6月26日、原発事故後初めて東電株主総会に出席しました。この10年、議会の6月定例会などの日程と重なりほぼ出席できませんでした。今年も株主提案の福島第二原発の廃炉や作業員の処遇改善などの議案は全て否決されました。
採決に先立つ質疑で、議長である数土会長が、質問は2問3分以内という制限をつける中、わたしは、質問の最初にたちました。今なお続く福島第一原発事故によって14万人がふるさとを追われ、生業を奪われ、避難生活がつづく被害の実態を訴えたうえで、取締役会のいう課題「賠償、復興、廃炉」について、浪江町の集団賠償請求で東電がADRの和解案を拒否した問題と漁業者に責任を押し付け「福島県、多くの皆様に御理解を得た」と開き直る汚染水対策ー地下水バイパス12番井戸のくみ上げ停止と汚染地下水放出の中止を求め質しました。
取締役の回答は、浪江町のADR和解案を尊重すると話す舌のねも渇かぬうちに、「和解案は公平性を欠くと拒否」しました。高齢の請求者が死亡する現状にあって、いたずらに解決を引き延ばし、原発ADR制度の根幹を覆し法を守らぬこの態度は、被害者にとって到底受け入れられるものではありません。取締役会のいう「事故の責任」や「被害者に徹底して寄り添う」「最後の一人まで賠償の貫徹」がいかに言葉をもてあそぶ無責任なものであることか、被害者を傷つけるものであることが明らかになりました。
汚染水対策に至っては、廃炉カンパニー・レジデントである増田執行役が議長から答弁を指名されましたが、経緯を話すのみで、地下水バイパス12番井戸のくみ上げ停止と汚染地下水放出の中止について、全くふれない回答しない不誠実で福島県民を愚弄するものでした。