サブ・地下水ドレン汚染水放出とトリチウムの影響で東電交渉1
2014年 12月 25日
サブドレン汚染水と地下水ドレン汚染水の海洋放出計画が実施されると、東電の試算で一日あたり9.65億ベクレル、年間約3522億ベクレルのトリチウムの放出量となる。カナダ・ピッカリング原発等の事例で、遺伝障害、新生児死亡、小児白血病など人体への影響が指摘されたが、東電は「異常は確認できなかった」とした。漁業者ばかりでなく住民全体への説明とトリチウムの除去・隔離が必要だ。
交渉記録を2回にわけて掲載する。
再開第16回東電交渉記録動画はhttp://youtu.be/5ZHQiR8NXNU
再開第16回東電交渉記録 1/2
佐藤:市民説明会をやってほしいと要請したけれど、「市民説明会はできない。この東電交渉の延長の場であれば、応じられる」ということで、今日は開催。
佐藤:「サブドレン汚染地下水海洋放出計画の中止を求める要請書」を9月2日に提出。東電から10月7日に回答。前回11月20日にやり取りをした積み残しの回答を、一括でお願いしたい。
前回からの積み残し
(1)地下水解析等の委託先は?
地質の調査データは資料の中にあり、解析先はオープンにできない。データを示している中で、規制庁や汚染水ワーキングで専門家が目を通しているので、解析先はひかえさせてもらう。
(2)カナダ・ピッカリング発電所からのトリチウム流出の影響について。
トリチウムを非常に多く排出する発電所、地域住民の健康影響事例はあるかという問いだが、90年代に、原子力委員会に相当するところが出したレポートを確認できたのですが、ピッカリングでのトリチウムの健康影響を示すデータは私どもでは確認できなかった。吸引、被曝、死亡、異常を関連付けるデータは確認できなかった。
(3)1F3号機のMOXの装填経過は?
1F3号機に、事故当時32体のMOX燃料があった。その後のMOXの計画は、1Fは止まっているため止まった。MOX燃料に限らず、新規に購入していることはない。契約上もない、契約が進むことはない。白紙。
(4)地下水バイパスの効果は?
敷地の35メートルのところで汲みあげて、海に放出させて、その分、地下水を下げて、建屋の流入を減らすことを行っている。その効果は、現地の汚染水対策委員会(公開)、毎月のロードマップで資料をご報告している。ざっくりいうと、地下水バイパスと建屋の止水も並行して起こっているので、そういった対策をひっくるめて、大体100㎥/Dayほどの流入を抑える効果がみえてきている。日に400㎥が流入し、汚染水として増えている状況があるけれど、100㎥に抑えられているデータがある。引き算すると、300㎥ほどの日に日に増えている汚染水はあるけれど、効果は出ている。
(5)4号機の進捗状況は?
12月20日に取り出しを完了した。
(6)作業に従事した作業員の被ばく線量は?
去年の11月18日から、4号機の燃料取り出しをはじめ、当初スタートラインでは全部の燃料があり、線量が高い状況から始めて、遮蔽も出来る限りやったんですけれど、作業員さんの状況を見ながら、鉛や鉄板を引いて、被ばく量は減ってきている。11月18日~11月の頭まで、一番被ばくの多いところでみた場合、2つの作業がある。
1.燃料を移動する作業。キャスクに入れ替え、キャスクからプールに。
平均4ミリシーベルト/人。
2.燃料をキャスクに入れる作業。キャスクに近づいての作業。
平均6ミリシーベルト/人。最大で11ミリシーベルト(キャスクの下で作業をされた方)
12月20日に作業が終わったところで、分母は集計中。
Q:今後の排出総量については、後で?
A:サブドレンについては、いろいろ数字は出ているが、海側地下水70トン/日、サブドレン500トン/日、建屋と地下水の水バランスを見ながら抜いている。
サブドレンだけじゃなく、地下水ドレンもやりたいと思っている。地下水ドレンをやることで、遮水壁を完全に打ち込むことができるので、ぜひやらせてほしい。
Q:サブドレンで500トン、地下水ドレンで70トン、その濃度は?
A:排水の濃度管理はお示しできるものがない。地下水バイパスと同等の管理でやりたいと協議しているところ。
Q:漁業者への説明会を2回やって、そちらでは地下水ドレンの70トンの件も出したと思うが、我々には、地下水ドレンのことは、やるともやらないとも説明がなかった。結局、かなりの濃度の地下水を同じように処理して排出することになるということなのか。
A:サブドレン用に用意した処理施設を使う。サブドレンも地下水ドレンも同じ施設で。
Q:地下水ドレンでくみ上げたテストは報告してあるのか。
<資料2種を配布>「海洋汚染をより確実に防止するための取り組み」「試験結果」
Q:海側遮水壁の内側でくみ上げている分は、垂れ流しているということでいいのか。
A:垂れ流しというか。我々が管理できなかったので、やっとこの度、管理できるようになった。
Q:総量でどのくらい、流したのか。管理し切れない状態で?
A:ほとんどのものは、事故の発災当時に出た量がほとんどだと思う。それはいま手元にはないが、評価した数字があって、驚くような数字になっているかと思う。それと比べれば、今回流そうとしている浄化した地下水ドレン等は検出限界。
Q:垂れ流した分は、漁業者にも一般の方にも、説明ができているのか。総量は。データは。濃度は。報道で見た記憶がないのだが。
A:地下水が400トン、海にでているだろうということが、評価の結果。実際に海側にどのくらいの量出ていたのかはわからない。なぜわからないかというと、濃い濃度のものをくみ上げる設備を作っていて、2号機のタービン建屋でくみ上げている。そこに捕えられなかったものが海に流れた。
Q:雨水であふれて流出したという報道だったが、管理できない形で400トン近くの水が流れ、地下水ドレン70トンは高濃度であるという理解でいいのか。
A:護岸のサンプリングは毎日とっている。穴を掘って、水ガラスをいう薬液を注入して、バリアをつくっている。評価をいろいろやった中で、高いものが出ている可能性がある。水の満ち引きが当然あって、護岸は一方通行ではなく、海水が出たり入ったり、海水と混ざって出ている可能性があると報告したのが去年。
提示された資料の説明。
資料1
海側遮水壁 赤い線の海側遮水壁、ほとんど完成しているが、意図的に一部あけてある(4号機の前)。そこから地下水が海側に出ている。全部閉じると脇から海側に出る。結局、海側に出てしまう。
海側遮水壁のまえに、井戸を5カ所作り、地下水をくみ上げて浄化しようとしている。浄化して、海に流していい状況になったら、最終的な鋼板を打ち、地下水が海側に流れ出ないようにしようとしている。
陸側遮水壁の設置。青い線の氷の壁を作る。その下、サブドレンからの地下水くみ上げ。建物の周りに井戸を掘り、水をくみ上げる。建屋に入る水を減らす。
高濃度の汚染水を意識的にためて、2号機のほうにもっていくことをやる。地下水ドレンとサブドレンの、地下水くみ上げを行う。
資料2
水質検査を5回行い、どの程度下がったのかを示した。
質疑応答
Q:1500ベクレル/ℓを、半分、3分の1などに、運用目標は変わる可能性があるのか。
A:運用目標は、何も決まっていない。地下水バイパスでの基準をベースに、設定とご理解を含めて話を進めているところ。
Q:地下水ドレン、サブドレンは、漁連さんと「1500でどうですか」という話を進めているということか。
総量をここまで抑えるという目標を決めているのか。タンクに集めていろんな水を集めても、基準以下に薄めてしまえば出せることになってしまう。今度は、放出量が増え、総量が積み上がることになる。
A:今はトリチウムに関しては、法令もない。発電所立地の時から、放射性物質の濃度というのは決めさせていただいて、排出も決めさせていただいてきた。事故後も法令の基準に則って、なるべく低い値で考えている。総量については基準がない。設けようという動きも特にない。
Q:地下水ドレンは、一旦これまでと同じように、タンクにためておくしかないのか。
A:結局、発電所に高濃度の汚染水をためておくリスクを小さくしたいと考えている。汚染水が増える方向の中で、なるべく少なくしたいので、自然界に近い地下水に関しては排出させていただきたい。高濃度と混ざらないようにしたい。
今、流れてしまっている水を食い止めるためのフェンスを作りたい。今の状況よりもリスクを下げたい。そのためには汲みあげることによって、綺麗な水で浄化すれば、リスクを小さくできるだろうと考えている。
Q:地下水ドレンとサブドレンの放射能の量というのはどれくらいか。
A:今、手元に資料がない。少なくとも、我々が高濃度汚染水と呼んでいる建屋に溜まったものと比べると、4、5ケタ低い。
Q:資料2の検出限界はいくつくらい。
佐藤:それは後で。資料1から質疑を。先ほどの件は、次回にデータをもらうことで。
Q:くみ上げた地下水の浄化の方法について教えてほしい。キレート処理なのか。
A:キレート処理もするし、イオン交換も含めてやっている。
Q:サブドレンくみ上げ効果は。
A:まだ本格運用はしていない。本格運用すると400トン入ってくる水のうち、200トン減らせるんじゃないかという、大きな期待がある。
Q:いつまでやるのか?
A:最終的には、原子炉建屋に水が入らなければ高濃度の汚染水が増えないわけで、建物の流入場所を…。大体7年間の計画で、止水を終わらせようとしている。汚染水が増え続けることがなくなる。7年間あれば、氷の壁と言っている陸側遮水壁で水を減らすことができ、建物への流入が減り、建屋に人が入り、ロボットが入って、流入場所を探し、漏れないよう対策ができる。それは、凍土遮水壁、地下水バイパス、水のコントロールができることが前提だ。
Q:湾内のモニタリング状況については、把握していないということか。
A:湾内の放射能濃度については把握している。漏れ出た地下水の濃度については十分には把握できていない。
Q:港湾内北側、西側、南側、ここでもWHOの飲料水ガイドラインを超えるものがある。
A:把握している。
Q:港湾外に出ると考えて、安倍首相の「コントロールされている」というのは嘘ですよね。
A:汚染水が出元である建屋から流れている状況に対してはせき止めているが、港湾にじわじわと出てしまった汚染水が海水を汚染している状況は、取り切れていない。原子炉側の制御はできていると。サンプリングして、港湾、10km、20km地点の海水をとって、広がっていないかを確認させていただいている。濃度は低下傾向にあることは確認している。
Q:10ベクレル/リットルの場所もある。一時期ずっとNDだったが。
A:かなり検出限界に近いところで検出されていると思う。何ともいえない。大変申し訳ないことではあるが、海側遮水壁で閉じられているので、直接海側に出ることはない。今出ているものは、事故当時に出てしまったものがまだ検出されているとみている。
Q:現状で下がっているとおっしゃるが。
A:さらに下げようということで、浄化したものを流そうとしている。
Q:7番の「効果」をもっと丁寧に説明してほしい。効果をあったのは、なんで効果があったのかがわからない。トリチウムが、今後、15分の1になると書いてあるけれど、63種の放射性物質の中に入っていないと思うが、どうしてこんなことが可能なのか。
A:昨年は実績であり、今年の評価は25年の8月から、26年の5月までの海側の分析結果をもとに評価した。トリチウムは浄化できないのではないかとおっしゃる通り。バランス計算をしているのだが、地下水ドレンを70トン、サブドレンを500トンくみ上げ、浄化施設でストロンチウムやセシウムは除去されるので、トリチウムについては、実際にくみ上げて浄化して出すであろう濃度はそのままで、それと今、海側に400トンほど流れているものが、遮水壁を入れると10㎥になると評価している。
<「よくわからない」の声>
数式を黒板に書いてもらい、その間、別な質問を進める。
Q:地下水ドレンからくみ上げて、2号機に溜めるという説明が聞きたい。
A:コの字の黒い線が、水ガラスという薬液を地下に埋め込んだバリア。緊急対策としてやった。なるべく海側の流出を防ごうということで。行き場をなくした水があふれてしまわないかということで、黄色い線のウエルポイントを設置してくみ上げをやっている。ここの水は値が高いということで対策しているので、ウエルポイントの水は汚れていることがわかっているので、タービン建屋に入れる。なぜ入れるかというと、原子炉を冷やした水は高濃度汚染水として建屋に溜まる。タービン建屋から、水処理の施設に送るという意味と同じ。
2号機にまとめているのは、配管の流れ、施工上のことで、あまり深い意味はない。
Q:港湾の中におけるモニタリング、港湾外、5、6号機からは全ベータが検出。先ほどからいうように、状況はコントロールされていないということか。
A:コントロールされているかは、私の方からは言えない。港湾の中の水から分析結果が出ているのは事実。その水がもとになっている原子炉建屋の中の水は、流出点を抑え込もうと努力している。結果として、下がったものがなぜ上がったのかは、はっきりわかっていないけれど、311当初のように大きな幅がある変動ではなくて、下がってきた中で、NDから2ケタ、3ケタくらいの値をフラフラしている状況なので、大きな流出にはつながっていないと思うけれど、ただ流出しているのは、港湾のどこかだということなので、早く閉じたい。
Q:潮の満ち引きで流れているのは把握している。
A:つながっているので、ある程度の行き来はあるだろうと。港湾をふさぐ理由は、セシウムは微粒子が舞い上がらないようにしている。港湾全体をモルタルで。
トリチウムが15分の1ほどに下がる説明。
A:トリチウムの効果について。
地下水ドレンのトリチウム濃度2000ベクレル/ℓ×70トン、サブドレン900ベクレル/ℓ×500トン、リッターをトンに変えるために換算。150億ベクレル/デイをベクレルにするため8乗。「年間これだけ出ていますよ」という計算。海側遮水壁を作ったとしても、まったくゼロにはならない。400t中の10tくらいは出るだろう。という評価をして。150億ベクレル/デイのうち、400分の10だけは出るという評価。回り込んで出る。計算してみると、9.65億ベクレル/デイという数字になる。これが正しいのかというと、ここで議論しても仕方がない。こう見込んでいるということを理解いただきたい。
Q:400トンが10トンになるというのはどういうことか。
A:海側遮水壁をちゃんと閉じてしまうので、海側に地下水が出ないだろうということ。
Q:アルプスや浄化装置を通してタンクに溜めるということか。
A:違う。違う。これは海側にちゃんと流す。
<ちゃんと流す?>
A:流したいと思っている。今までは勝手に流れていたものを、コントロールしようとしているものだ。
<じゃあ、コントロールって言わないで>
Q:では10tは流れ出るのはわかったが、残りはどこへいくのか。
A:390トンは、くみ上げたり、別なところから流れたり。
Q:そこからトリチウムは取れませんよね。じゃあ、入れちゃったらダメでしょう。
A:遮水壁からは出ないってこと。いい絵じゃなかった。
Q:地下水ドレンのくみ上げた分もタンクに溜めていると思っていた。垂れ流すのをやめますというだけの話で、放射能は出る。
トリチウムは取れないとおっしゃるなら、低くなるという説明は詐欺じゃないか。390トンもトリチウムが入ったまま流す。結局、トリチウムは全部流すということではないか。400トンが10トンになるという説明は不適切ではないか。
A:迂回するか、流すか。今までは真ん中から高いところを通って流れていたが、囲ってしまえば、比較的きれいな地下水が迂回して流れるという見込み。
Q:総量は変わらないわけですよね。
A:おっしゃる通り。
Q:トリチウムに関しては、ノーマークで400トンは出る。
A:ノーマーク…。
Q:処置の方法があるなら教えてほしい。
A:残念ながらトリチウムについてはないので、ある意味、おっしゃる通り。
Q:取れるみたいな説明はおかしい。変わらない。
A:トータル的には同じ。
Q:汚染水問題で委員会では、トリチウムをどうするかは選択肢があった。そもそも流さないで除去する方法を検討することになっていたはずだが。
A:おっしゃる通り、世界中からトリチウムの除去提案を3つくらいに絞って、実証実験をやろうとしている。使い物になるかどうかも含めて、我々はそこを待っている。国がやっていることなので。委員会に入っているわけじゃないので、報告書は読むが、どこまで進んでいるかはわからない。
Q:それを待って、溜めておくことはできないのか。可能性はないか。
A*事故由来の濃度、地下水の汚染と、濃度が違う。トリチウムは残念ながら取れないが、それ以外は核種を取り除いてきれいにして出したいと思っている。全部取っておけばいいという話になるが、タンクがかなり厳しい状況。
Q:基本的な考え方として、「より確実に汚染水を防止する」って書いてあるけれど、やっぱり「海に流さない」ことが大事ではないか。発電所のリスク、発電所のリスクばかりで、外に出しちゃえば、発電所のリスクを排することができる、といっているように聞こえる。海側に投げてしまえばいいという説明に聞こえる。総量もわからずに放出してしまうということは、海の汚染につながる。タンクに溜めて、除去できる技術を確立してからどうするかという話ではないか。海は東電のものではなく、漁業者の了解を得ればいいという問題ではない。
A:発電所のリスクを下げるという話をしているだけではない。今もリスクは垂れ流し。少なくとも、次の技術を待つ時間を作っていくことだと思っている。今はまったく海へのリスクがゼロで、新たに放出するのではない。
Q:垂れ流しよりいいという話じゃなく、完璧に止めてくださいよ。陸上で保管してください。
A:トリチウムを溜めておくのは難しい。なるべく下げながら選択したい。
Q:難しいからやらないのか。
A:いやいや、そういうことではなく、全部出さないのはベスト。
Q:こういうものが発生する発電方式は一切止めなくちゃいけなくなる。
A:トリチウムのリスクと、ストロンチウムとセシウムのリスクを考えなくちゃいけない。全部出さないのはベストだが、リスクの高い核種からしっかり取り除きたい。
Q:トリチウムも低いわけじゃない。影響そのものがわかっていないという話じゃないか。リスクがわかっている部分もあるし、危険をおっしゃる方もいる。まるっきり無理だからトリチウムは流すというのは理解が得られない。
A:高濃度のトリチウムはおっしゃる通りで、タンクに溜めておく。黙っていれば勝手に流れ出る地下水、これをきれいにしようとしている。セシウムとストロンチウムは取る。その方がいいでしょうという話。流し続けるよりは。
Q:それはダメだ。取り続けても全体の総量は変わらないわけだから。高濃度のものをどこかに保管しなければ。先の先まで見ているのか。とりあえず高いからそっちをやって、トリチウムは後だというご意見だが。
A:リスクを下げるという観点ではその通り。
Q:東電としては、63の核種を取って、東電からすればトリチウムは低濃度だから全量排出するという方針。実際のところ、住民、漁民としては、トリチウムも含めて排出しないようにすべきじゃないかと。通常運転時も4兆ベクレル流していた。まだ大丈夫だという話も前に聞いたが、それで大丈夫かどうかは別の話。新しいリスクとして、特定施設になっているわけだから、公害の発生源としての新たな対応ってことで、トリチウム対策を取るってことをむしろ考えるべき時じゃないかと訊きたい。
「漁業者に説明して理解を得られている」と新妻常務はしゃべっているが、3人でも4人でも、手を挙げて発言した人は反対していた。後の人は発言していないから理解を得られたっていうのは、漁民に意思を曲解していると思う。漁民はトリチウムをこのまま流されることは実害を与えられているわけだし、彼らは風評被害補償をどうしてくれるんだともいっている。賠償をどう考えているのかと訊きたい。
今の8月25日のペーパーで、5「浄化地下水の排出は関連省庁や漁業関係者等のご理解なしには行いません」とあるが、役所と漁業関係者だけが理解すればいいのか。水産加工業者、水に関係している事業者、観光業者も含めて、そういう人たちに説明していない。市民説明会を我々は要望しているが、説明する必要があるのであって、それなしに進めるのは、依然としておかしな発想じゃないか。市民説明会というのがよっぽど嫌であれば、関連する生業の業者さんなり、一般的な国民レベルに説明する機会は、この際、年を越すのであれば、説明会を行うべき。国が前にやった。地下水バイパスの時。国がやってもいい。そういうレベルの説明会をしないと、「ご理解なしには行いません」はおかしな話。公害発生源としての企業責任として、きちんと考えていただきたい。以上3つ。
その2に続く。