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長瀧座長解任と進め方見直しを!

 8月5日午後5時から「第9回東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」が開催された。第8回会議では5名の外部専門家が批判的意見を提出、委員がそれに答えられないという実態だった。
 今回、会議直前、長瀧座長の恣意的独断的な会議運営に抗議し座長解任を求める要請文を、傍聴した市民団体関東ネットの女性たちが浮島政務官に手渡した。会場からも「偏向座長は要らない」「良心はあるのか」「国民の声を聞け」などの紙を掲げる傍聴者もいた。
 また、長瀧座長の会議運営に従って意見を言ってきた委員からも「中間取りまとめに向けた線量評価部分の要点(案)」への疑問や「福島県内の外部被曝は5mSv未満が99.8%だと言うが、それがすべてではない。不確実性がある」といった批判的意見や「これではミスリーディングをもたらす。100ミリを超える被曝を受けた住民がいたとは考えられないという記述と、その可能性を否定することが出来ないという記述の併存は、科学的にはあり得ない文章。こういうまとめ案をつくることがいいのか自信がない、まとめの前の段階の長い文書についても自信がない」といった発言も飛び出し、不満が表面化。
 良心的な見解を述べてきた委員からは、これまで8回の会議が線量評価や健康リスク評価に費やされたことから、会議の目的である健康調査や医療施策についての議論に移っていくべきとの意見が出された。
 この「専門家会議」は、福島原発事故の被曝線量を過小評価し、被曝リスクは小さく、健康調査や健康管理の必要はないと結論づけようとしてきた。しかし、5名の外部専門家発言や良心的委員の働きかけ、傍聴を続けてきた市民の監視によって、この目論見は崩れつつある。環境省は、長瀧座長を即座に解任し、「子ども被災者支援法」の趣旨に則り、健康調査、健康施策の実施に向けた議論をはじめていかねばならない。
 以下に、座長解任と進め方見直しを求める要請文を掲載。

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う 住民の健康管理のあり方に関する専門家会議座長解任と進め方見直しの要請
                         2014年8月5日
井上信治環境副大臣殿
浮島智子環境政務官殿

 かねてより、多くの被災者・支援者や自治体が「原発事故子ども・被災者支 援法」(以下略して支援法)13 条 2 項・3 項に定める健診や医療費の減免措置 などの健康支援を、汚染状況重点地域など幅広い地域で実施することを求めて きました。政府は、こうした強い要望に対して、専門家会議を設置して検討す るとしました。本専門家会議は、このような経緯で設置されたのです。
 しかし、専門家会議では、現在まで被ばく線量の評価に関する限定的な議論 がなされてきたにとどまり、健診のあり方や医療費の減免などについてはほと んど議論されていません。長瀧重信座長の強引な委員会運営により、警鐘を鳴 らす外部専門家の意見は無視され、「被ばく量が小さいため、健診の拡大は必 要ない」という結論ありきの会議運営が進められています。「放射線が人の健 康に及ぼす危険について科学的に未解明(支援法第一条)」であるにも関わら ず、現状の把握より、限られた国際機関の知見のみを採用し、結論を導こうと する会議の進め方は改めるべきです。
 長瀧座長は、6月26日に開催された第7回会合において、「支援法が成立 した時代とは違う。」と、同会議の設置の背景になっている同法を否定する発 言をされました。さらに、7月16日に開催された第8回会合では「この会議 でがんが増えているということが結論になると大変」など、科学的根拠のない 一方的な見方を示した上で、「誰が被ばくしているのか」などと、原発事故に よって今なお被曝を強いられている被災者の心情を踏みにじる言葉を口にしま した。
 原発事故に伴う子どもの「健康診断」については、2013年9月に、復興庁が支援法の基本方針を策定するにあたり実施したパブリックコメントにおい て、1200にものぼる意見が寄せられ、要望が最も強かった項目です。支援 法第十四条には「被災者の意見を反映」するよう定められているにもかかわら ず、長瀧座長の一方的な議事進行や発言は、法の理念や被災者の声をないがし ろにしており、期待を裏切られた思いで、容認いたしかねます。
 そもそも長瀧座長をはじめ、多くの委員会メンバーは、その経歴から言って も福島原発事故の一因を作った原子力安全神話に加担してきており、現在の福 島原発事故の惨禍に責任をとるべき人たちなのではないでしょうか。これにつ いては、外部専門家として招聘された崎山比早子氏が指摘した通りです。
 様々な専門家の視点や意見をしっかり受け止め、偏りの無い公正な議事進行 ができる方に会議を運営していただきたく思います。
 以下、要望します。

1、長瀧座長を即座に解任してください。
2、「子ども被災者支援法」の趣旨に則った会議を実施してください。

                                 以上
<賛同団体>38団体
放射能からこどもを守ろう関東ネット/放射能汚染から子どもたちを守る会・ 野田/吉川健やかネット/こども東葛ネット/松戸市 PTA 問題研究会/流山・ 東深井地区のこども達を放射能から守る会/放射能汚染から子どもを守ろう@ 守谷/環境とエネルギー・柏の会/流山市放射能から子どもを守るネットワー ク/常総生活協同組合/北陸避難者ネットワーク/郷土教育全国協議会/常総 市の子ども達を守る会/我孫子の子どもたちを放射能汚染から守る会/鎌ヶ谷 市放射能対策 市民の会/SCRmisato/白井子どもの放射線問題を考える会/ 子どもの未来を守ろう@うしく/放射能 NO!ネットワーク取手/大気汚染から 生命を守る会/福島原発30キロ圏ひとの会/那須野が原の放射能汚染を考え る住民の会/福島原発事故緊急会議/緑ふくしま/虹とみどりの会/避放射能 子ども保養所「まちの縁側かもがわ」保養プロジェクト/FoE Japan/福島老 朽原発を考える会/ふくしま地球市民発伝所/支援交流「虹っ子」/「チェル ノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク/避難・移住・帰還の権利ネットワーク/ハイロアクション福島/原子力教育を考える会/NPO法人子ども全 国ネット/食政策センター・ビジョン21/ママレボ編集部/高木学校/つな がろう!放射能から避難したママネット/「原発事故子ども・被災者支援法」 推進自治体議員連盟

<個人賛同>31人 大賀 あや子/西川 峰城/海棠 ひろ/蛇石 郁子/勝又 國江/満田 夏花/阪 上 武/堀田 ちえこ/阿部 治正/小宮 清子/黒田 まり子/瀬戸 大作/宇野 朗子/塩崎 雅一/森園 かずえ/橋本 あき/垣内 成子/武藤 類子/大河原 さき/千葉 澄子/飯塚 進三/鈴木 絹江/萩原 ゆきみ/伊藤 圭一郎/庄司 郁子/石川 嗣郎/谷山 智子/木村 雅英/堀江 庸則/堺 勇人/矢野 恵理子

連絡先 「放射能からこどもを守ろう関東ネット」 Tel080-4067-8339 (事務局)
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by kazu1206k | 2014-08-06 22:43 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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