生命の母・海からの警告ー湯浅さんの講演
2014年 05月 26日

東京電力の地下水バイパスは、漏洩が続く汚染水タンクの近傍下流部にある地下水バイパス井戸からのくみ上げによる汚染された地下水の海洋放出です。放射能の濃度だけ運用目標値を決め、放出量の総量を規制しない無責任な放出であり、初日の561トン放出では、トリチウム濃度は1ℓあたり240bqというものの、実際にはトリチウムだけでも1億4千bqの放出となります。この他にストロンチウム90等の全β核種とセシウム等を、いつまでどれだけの量を外洋に放出するのかも定かではありません。また、たとえ「地下水バイパス」により建屋内への地下水流入が最大100トン減っても、溶融炉心からの放射能放出量に変化はなく逆に流出汚染水の放射能濃度は高くなることも考えられます。汚染水対策にはならずむしろ海洋汚染が深まり、放射能の生体濃縮、魚介類などの食物連鎖による人体への影響など放射能被害の拡大の恐れがあります。
このように、地下水バイパスによる放射能汚染水の海洋放出は、漁業者の生活権ばかりか、消費者・生活者として市民の健康権・生存権の問題でもあり、国際問題でもあることから、市民説明会の開催等市民に対する説明責任を果たすよう、東京電力に求めていますが、拒否しています。
わたしたちは、海洋汚染の深刻化と被害の拡大が危惧されることから、公害対策の基本である予防原則の観点にたって、これ以上の海の汚染を防ぐために、地下水バイパスの中止と放射能汚染水の海洋放出を止めるよう求めます。

の講師:湯浅一郎さん(NPO法人ピースデポ代表。元産業技術総合研究所中国センター研究員。34年間瀬戸内海の環境保全研究に従事。専門は海洋物理学。著書に『海の放射能汚染』)の講演レジュメを掲載します。
また、記録画像もご覧ください。
2014.5.14 海の放射能汚染、放射能汚染水を考える講演会 講師:湯浅一郎氏
http://youtu.be/0R0xrmpqTlI






