地下水汚染の拡大に抗議、東電交渉
2014年 06月 25日
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2014年6月25日
東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己 様
地下水汚染の拡大に抗議し、汚染水の海洋流出防止を求める要請書
東京電力は昨6月24日夜、福島第1原発の1~4号機タービン建屋海側で、地下25~30メートルの深い地層=下部透水層の地下水に、放射性物質のトリチウムによる汚染が拡大していると発表しました。東京電力によると、1~2号機海側の深さ25~30メートル観測用井戸で、5月以降に採取した地下水から1リットル当たり最大4700ベクレルのトリチウムが検出され、3~4号機海側の井戸の地下水でも最大480ベクレルが検出されたとしています。
第1原発の地層は、水を通す上部透水層の下に泥岩質の難透水層、その下に下部透水層があるとされ、東京電力は「下部透水層の水圧が、上部透水層の水圧よりも高いため、上部から下部への汚染水の浸透の可能性は少ない」としていましたが、海側遮水壁の工事の影響で、下部透水層の水圧が低下して上部透水層との水圧が逆転、汚染水が地下深く浸透したとし「1~4号機海側には地中にトレンチが下部透水層の深さまで造られており、汚染水が地層間を貫く土壌とトレンチ側面の隙間を通って浸透したとみられ、海へ流出している可能性がある。」と報道されました。
2011年3月以来の福島第一原子力発電所事故は、今なお、大量の放射性物質を環境中に放出し、放射能汚染を拡大し続けています。特に、放射能汚染水の漏えい、海洋放出は深刻な事態です。
汚染水貯蔵タンクから漏えいした放射能汚染水を観測井戸からくみ上げる「地下水バイパス」では、東京電力のトリチウム1500ベクレルという運用目標値を超える値がNo12観測井戸から度々でており、これでは野放図に大量の放射能を放出することになり、希釈すれば済むというものではありません。放射能汚染水の漏えい、地下水汚染の拡大、汚染地下水の放出は、海洋汚染の進行、生体濃縮による海産物の汚染拡大から人体への影響が懸念されるところです。
世界三大漁場である常磐沖の豊かな海は、福島県民、日本国民の宝です。わたしたちは、地下水の汚染拡大に抗議するとともに、あらためて汚染水の海洋流出防止に全力をあげることを求め、下記の通り強く要請を行い、誠意ある回答を求めるものです。
記
1、放射能汚染水の漏えい防止と地下水汚染の拡大防止策を早急に確立すること。
2、地下水バイパスは、トリチウム濃度が運用目標値を超える観測井戸のくみ上げを停止し、汚染地下水の海洋放出を中止すること。
3、汚染水のコンクリート固化、凍土壁によらぬ遮水壁の設置、溶融炉心の空冷化計画の策定を実現すること。
風下の会福島 脱原発の日実行委員会福島 脱原発福島ネットワーク 脱原発緑ネット
止めようプルサーマル! 三春ネットワーク ハイロアクション福島
福島原発30キロ圏ひとの会 双葉地方原発反対同盟 ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会 d
その後の交渉では、「深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出に抗議し、無責任な「地下水バイパス計画」の実施を強行しないよう求める要請書」回答に対する質疑への再回答をめぐるやり取りなどを行いました。
その中で、地下水バイパスが5月21日から強行されたことに対し「 20日のこの交渉時には、放出するとは明確に答えてないのに、21日に放出する、という記者会見をするというのは、不誠実で嘘つき。」「21日に放出できる準備段取りを会社はやっていたはずだ。ここでのやりとりを上申しているのか?20日に提出した要請書は社長に届いてるのか?」「2回終わった時点で、増田氏 は5月29日 地元の皆様のご理解の賜物、、の発言あったが、私たちは理解していない」などの抗議と質問に、東京電力は「まず、東京の原子力センターに行く」等と応えたため、「5月20日の要請書がいつどのように伝わったのか、市民の意見をどう受け止め判断したのか?」次回で回答することを要求しました。
また、「原発事故により加害被害の関係になって立場が変わったわけなのに、県民の声を圧殺していけると思っては、今後たいへんなことになる」「姿勢が変わらないということ、そのことでこの事故が起こったといえる。地域の皆様の理解、、とはなにか?」「地下水バイパスについて、相当低い運用値だから問題ないとする姿勢だが、事故被害の中で発生した汚染水問題であり、2011年時点で対応していればもっとましだったのに、事故処理の不備が事態を悪化させた事実がある。漁業者が苦渋の決断をしたから、と漁業者に責任を持たせるのではなく、海洋汚染、水産物への影響を考えるというのが根本だ」と意見が出され、「増田廃炉カンパニー最高責任者の釈明と聞く対話の場をもうけること」を要求しました。