島)、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会(福島) 

青少年自立支援センター・ビバの会・ビバハウス(北海道)、有限会社青少年自立支援センター・ビバ(北海道)、核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(青森)、三陸の海を放射能から守る岩手の会(岩手)、茨城の自然と環境を考える会(茨城)、脱原発共同行動(茨城)、反原子力共同行動 (茨城)、リリウムの会 (茨城)、 FoE Japan(東京)、藍と宇宙のエンパワメント(東京)、女たちの一票一揆(東京)、樹花舎(東京)、原子力規制を監視する市民の会(東京)、原子力資料情報室(東京)、原発を考える品川の女たち(東京)、 再処理工場を知る会(東京)、さよなら原発@目黒(東京)、さよなら原発!三鷹アクション(東京)、脱原発・東電株主運動(東京)、脱原発法制定全国ネットワーク(東京)、脱原発の日実行委員会(東京)、電気代一時不払いプロジェクト(東京)、東電株主代表訴訟(東京)、反原発出前のお店(東京)、ふぇみん婦人民主クラブ(東京)、福島原発事故緊急会議(東京)、福島老朽原発を考える会(東京)、目黒精神保健を考える会(東京)、NPO法人有害化学物質削減ネットワーク(東京)、震災復興プロジェクト・神奈(神奈川)、プルトニウムフリーコミニケーション神奈川(神奈川)、柏崎刈羽原発反対地元三団体(新潟)、さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト(新潟)、太田川ダム研究会(静岡)、原発震災を防ぐ風下の会(静岡)、東京電力と共に脱原発をめざす会(静岡)、10万年生きる愉快な仲間(さる)たち(岐阜)、放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜(岐阜)脱原発・滋賀☆アクション(滋賀)、京都ネイチュア・フィーリングを進める会(京都)、ふくしま月あかりの会(京都)、100人の母たち in 京田辺(京都)、おおさか生命環境コミュニタス(大阪)、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン(大阪)、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(大阪)、市民のひろば(大阪)、さよなら原発箕面市民の会(大阪)、さよなら原発神戸アクション(兵庫)、ボイス・オブ・ヒロシマ(広島)、脱原発わかやま(和歌山)、上関原発止めよう!広島ネットワーク(広島)、東北アジア情報センター(広島)、グリーン市民ネットワーク高知(高知)、原発八女ん会(福岡)、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会(佐賀)、プルサーマルと佐賀県の100年を考える会(佐賀)
                               
                 連絡先:脱原発福島ネットワーク
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by kazu1206k | 2014-05-20 19:26 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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